部分矯正だけでもやっちゃいます
2021年7月16日
こんにちは
矯正治療って、歯並び全体をきれいに整えるイメージがあると思います。
ですが、中には「歯並び全体が気になっているわけじゃない」「前歯のここのところだけきれいになれば十分」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような希望の方にとっては、歯並び全体を整えるのはオーバーに感じられることでしょう。そこで当院では、部分的に歯並びを整える部分矯正という矯正治療を取り入れています。部分矯正とはどのような矯正治療なのでしょうか。
■部分矯正ってなに?
部分矯正とは、私たち歯科医師の間ではMTM(MinorToothMovement)という限定的な範囲で行う矯正治療のことです。
プチ矯正とよぶところもあるようですね。
全ての歯を移動させるのではなく、気になるところに限って歯を移動させるのが、部分矯正の特徴です。
ブラケットとワイヤーで歯を移動させることもあれば、マウスピースを使って移動させることもあります。
■部分矯正のメリット
部分矯正にはこのようなメリットがあります。
○気になるところだけ整えられる
部分矯正の1番のメリットは、気になるところだけを選択的に歯並びをきれいに整えることができることです。
前歯の歯並びを整えたいという方が多いですが、歯磨きをしやすくするために小臼歯という少し奥の歯だけを部分的に整える方もいらっしゃいます。
○治療期間が短い
全体を整えるのと比べると、治療期間が短く抑えられます。
○費用が抑えられる
部分矯正も歯並び全体の矯正と同じく自費診療ですが、治療費は矯正装置をつける歯が少ないため、部分矯正の方が低めに設定されているところが多いです。
■部分矯正のデメリット
○適応外となることも
部分的に歯並びを整えようにも歯を収めるスペースがどうしても確保できない場合は、歯並び全体を整えなくてはなりません。
適応症例が限定的というのも部分矯正のデメリットです。
○治療後の仕上がり
歯並び全体を整えた場合と比べると、部分矯正の歯並びは仕上がりが劣る可能性が否めません。
○歯を削ることもある
歯並び全体を整える場合は、歯を並べるスペースを確保しやすいのですが、部分矯正では限られた範囲でスペースを確保しなくてはなりません。
そのため、歯の一部を削ってスペースを確保しなくてはならないこともあります。
部分矯正のメリット・デメリット
■部分矯正の適応となるのは
先にご説明した通り、部分矯正は適応症例が限られます。
詳しくは術前検査をしなければ判断できませんが、部分矯正で対応できる可能性のある歯列不正は以下の通りです。
- 前歯部のわずかな隙間
- 前歯を中心とした軽度の乱杭歯
- 数本以内の歯列不正・矯正治療を終えた後の後戻り
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矯正のデメリット
2021年7月15日
こんにちは
みなさん矯正治療のメリットは何ですかと聞かれれば、『見た目が良くなる』『噛み合わせが良くなる』など、いろいろ思いつくことでしょう。しかし、反対にデメリットについてはあまり知られていないのではないでしょうか。メリットがあるものには、デメリットもあるものです。デメリットというのは話しにくいものですが、今回は、矯正治療のデメリットを、正直に(笑)お話ししましょう。
■治療中の見た目
矯正治療のイメージとして思い浮かべられるのは、マルチブラケット法です。歯の表面にブラケットを装着し、ブラケットの溝に通した弾性ワイヤーの弾力性を利用して歯を移動させる治療法です。この治療法では、ブラケットや弾性ワイヤーなどの矯正装置がどうしても目立ってしまいます。また、ヘッドギアなどの顎外装置を併用すれば、なおさらです。矯正治療の方法によっては、矯正装置が目立ってしまうのもデメリットのひとつです。
■歯の痛み
歯並びをきれいに整えるためには、歯を移動させなければなりません。歯に適切な力を加えて、歯を少しずつ移動させていくわけです。多くの場合、矯正治療の初期段階だけですが、歯が動くときに痛みを感じることがあります。
■話しづらくなる
矯正治療では、歯を移動させるために矯正装置を装着します。しばらくすると矯正装置の異物感や装着感に慣れるようになりますが、慣れるまでの間は、話しにくくなります。
慣れるまで話しにくくなる
■虫歯や歯周病のリスクが高くなる
矯正治療が始まると、矯正装置が歯に装着されますが、矯正装置が装着された歯は歯磨きがしにくくなります。これはマルチブラケット法の場合で、特に顕著になります。虫歯や歯周病の原因は、歯の表面のプラークの中に潜んでいる細菌です。虫歯や歯周病を防ぐためには歯磨きが重要なことはご存知の通りですが、歯磨きがしにくくなりますから、矯正治療中は虫歯や歯周病のリスクが高まります。マウスピース矯正では、マウスピースを外すことで歯磨きはしやすくなりますが、マウスピースを装着している間、歯と歯の間への唾液の流れが悪くなるため、唾液の洗浄力や抗菌作用が十分に得られなくなり、やはり虫歯や歯周病のリスクは高くなります。
■虫歯や歯周病があると治療が受けられない
