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さまざまなブラケット

2021年12月24日

こんにちは、世田谷区の三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科です。

 

一言に歯科矯正といっても、さまざまな矯正方法があるのを皆さんはご存知でしょうか。
今日は様々な種類の歯科矯正と矯正器具などについてご紹介していきたいと思います。

目次

■ワイヤー矯正
■裏側矯正
■マウスピース矯正

■ワイヤー矯正


ワイヤー矯正が一番、歯科矯正と言われて、パッとイメージの湧くものではないでしょうか。
ワイヤー矯正では歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる矯正装置を装着します。
ワイヤーを通して、動かしたい方向に適切な力をかけることによって、歯を移動させることができます。

このワイヤー矯正のメリットは様々な症例の歯科矯正に対して、幅広く対応できることにあります。また比較的低価格で対応できるのもメリットです。

一方でイメージされる方が多い通り、目立つのも特徴です。また、装着によって、強い痛みが起きたり、金属で口腔内に傷つけてしまう恐れもあります。装置を基本的に外さないのがこのワイヤー矯正ですが、粘りの強い食べ物や硬い食べ物が制限される場合があります。
ワイヤーも一般的なメタルのもの以外にも、審美矯正と言われますが、プラスティック、セラミック、ジルコニア、ホワイトワイヤーなどがあり、これらの素材はメタルに比べて、目立ちにくいのがメリットです。ただし、金属に比べてやや価格が上がるのと、金属よりも強度が弱かったり、変色してしまう場合もあるので、完璧であるわけではありません。
またカラーエラスティックという種類もあり、これはその名の通り、装置がカラフルになっているので、目立ってしまう矯正を逆に楽しもうという発想です。
そして、矯正器具を改良したものとしてデーモン(セルフライゲーションブラケット)というものもあります。
デーモンは従来の装置より摩擦抵抗を少なくするように改良されているのが特徴で、より小さな力で歯を動かすことができます。それに伴い、痛みを少なくして、歯を早く移動させることができるようになりました。ブラケットが従来のものより小さくなっていますので、歯磨きも従来のものよりしやすくなったのも特徴です。
以下にワイヤー矯正の種類についてまとめてみました。

○メタル

世界でもっとも一般的な金属ブラケットです。
昔に比べて接着剤の発達によって、ワイヤーも目立たなくなり、もっとも金額的にも低価格となっています。

 

○デーモンシステム

アメリカのドクターデーモンによって開発されたシステムで、従来のものとは治療法が大きく異なることからハイテク矯正法とも呼ばれたりします。歯が動くために起きる痛みも小さく、治療期間も比較的短く済むという画期的な治療法です。

 

○ハイブリッド

プラスチック中にセラミックフィラーを閉じ込めた最新のハイブリッド素材です。
色もそれほど目立たず、価格もお手頃という両面のメリットを実現した素材と言えます。

 

○プラスチック

目立たないのが最大のメリットなのですが、矯正治療の仕組みとして、ブラケットの溝をワイヤーが滑ることによって、歯が動くという仕組みになっているため、プラスチックの場合、ワイヤーにこの溝が削られて、治療が遅くなってしまうという欠点がありました。
しかし、現在ではその点も改良され、金属と同等の期間で治療ができるようになっています。

 

○クリアスナップ(プラスチック)

従来のプラスチックブラケットにクリアスナップというキャップをかぶせたものです。
従来の矯正治療では、ブラケットにワイヤーを結びつけているのはオーリングという小さなゴムリングまたは細いリガチャーワイヤーというものを使用する方法しかなく、変色や外傷を与えてしまうなどのトラブルがありました。

クリアスナップはこれらのトラブルを解消し、摩擦も少なく、歯の移動もスムーズになりました。

 

○クリスタルプラスチック

プラスチックブラケットの最新改良版で、通常のプラスチックブラケットのポリカーボネート樹脂ではなく、ポリアミド樹脂に変えたことによって、透明感と光沢感が増しました。

 

○ニュージルコニア

ブラケットの中で一番美しく、透明感があって、強度にも優れています。

 

特徴の異なる様々な種類がある

特徴の異なる様々な種類がある

 

