IPR(スライシング・ディスキング)とは
2020年9月8日
こんにちは、三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科 院長の内澤です。
まとめ
1、矯正治療での歯が並ぶためのスペースの確保として、拡大、IPR、抜歯が選択肢となる
2、拡大、IPR、抜歯は必要なスペース量や咬合状況によって選択する
でこぼこの歯並び、でこぼこの理由
歯は歯槽骨という骨の上を土台にして並んでいます。
そのため歯並びは、歯と骨の大きさのバランスによって、でこぼこや、スキッ歯となります。
つまり、骨よりも歯が大きくなると歯の並ぶ場所がなくなるため歯並びはでこぼこになり、骨よりも歯が小さくなると歯の並ぶ場所が余るため歯並びはスキッ歯となります。
でこぼこの歯並びの改善方法として矯正治療では、基本的に成人では土台となる骨を大きくすることは難しいため、歯を調整しスペースの確保を行います。
スペースの確保の方法
スペースの確保の方法として、矯正治療では一般的に、拡大(側方拡大、歯の全体的な遠心移動)、IPR(スライシング・ディスキング)、抜歯があり、必要なスペースの量や咬合の状況によって。拡大、IPR(スライシング・ディスキング)、抜歯を選択します。つまり個々で、歯並び、かみ合わせ、必要なスペースの量が異なるため、個々の歯並びにあった治療計画を立案する必要があるため、一度ご相談いただければと思います。
IPR(スライシング・ディスキング)とは
IPRとは「Inter Proximal Reduction」の略で歯の表層(隣接部のエナメル質)を研磨して歯と歯の間にすき間をつくる処置です。
矯正治療において昔から一般的に行われる歯の横幅を小さく削り小さくする処置ですが、IPR(スライシング・ディスキング)では処置時に麻酔することはありません。
その理由として、歯の表層のエナメル質の厚さは約1~2mmあり、IPRで削るのは1本の歯で最大約0.25mm程度で歯と歯の間で最大0.5mm程度なので、エナメル質の厚みの3分の1以下となります。また過去の研究結果および臨床結果よりIPRが原因で歯が悪くなった、虫歯になるという報告はありません。