出っ歯と鼻呼吸、口呼吸
2017年12月3日
こんにちは、三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科(東京都世田谷区)院長内澤です。
乾燥がだんだんと厳しくなる季節となってきました。
体調の管理はどうでしょうか?
手洗いとうがい、そして十分な休息は取れているでしょうか。
本日は、口呼吸が歯並び(『出っ歯』)に大きく関わっているお話をします。
人間は、呼吸する方法として、口から呼吸する方法と鼻から呼吸する方法がありますが、お鼻から呼吸しているでしょうか?
鼻呼吸に比べ口呼吸の方が、全身や歯に対してのデメリットがあります。
全身との関わりとしては、
風邪やウイルス感染しやすくなります。
理由としては、鼻呼吸の場合だと、吸った息が鼻の粘膜を通過することで、吸気した空気の湿度が高くなります。しかし口呼吸の場合、このメカニクスがなくなるため、のどや肺への刺激が強くなり、風邪をひきやすくなります。
また、ウイルスは湿度に弱いと言われています。
歯との関わりとしては、
前歯の歯茎が腫れる、虫歯や歯槽膿漏のリスクが高くなります。
理由としては、口呼吸をすることで、お口の中、特に前歯部の、虫歯や歯槽膿漏を予防する働きのある唾液が乾燥するためです。
乾燥により、歯槽膿漏、虫歯はお口の中にいる細菌が悪さをして、歯茎を腫らしたり、歯に穴を開けたりします。
また、口臭も出てきます。
では、歯並びは?
『出っ歯』になるリスクが上がります。
理由としては、歯は、お口の中で、バランスをとりながら並んでいます。
例えば、前歯の前後的位置関係は、①舌の舌側から唇側に向かって押す力と、②唇の唇側から舌側に向かって押す力、この2つの力のバランスによって並んでいます。極端な話、①の舌が押す力が強いと、前歯が前に出て『出っ歯』になりますし、②の唇の押す力が強いと前歯は舌側に倒れこみ、受け口となります。
ここでなぜ、口呼吸で『出っ歯』になるかというと、
鼻呼吸の場合だと、お口が閉じているために、頬、唇が歯を舌側に押し、舌が歯を唇側に押す力が生じます。
しかし、口呼吸になると、唇は開き、また、上顎前歯を押していた舌も下顎の方に下がります。
このため、鼻呼吸でバランスが取れていた力関係が崩れ、頬の頬側から舌側へ押す力が強くなることで奥歯が、全体的に舌側に押され、押された反動で前歯が前方に押され、『出っ歯』となります。
以上が口呼吸と『出っ歯』との関わりでした。