すでに虫歯や歯周病になっている歯があると、虫歯や歯周病が悪化するリスクがあるため、それらを治療してからでないと矯正治療を受けることはできません。
■治療費
我が国の健康保険制度では、病気の治療に対し保険の給付が受けられます。歯列不正に対する矯正治療は、病気の治療ではなく、美容医療とされているため、保険給付の対象外となっています。そのため、矯正治療は自費診療となり高額となります。
■治療期間が長い
矯正治療では、歯に弱めの適切な力を持続的に加えて歯を少しずつ移動させます。強い力で早く移動させようとすると、かえって歯が移動しなくなったり、骨や歯根が吸収されたりするリスクがあるからです。そのため、治療期間が長期化します。歯並びなどによって治療期間に差はありますが、2〜3 年かかることも珍しくありません。
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後戻りと矯正治療
2018年3月18日
こんにちは、三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科(東京都世田谷区)の院長の内澤です。
矯正相談で、「以前矯正治療を経験したのですが、最近でこぼこが出てきて、そのでこぼこを改善できませんか?」と聞かれることがあります。
いわゆる後戻りによりでこぼこが出た状態です。
おいおいお話を聞いていると、ほとんどの患者様で共通することがあり、それが矯正治療後の歯並びを維持するための保定装置(リテーナー)の使用を中止していたとのことでした。
でこぼこが出る理由
矯正治療後にでこぼこが生じる理由は大きく2つあり、①矯正治療後の後戻り、②加齢変化が原因となります。
①矯正治療後の後戻り
矯正治療を行うと、もちろん歯並びやかみ合わせは改善されます。
歯並びやかみ合わせの改善のためには、歯が骨の中を大きく移動する必要があり、かつ大きく動いた歯は新しい環境になれ、その場で維持されていなければなりません。
しかし、歯が移動した後の環境に慣れ、安定するまでに時間がかかるため、保定装置を使用しないと、歯は動き元のような、でこぼこが生じます。
②加齢変化
人間は、変化しないところはありません。そのため、矯正治療後のかみ合わせや歯の位置が変化しないということはありません。つまり、矯正治療により歯を動かしていなくても、潜在的に歯の位置が変化する力が加わるために、保定装置を使用しないと、歯は動き、でこぼこが生じます。
ここで、何度も出てくる保定装置のことですが、一般的に保定装置は、現状のかみ合わせや歯の位置の変化を最小限にとどめるための装置なので、保定装置を使用していたら矯正後のきれいな歯並びの状態を100%維持できるというものではありません。
しかし、きれいな歯並びを維持するためには、長期間の保定装置の使用が推奨されます。
矯正装置を外すと粘膜や舌から歯を押される力が加わるため、歯は動きます。
保定装置の種類
保定装置の種類として、取り外しの出来る装置(可撤式保定装置)と、取り外しのできない装置(固定式保定装置)があります。
①可撤式保定装置
可撤式保定装置には、マウスピース型とワイヤーとプラスチックでできた床型の2種類があります。
使用時間は、
a. 歯並びの治療が終了した後(装置除去後)、半年から一年は歯磨きと食事以外の使用
b. 装置除去後約1年後からは在宅時使用
c, 装置除去後から1年半以降は、就寝時使用を推奨しております。
②固定式保定装置
固定式保定装置には、フィックス型、つまりワイヤーを歯の舌側に接着する方法があります。
可撤式保定装置に比較し清掃性は劣るのですが、その反面取り外しをする必要がないこと、また舌側に装置が付くため、ほとんど目立つことがありません。また、取り外しのできない装置なので、常にお口の中に維持されます。
保定装置をいつまで使用するかは、理想としてはいつまで、きれいな歯並びを維持したいかで決まります。つまり長く維持したいと思えば、長い間使用することを推奨いたします。
ちなみに、歯並びに凸凹がでたら、そのでこぼこの改善には再度歯を積極的に動かす矯正装置(マウスピース型矯正装置、舌側ブラケット、唇側のマルチブラケット)を装着する必要があります。
まとめ
矯正治療後の歯並びを維持するためには保定装置の使用が重要となります。
また、きれいな歯並びを維持するためには適切な使用時間と長期間の使用が必要となります。
後戻りと部分矯正
2018年1月22日
こんにちは、三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科(世田谷区三軒茶屋)院長の内澤です。
「矯正治療後のあと戻り」、避けられないことですが、最小限の止めることはできます。
あと戻りを最小限に防ぐ方法、その方法は、保定装置を使用することです。
矯正治療後にあと戻りでまたでこぼこが生じてしまう原因には、たくさんの理由があります。
(さらに…)
後戻りと矯正治療
2018年1月11日
三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科(東京都世田谷区)院長の内澤です。
矯正治療は、時間、労力そしてお金がかかりますが、希望する綺麗な歯並びになります。