■裏側矯正


歯の表面ではなく、裏側にブラケットをつけて、ワイヤーを通すのがこの「裏側矯正」と呼ばれる矯正方法です。舌側に取り付けるので「舌側矯正」と呼ばれたり、リンガルブラケットとも言われます。
この裏側矯正は、通常の表面のワイヤー矯正と比較して、高い技術が必要です。従い、歯科医師と歯科技工士の技量が必要となります。また高い技術が必要となるため、適用できる症例の範囲も限られ、金額も通常のワイヤー矯正と比較すると高価格になります。
裏側に装着しますので、矯正していることが目立たないのは大きなメリットです。
また裏側についているので、口内に傷をつけてしまうというリスクが、通常のワイヤー矯正よりも低いのもメリットの一つと言えるでしょう。
予算や患者様のニーズにもよりますが、表面矯正と裏面矯正の両方を活かしてより歯並びを綺麗にするコンビネーションも可能です。

 

■マウスピース矯正


透明に近いマウスピース型の装置(アライナー)を装着して歯並びを綺麗にする方法がこのマウスピース矯正です。一人一人の歯の状態に合わせてマウスピースを作成し、治療の段階に合わせてマウスピースを取り替えて、徐々に歯を動かして、矯正していきます。

こちらの代表格がインビザラインです。
これはこのブログでも何度も登場しているので、細かい説明は割愛しますが、今日はインビザラインで使用するシステムを一部紹介したいと思います。

○光学スキャナ(i-Tero)

従来はシリコン印象材で歯型を採っていたのですが、患者様に息苦しさなど大きな負担をかけていました。このシステムを使うことによって、ペン型のカメラで口の中を撮影するだけ
で比較的簡単に歯型が採れるようになりました。

シリコン印象材の場合、歯から材料を取り外す時にちぎれてしまったり、変形してしまったりする問題がありましたが、スキャナではそれらの問題がないため、より精密に歯型を採ることができるようになりました。

 

○クリンチェック

インビザライン独自のシミュレーションソフトです。
このソフトを使用して歯を動かす順序や対明後、部位を設定できます。設定することにより歯を目標の位置まで最短で動かすことができます。

こうした精密なシミュレーションと実際の治療にずれがないかを緻密に確認しながら軌道修正しながら治療を進めていくことができます。

 

○アウトカムシミュレーション

アウトカムシミュレーションとは治療後の歯並びをすぐに作成できる簡易的なシミュレーションです。このシミュレーションを使用して、治療後のイメージを患者様にビジュアルでお伝えすることができます。治療後どうなっていくかを治療前にイメージでき、治療への不安を少しでも払拭することができればと思います。

いかがだったでしょうか。
今回は矯正の種類と機器などについてご紹介してきました。
一言に矯正といっても多種多様で、患者様のニーズに合わせて様々なものをご提案することができます。
目立たないマウスピース矯正をはじめたいけど状態によって最初はブラケットで矯正治療をはじめていかなければならない場合も目立たない裏側矯正やブラケットがあるので安心して下さい。
矯正治療をご検討の際はお気軽に当院までご相談ください。

 

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マルチブラケットとは

2021年12月17日

矯正治療は時代と共に進化し、さまざまな方法での治療が可能になりました。

膨大な数の情報が存在しているので、治療を検討している皆さんは、どれが自分にとって最適なのか迷われている方も多いのではないでしょうか?

目次

■マルチブラケットとは?
■マルチブラケットの仕組みは?
■様々な治療方法の種類
■マルチブラケット法のメリットは?
■マルチブラケット法のデメリットは?
■まとめ

■マルチブラケットとは?


今回のテーマである「マルチブラケット」とは、歯の表面にブラケットという矯正装置を取り付けて、連続的にアーチ状のワイヤーを組み込んで3次元的に歯並びを調整していく矯正方法のことを指します。

歯につけた四角いものが「ブラケット」であり、その中に通されている針金のことを「アーチワイヤー」と呼びます。

一般的な矯正治療として、この方法を連想される方が多いと思います。実際、あらゆる症例に対応可能な最もスタンダードな治療方法です。

子どもの矯正でも、前歯を整える際などに実施され、様々な際に重要な役割を果たしています。

 

