三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。
インビザラインはどうやって誕生した?~誕生の経緯・日本に展開された時期などを解説~
2023年3月17日
こんにちは。世田谷区にある三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科です。
この記事では、インビザラインの歴史についてご紹介いたします。
近年、矯正治療を希望する患者様が増えてきています。
なかでも、痛みが少なく矯正装置が目立たないインビザラインは人気です。
■インビザラインが生まれたのはどこ?つくった会社は?
1997年に設立されたアメリカ合衆国のアライン・テクノロジー社で誕生したのがインビザラインです。アライン・テクノロジー社は、スタンフォード大卒のZia Chishti(ジア・チシュティー)氏とKelsey Wirth(ケルシー・ワース)氏が、起業した会社です。
当時ジア氏自身がワイヤー矯正で歯列矯正をしており、苦労していたそうです。しかし保定期間に保定装置であるマウスピース型のリテーナーを渡されたときにある考えが頭をよぎります。それが「これで歯を動かせたら…」という発想です。この発想自体は彼が思い立つ前から実在しており(日本での例は吉井修先生のソフトリテーナーなど)彼の発案ではありませんが、この彼の思いつきから、インビザラインの実現に近づきます。
思い立ったジア氏はさっそくケルシー氏にその話を持ちかけて、2人は会社を起業します。この会社こそが後に世界的に名の知れる存在となる「アライン・テクノロジー社」のはじまりです。つまり、インビザラインを誕生させた会社は歯科医師によるものではなく、学校に通う学生だった2人により、立ち上げられたビジネスだったのです。
前述したように「マウスピースで歯を移動させる」という発想自体は現存していましたが、アライン・テクノロジー社は「コンピューターで最初から矯正装置をデザインする」というまったく新しい革命的な発想をくわえました。これらを実現するためにはあらゆる知識と技術を必要としました。適した人材を集めたなかにはアライン・テクノロジー社はプラスチックとメカニクスの専門家もおり、コンピューターを用いて解析できる矯正器具や、下顎を咬頭嵌合位より前方に誘導するためのスプリントの仕組みを組み込んでいくなど、数々の新しい技術を実現しました。そうして成長していくうちに、デジタルの変革をさらに加速させるべく、Cadent社を買収します。そうしてiTeroスキャナーはアライン・テクノロジー社独自のものとなります。

インビザラインはアライン・テクノロジー社 (米) で誕生
■インビザラインはいつ日本にきた?
1999年に米国の矯正歯科医師を対象として提供が開始され、順調に世界へと展開されてきました。日本では2006年から本格的にインビザラインが展開されはじめ、インビザライン・ジャパン株式会社は開発者であるアライン・テクノロジー社のグループ会社にあたります。インビザラインで使用する機器「iTero」の販売と同時にインビザラインという矯正治療が日本の歯科医師に提供されはじめたのです。
しかし、2006年の時点では、治療のクオリティが高いとは言えず、当時開催された認定セミナーに参加した矯正歯科医師の意見は肯定的なものではありませんでした。はじめはこういった経緯からなかなか採用されず、その後インビザラインは進化を遂げていきます。新しいものへと変化していき症例も増えていきます。じきにこれまでのワイヤー矯正と遜色がないと判断されるようになり、日本でもようやく本格的に導入されはじめました。今となっては、注目を集めているインビザラインですが、こういった経緯と歴史があるのです。インビザラインの進化は日々止まることはなく、適応症例も年々増えてきています。

インビザラインは日本では2006年から本格的にが展開
■インビザラインの特徴やメリットデメリット
○特徴
お口の中の歯並びデータを、iTeroという専用機器(コンピューター)を用いて解析し、理想の歯列を最終着地点にします。患者様の歯形をもとに現在の歯並びから理想の歯並びへと段階的にマウスピースを制作し、1週間〜2週間に1度くらいの頻度で、新しい段階のものへ交換します。装着するマウスピースはもう一段階先の理想の歯列へと少し進んだ状態のものを装着するため、現状の歯とのギャップが生まれ、そのギャップによって歯に力がかかり、動いていく仕組みになっています。矯正装置は、1日20時間〜22時間以上装着し、歯に力をかけてゆっくりと正しい位置へと歯を動かしていきます。マウスピースを外している状態では矯正力がかからない状態になるため、1日のなかで取り外している時間は食事や歯磨きのときだけと、最小限に抑え、持続的に力をかけ続けることが重要です。
○メリット
- マウスピースの取り外しが可能
矯正装置を取り外して食べ物を食べられるので不自由がありません - ワイヤー矯正に比べて痛みが比較的少ない
ワイヤー矯正のように締め付けられる痛みはありません - マウスピースは透明なので目立ちにくい
矯正装置が目立たないため、周囲に気づかれにくく、気にせず歯を出して笑えます - 治療の流れや最終着地を歯科医師も患者様も見られる
コンピューターを用いて行われるため、現状と最終的な歯の状態が目視で確認できる
○デメリット
- 自己管理が必要
取り外しができる分、装着時間を守るためのの自己管理や、清潔に保つための意識が必要です - 適応できない症例がある
歯列の状態によっては適応できないケースもあります - 治療期間が長くなるケースがある
装着時間を厳守しなかった場合、当初の治療計画よりも治療期間が延長されることがあります
■まとめ
この記事では、歯列矯正の方法のなかでも特に人気の高いインビザラインについて、その歴史や誕生秘話をご紹介してきました。歯科医師によって誕生したと思っていた人も多かったのではないでしょうか?学生2人が立ち上げた会社から誕生したなんて驚きですよね。インビザラインは、日々進化を遂げており、適応症例も増えてきています。ほかにもマウスピース矯正のメーカーはいくつかありますが、インビザラインはマウスピース矯正の先駆けであり、もっとも信頼と実績のあるものだと言えるでしょう。
ですがまだ広く知られているのはワイヤー矯正であり、マウスピース矯正に対し「ちゃんと歯は動く?」「失敗しないか不安」といった不安を持っている人も多く見られます。もちろん、記事中でも紹介しているようにインビザラインでの歯列矯正はワイヤー矯正と遜色なく、歯を正しい位置へ動かすことが可能ですが、自己管理の徹底か欠かせません。また、歯並びによってはワイヤー矯正の方が適しているケースもあります。失敗や後悔のないように、歯科医院と相談しながら決めていきましょう。
当院では、インビザラインはもちろんのこと、目立ちにくい裏側矯正やアンカースクリューによる矯正など、数々の矯正治療方法をご用意しております。個人個人の歯列の状態や要望に応じて、もっとも適した方法をご提案していきます。
歯列の悩みを抱えている人や、矯正治療を検討している人はぜひ当院にご相談ください。当院では公式ホームページからでも予約を受け付けております!