綺麗な歯並びになると、笑った時の笑顔が今よりもさらに魅力的になります。
しかし矯正治療後の心配なこと、それは「後戻り」
後戻りとは
矯正治療後の歯並びにでこぼこが生じてしまう後戻り、
正直、後戻りを完全にふせぐことはできません。
しかし最小限に食い止めることはできます。
最小限に食い止める方法は、矯正治療後の保定装置を使用することです。
保定装置に関して(後戻りが生じる理由、保定装置の使用時間と種類について)は、以前当院のブログにて掲載させていただいているので、1度読んでみてください。 ( https://www.sangenjaya-ortho.com/blogs/archives/371 )
後戻りに対する矯正治療の方法
保定装置を使用しなしで後戻りが生じた場合でも、再度矯正装置を使用して、歯並びの改善をすると、綺麗な歯並びになります。
ちなみに、後戻りによって生じたでこぼこの程度、治療方法の希望(矯正装置をどの範囲で装着するのか、目立たない装置を希望するかどうか)は患者様それぞれで違うため、後戻りに対する矯正治療方法は、人それぞれでことなります。
場合によっては、1度目の矯正治療よりも、後戻りに対する矯正治療の方が、難易度が高くなることもあります。
しかし、安心してください、適切な治療計画を立てて、適切な矯正治療を行えば、目標とする歯並びを得ることができます。
矯正装置の装着する範囲
例えば、前歯のでこぼこのみの後戻りであれば、矯正装置を前歯だけ部分的につけて、矯正治療を行えば1回目の強制治療後に戻ります。
しかし、ここに、歯の前後的な関係(例えば、上顎の歯が出てきて出歯になったとか)、垂直的な関係(だんだん前歯で物をかみにくなったとか)が加わると、治療も複雑になるため、歯並びの垂直的な関係や、前後的な関係も改善する場合には、すべての歯に強制装置をつけて、改善する必要が出てきます。
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治療期間
治療期間は、前歯だけ部分的につけて行う治療よりも、すべての歯に矯正治療を行う方が期間もかかります。
治療費
料金に関しても、前歯だけ部分的につけて行う矯正治療よりも、すべての歯に矯正治療を行う方が、使用する装置も多いですし、治療期間も長くなるため、治療費が高額になります。
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まとめ
後戻りに関しては、治療期間やどのような歯並びにしたいかや、治療費等の違いによって、治療方法がいろいろありますので、一度ご相談いただければと思います。
後戻りをふせぐ矯正装置
2017年12月4日
こんにちは、三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科(東京都世田谷区)院長の内澤です。
以前の矯正相談にて、『矯正治療後のキレイな歯並びは、何もしなくても一生維持されますか?』と聞かれることがあります。
答えは、Noです。
その理由として、人間の体で変化しないところはないので、例えば皮膚、どんなに、メンテナンスをしていても、加齢と共にシワやシミが生じますよね?
歯も一緒です。
加齢変化によって、歯並び、かみあわせは常に変化します。
つまり、矯正していても、していなくても、なにもしていなければ加齢と共に凸凹が生じてきます。
特に、矯正治療にて積極的に歯を動かした後は、せっかく苦労して得たキレイな歯並びをなるべくキレイな状態で維持するために、取り外しのできる保定装置を使用します。ちゃんと使わないと、また凸凹が生じてしまいます。(後戻り)
一方、『たとえ取り外しができる装置としても、矯正後に保定装置は一生つけるの?』とも聞かれます。
理想的には、そうなります。しかし、ライフスタイルの変化もあるため、いつまで使用するかは患者さまご本人とご相談させていただいております。
また使用時間ですが、保定装置を使用する目的は、歯並びや、かみあわせの変化を最小限にとどめるためなので、変化しやすい時に長時間使用し、変化が小さい時には使用する時間を短くします。
歯を大きく動かした後(矯正装置を外した直後)は、歯を支えている歯槽骨や組織が安定しないため、保定装置は長期間の使用となります。
特に、約半年から一年程度は食事と歯ブラシ以外の使用となります。
また、そのあとは、在宅時しようとして、さらに除去から2年程度たつと
就寝時のみの使用をお勧めしております。
使用する取り外しのできる保定装置には、2種類あります。
使用する取り外しのできる保定装置には、2種類あります。
一つは、金属のワイヤーとプラスティックでできているもの(ベックタイプ)。
もう一つは、プラスティックのみでできているもの(マウスピース型)があります。
それぞれを比較したメリット、デメリトとして、
ベックタイプは、ワイヤーが入っているため、装置の強度が強いが、逆にワイヤーが目立ってしまいます。
マウスピース型は透明なため、目立たないが、歯と歯がかみ合うところまで材料があるため、歯ぎしりで装置に穴が開くことや、割れて壊れやたりします。
どちらを使うかは、それぞれを比較したメリット、デメリット、そしてライフスタイルを考慮して決定します。
以上が保定装置でした。