ワイヤー矯正は歴史も長く、多くの歯科医師が治療できることも特徴です。

舌側矯正は、歯の舌側に装置をつけますので、誰かほかの人からも装置が見えづらくなります。見た目を気にされる場合には、かなり大きなメリットです。

そして、システム上、前歯が安定して引っ込みやすくなるため、出っ歯の方にはとくにおすすめの治療法です。

歯の裏側に装置を施すことは、表面に装置を設置するよりもさらに高い技術が求められるため、治療を行なえる歯科医師が少ない傾向にあります。

 

ブラケットは通常金属性ですが、審美面の要求からプラスチック性やセラミック性の審美ブラケットが開発されてきました。

この方法のデメリットとして挙げられた「装置が目立つ」という点についても、目立たない装置で矯正治療ができるという選択肢も生まれているのです。

ただし、性能では金属製の方が優れている面もありますので、症例に合わせた使い分けが重要です。

 

一方でコロナ禍によるマスク生活が定着していることで、ワイヤーを装着するという見た目の部分において、以前ほど気にするケースが少なくなったという理由でこの方法を選ぶ方も少なくありません。

ご自身の症例やお考えに基づき、ご判断いただければと思います。

 

■マルチブラケットの仕組みは?


具体的なマルチブラケット装置の手順を見ていきましょう。

まず最初に歯の表面のクリーニングを行い、歯面をきれいにします。

歯に汚れがあると、装置がつきにくくなってしまうため、研磨材を使いブラシで汚れを除去します。

装着中は、お口にプラスチック製の器具をかけ、歯面が唾液で濡れないように配慮して進めます。

次に、歯面にエッチング剤を塗り、洗浄します。これにより歯と装置の接着力を高める効果があります。

そして、乾燥している歯にブラケットをつけていきます。ブラケットがついたらワイヤーを装着して歯1本ずつ結んでいくことになります。

細い針金で力を調整し、適切な力を各歯に加えることができます。

「矯正治療はどうやって歯を移動させているの?」と不思議に思っている方も多いと思います。

弱い力を継続的にかけるだけでも歯は移動します。歯を支えている骨は、知らない間に少しずつ骨代謝をくり返しています。

取り外せるマウスピース矯正での治療もありますが、高い効果を望む場合には取り外しのできないマルチブラケットがおすすめです。

きちんと固定することによって、安全性も効果も高くなります。

顔の大きさや形が人それぞれ違うように、歯のサイズや形、歯列のも様々なのです。

それぞれの大きさや特徴を把握し、一人一人の歯並びの症例に合わせたオーダーメイドタイプの矯正方法がマルチブラケット法です。

 

治療期間は、個人差があります。年齢、不正咬合の状態によって決まってきます。

初めて装着した日から数日は、徐々に痛みが強くなってくるような感じがしますが、1週間くらい経つとほとんど痛みは感じなくなってきます。

痛みを感じないという方もいますが、基本的に痛みは伴うものを思っていた方が良いでしょう。

食事の際には、硬いものをかじるときなどは注意しましょう。装置が外れてしまったり、壊れている期間が長い場合は、治療も長引いてしまうでしょう。

粘着性のある食べ物はくっつきやすいので、食後のブラッシングを十分に行って下さい。ブラケットやワイヤーが外れたりすると粘膜を傷付けますのですぐに来院してください。

 

弱い力を継続的にかけるだけでも歯は移動する

弱い力を継続的にかけるだけでも歯は移動する

 

■様々な治療方法の種類


○材料の素材の違いで分けると

◇メタルブラケット

1番オーソドックスなブラケットです。

ブラケットの変形がない点や価格が安いのがメリットなのですが、装着している間は目立つのがデメリットです。

 

◇クリアブラケット

見た目を気にされる患者様が選ばれることが多くて、セラミックや樹脂製の歯の白さに近いというメリットがあり、メタルブラケットより価格が高くなる分、見た目を気にせずに矯正可能です。

 

◇セラミックブラケット

メタルブラケットよりも審美的に優秀です。

今、最も利用されているブラケットになります。そして白いワイヤーを使うとより審美性もアップします。

 

○装着部位、装置の構造の違いで分けると

◇舌側ブラケット

歯面の裏側に装着するので、他人から装着していることがわからないメリットが嬉しいポイントです。

職業的にブラケットの露出が難しい方には便利な装置なのですが、表面に装着する方法と比較して治療期間が半年~1年以上長くなる可能性もあります。

 

◇セルフライゲーションブラケット

弱い矯正力でも歯が簡単に動くように工夫されています。

歯の根が短い、歯を支える骨が少ないといった、治療をすすめるなかでリスクを抱える症例や、治療が長くなると予測される難症例に効果的です。

 

○ワイヤー矯正で使用する補助的矯正装置(一部)

◇パラタルアーチ

奥歯が手前に倒れてこないよう、固定源を高めるために使う装置です。マルチブラケット装置とともに使う形でよく活用されます。

 

■マルチブラケット法のメリットは?


  • かなり多くの不正咬合に対応できる
  • 基本的な装置のため、リーズナブル
  • 対応できる矯正医師が多い
  • 装置が壊れにくい
  • 歯を精密に移動させることが出来るのでより完璧に近い仕上がりになる
  • 歯の表側に装置があるため、患者様自身が鏡を見て歯磨き可能

 

■マルチブラケット法のデメリットは?


  • 一度装着してしまうと治療が完了するまで外せない
  • 表側矯正かつ、金属ブラケットの際は目立ちやすい
  • 歯科医師のスキルによって、治療結果に大きな差が発生
  • ワイヤーやブラケットの隙間に汚れが溜まることも多く、虫歯などのリスクがある
  • 裏側矯正に対応可能な矯正医師が少ない
  • 裏側矯正の場合、慣れるまで発音しにくく、装置が舌に触れるため違和感が強い
  • 口内炎が出来る場合がある

 

■まとめ


「矯正歯科治療を受けたいけど、どの歯科医院にすれば良いか分からない」という方は、日本矯正歯科学会の認定医を取得した矯正専門医が治療を行なっている歯科医院を選択することをおすすめします。

 

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マウスピース矯正とは?ワイヤー矯正との違いやメリット・デメリット

2021年12月10日

皆さんの中には、「歯の矯正」といえば、金属製のワイヤーを長期間にわたり装着する、従来からの矯正装置を想像する方が多いかと思います。「歯並びは気になるけれど、矯正治療中の矯正器具などの見た目に抵抗を感じる」という方は多いのではないでしょうか。

近年、矯正歯科治療の世界では、さまざまなイノベーションが起きています。その中でも、「アライナー」などの可撤式マウスピース型矯正装置による治療を行うケースは多くなっています。マウスピース型矯正装置は、透明に近いため目立ちにくく、取り外しが可能な矯正装置です。

今回は、マウスピース矯正とワイヤー矯正との違いやメリット・デメリットについて解説します。

目次

■マウスピース矯正
■マルチブラケット法
■マウスピース矯正のメリット・デメリット
■まとめ

■マウスピース矯正


マウスピース矯正とは、プラスチック製の透明に近いマウスピース型の矯正装置(アライナー)を歯に装着して、歯並びをきれいにする治療方法です。

アライナーは、患者さんの口腔内を3Dスキャニングデータを用いて作製します。

この一人一人の口腔内にあわせて作製したアライナーを装着し、治療の段階にあわせて新しいアライナーに交換しながら徐々に歯を動かして、歯並びを矯正します。

 

■マルチブラケット法


ワイヤー矯正ともいい、「歯の矯正」といえば、この治療法をイメージする人も多いでしょう。

マルチブラケット法とは、歯の表面に一つずつブラケットという器具を貼り付け、その溝にアーチワイヤーを通して、三次元的に歯を動かす治療方法のことです。患者さん自身で取り外すことはできない装置になっています。マルチブラケット法は、治療のできる適応範囲も広く、矯正治療では最もよく行う治療法です。

歯の表面にブラケットを貼り付けるため、金属製のメタルブラケットを使用する場合は装置が目立ってしまいます。そのため審美的な改善を求めて、審美ブラケットや舌側矯正といった審美的矯正装置も広く普及しています。

審美ブラケットとは、ブラケットが透明や白色の目立たない色で、審美性が高い装置のことをいいます。セラミック製やジルコニア製、プラスチック製のものなどがあります。

また、歯の表側ではなく裏側に装着するブラケットをリンガルブラケットといいます。表側からは見えないので、周囲の人に矯正していることがわかりにくいことが大きな特徴です。この矯正装置を使った矯正を「舌側矯正」といいます。

 

マルチブラケット法は広い適応範囲でよく行う矯正治療法

マルチブラケット法は広い適応範囲でよく行う矯正治療法

 

■マウスピース矯正のメリット・デメリット


どの矯正治療法にもいえることですが、マウスピース矯正にもメリットと共にデメリットが存在します。それぞれの治療法の特徴をきちんと理解したうえで、経験豊富な矯正専門医に相談し、しっかりと検査・診察を行い、患者さんの希望に沿った治療法を選択していくことが大切です。

 

○メリット

◇治療中でも目立ちにくい

マウスピース型矯正装置の最大のメリットは、「治療中でも目立ちにくい」という点です。マウスピース型矯正装置は、透明に近い装置のため目立ちにくく、矯正中であることを周囲が気づきにくいです。

人と会ったり人前でお話したりする機会の多いお仕事の方でも安心して装着でき、従来のワイヤー矯正に躊躇していた方でも治療を行うことができます。

また、ワイヤー矯正と違い金属を使用しないため、金属アレルギーの心配はありません。

 

◇取り外しが可能

マウスピース型矯正装置は取り外し可能なため、治療中でも装置を取り外して食事や歯磨きができ、口腔内を清潔に保つことができます。食事や歯磨きの際に、患者さんへの負担が少ないことがメリットです。

マルチブラケット装置は固定式の装置のため、食べ物が装置に付着したり挟まったりすることも多く、歯磨きも大変です。ブラケットとワイヤーの隙間を歯ブラシのみで清掃するのは難しく、歯間ブラシなどの口腔ケアグッズも合わせて丁寧に磨く必要があります。そのため、歯磨きに時間がかかり、磨き方にもコツが必要となります。ブラケット周囲に汚れが残ってしまうと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

一方、マウスピース型矯正装置は取り外して歯磨きができるため、フロスなども通常通り使用することができます。

また、マウスピース型矯正装置は、写真撮影など特別な行事がある場合、短い時間であれば装置を取り外すことができます。その間は装置を取り外し、終了後再び装着してください。

 

◇装着感が良い

マウスピース型矯正装置は、薄くて表面が滑らかなので、口腔粘膜を傷つけることや装着時の違和感が少ないです。

マルチブラケット装置は、口唇や頬の裏側に装置が当たり、違和感があります。特に舌側矯正は、装着後から数週間、舌が順応するまで発音障害や違和感が出やすいです。

マウスピース型矯正装置も、装着時は違和感や発音がしにくいことがあります。しかし、装置を外すことも可能ですし、慣れてくれば発音しにくいということもあまりありません。

 

◇治療時間・通院回数を減らせることも

マウスピース型矯正装置の種類や症例によっても異なる場合がありますが、マウスピース型矯正装置はメンテナンスが少なく、通院は6~8週ごとに一度なので、ワイヤー矯正よりも通院回数を減らすことができます。

ワイヤー矯正は3~4週ごとに一度、歯科医師の手作業によるワイヤー調整が必要になります。そのため、一回の治療時間も長くなります。マウスピース型矯正装置は、マルチブラケット装置のように、装置の取り外しや再装着の手間がかからないため、一回の治療時間は短い場合が多いです。

 

○デメリット

◇適応症例が限られる

マウスピース型矯正装置の基本的な適応症は、軽度の叢生や歯間空隙などの比較的難度の低いケースに限るとしてきました。しかし、近年はアタッチメントの併用などで適応範囲が広がっています。

重度の叢生や骨格性の問題を含むなどの難度の高いケースは非適応症例ですが、マウスピース型矯正装置単独の治療では難しい場合でも、他の治療法と組み合わせることで治療が可能になるケースもあります。「自分の歯並びはマウスピース矯正で治療可能なのか?」と気になっている方は、一度歯科医院にご相談ください。

 

◇長時間マウスピースを装着しなければならない

基本的に、マウスピース型矯正装置は、食事中や歯磨き時以外は装着するのが望ましい装置です。使用するマウスピース型矯正装置の種類にもよりますが、一日17~20時間装着できない場合には、歯が目的の位置まで移動しないので、治療期間が延長したり、治療結果が思わしくないということになったりします。
また、マウスピース型矯正装置を数ステップ分まとめて受け取った場合は、装置の交換時期をしっかり守っていただくなど、使用する患者さんの自己管理がとても重要となる治療法です。

 

◇マウスピースを装着したまま飲食できない

飲食するときはマウスピース型矯正装置を外し、再び装着するときは、歯磨きをしてマウスピース型矯正装置を洗ってから装着します。

装着したまま飲食すると、マウスピースに食べかすなどがついて虫歯や歯周病の原因になってしまったり、マウスピース自体が傷んでしまったりする可能性があります。また、熱いものが触れると、マウスピースが変形してしまうリスクがあります。水を飲む場合は問題ないですが、マウスピースを装着したままコーヒーや紅茶などを飲むと着色の原因となるので避けましょう。

このように、飲食を行うごとに歯と装置を綺麗にしなくてはいけないので、間食の習慣がある方などは大変に感じるかもしれません。人によってはライフスタイルの改善が必要になってくるかもしれません。

また、食事や歯磨きの際に装置を取り外すので、紛失しないように注意が必要です。マウスピースは小さくて透明なため、外したときは必ずケースに入れるようにしましょう。

 

■まとめ


マウスピース矯正とは、透明に近いマウスピース型矯正装置を装着して、歯並びをきれいにする治療法です。

透明に近い装置のため目立ちにくく、取り外し可能な装置のため、口腔内を清潔に保つことができるなどの多くのメリットがありますが、症例によっては適応できないものもあるといったデメリットもあります。

歯並びを治すことは、見た目を改善するだけでなく噛み合わせも改善することができ、健康にもプラスになります。「マウスピース矯正に興味がある」「マウスピース矯正が気になっているけど、自分はできるのか」と悩んでいる方は、ぜひ一度歯科医院の矯正専門医にご相談ください。

 

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リンガルブラケット

2021年12月3日

ワイヤー矯正は目立ってしまうと考えている方も多いでしょう。
最近はあまり目立たない透明のマウスピース型の矯正装置や透明、白のブラケットでプラスチック製やセラミック製のアイテムもあります。
状態によってはワイヤー矯正が必要な場合があります。
今日は裏側に装置をつける「リンガルブラケット矯正」に関してお話していきます。

目次

■リンガルブラケット矯正とは
■リンガルブラケットの種類
■まとめ

■リンガルブラケット矯正とは


リンガルブラケットは、歯の裏側に矯正装置を装着するワイヤー矯正治療です。
プラスチックやセラミックなど、目立ちにくい材質を使用しても、歯の表面にブラケットが装着されていた場合、近距離では見えてしまいます。
リンガルブラケットは歯の裏側の根元あたりにブラケットを付けるため、一切見えることがありません。
特に人と接する職業の方に良く選ばれています。
専門の知識と技術が必要なので、矯正医師の中でも対応可能な先生は限られます。
通常の表側矯正とは異なるノウハウなどが必要で、リンガルブラケット矯正法を実施可能なクリニックは多くありません。

矯正のための装置を使ってどうやって歯を移動させているのか…気になりますよね。矯正目的のブラケットを専用の接着剤を用いて歯にくっつけ、そしてブラケット部分にワイヤーを装着します。

ブラケットの断面部分にはカタカナのコの字の形をした箇所があり、この部分にワイヤーが装着されます。さらに結紮を行った結果、ワイヤーがもたらす力が結果的に歯に伝わるようになるのです。

セルフライゲーションブラケットの場合は、ブラケットに結紮目的のシャッターなどがあり、ゴムなどを使った結紮を行う必要もありません。

一般的なブラケットであれば結紮するとワイヤーとスロット部分に摩擦が発生します。この摩擦は障害となっていて、歯の移動に関してもデメリットがありますし、痛みにも繋がります。

当院ではクリッピーというシステムを活用しています。
クリッピーによる歯列矯正治療はセルフライゲーションシステムによって、弱い力で歯を動かすことができるので、歯が動くときの痛みが軽減されます。

このシステムでは、ブラケットにシャッター構造を取り入れています。ワイヤーをシャッター部分に通すことで通常よりも摩擦が少なくなりました。弱い力で歯が動くので、矯正による痛みがあまりなく、治療期間も短くなるメリットがあります。
シャッター構造が小さく装置が薄いため、装置装着後の発音のしにくさも軽減されます。サイズが小さいため、装置間の距離が広くて、ワイヤーの弾性をうまく利用できます。弱い力で歯の移動が素早くできるので、治療期間が短くなります。

痛みの軽減や期間の短縮のキーポイントが、矯正装置間の摩擦の度合いです。この摩擦が小さければ痛みの軽減、短期集中を可能にします。従来の矯正装置は結紮線と呼ばれるもので、矯正装置を固定していました。結紮線を利用するとどうしてもブラケットとワイヤー間で摩擦が生じてしまい、痛みや治療の長期化の原因となっていました。しかし、クリッピーシステムは結紮線を利用しません。そのため、痛みの軽減、治療期間の短縮を可能にします。

リンガルブラケットは日本人に多い歯の症状に幅広く対応可能です。日本人は八重歯の人も多いですが、八重歯に表側矯正の装置を使うと、笑ったりしたときに口の中や唇を傷つけるリスクが高くなります。リンガルブラケットでは舌側に装置を使用するので、口の中を怪我することがありません。八重歯にも対応可能なのが特徴です。
一度あたりの診療を短くできる点は大きなメリットです。従来のマルチブラケット装置では来院ごとにゴムやワイヤーをつける・外すという作業が必須でしたけど、セルフライゲーション装置においては必要ありません。

 

当院ではクリッピーというシステムを活用

当院ではクリッピーというシステムを活用

 

■リンガルブラケットの種類


○ハーフリンガル・マルチブラケット

上の歯を舌側矯正、舌の歯を表側矯正によって治療する方法になります。
上顎の装置を裏からのリンガル矯正、下顎の歯の装置を透明度の高いセラミックブラケットで行う治療です。下顎の装置は表になるので、舌が矯正をするための装置に接触しづらく、しゃべる際に困ることも少なくなります。治療に必要な期間は、裏側からの矯正に比べて少し短くなるメリットがあります。表側の矯正は気軽に装着可能で価格面もお財布に優しいと言われています。しかしデメリットとしては、矯正装置が他人から見られやすいという点が挙げられます。

 

○フル・リンガル

この矯正では、上下顎ともに裏側に矯正装置を取り付けるので、誰か他人からの目線を気にする心配もなさそうです。裏面に装着した下顎の矯正装置は舌の動きによって接触するケースもあるため、話す際に発音しづらい時期もあるかもしれません。ですが発音の練習をすれば徐々に慣れていくでしょう。舌側矯正にある発音、咀嚼障害が最小限に抑えられるでしょう。ブラケットの厚さは約1.5mmと非常に薄く、歯面に密着していて外れてしまう心配も基本的に不要でしょう。ちなみにデザインは口の中における自浄作用にも効果的で非常に衛生管理が楽です。

 

■まとめ


当院のリンガル矯正用ブラケットは結紮線を使用しないため、一般的なマルチブラケット装置に比べ、清掃性に優れています。また、結紮をしないこと、装置自体も薄く作られているため違和感が若干軽減されています。治療期間、痛み、清掃性、矯正治療中の違和感等のメリットが多い装置です。
前歯が出ている方は歯の表に装置を装着すると、厚みが加わってしまい、前歯を強調してしまうことになるでしょう。ですが、歯の裏に装着するリンガルブラケット矯正装置だと、そんな不安も必要ないでしょう。また、リンガルブラケット矯正装置は前歯を引っ込めやすい特性をもっているので、出ている前歯が気になる方は特に適しています。
患者様お一人お一人の噛み合わせ・歯の形態等を考慮した装置で治療させていただきます。
費用を抑え、目立ちづらくかつ取り外しのしない装置を希望の場合ハーフリンガルをお勧めしております。目立つ矯正装置に抵抗があり、矯正治療をためらっていた方、お悩みの方は是非一度ご相談ください。

 

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03-6805-5765

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