三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。
金属アレルギーの方も安心して受けられるマウスピース矯正
2021年10月29日
こんにちは
金属アレルギーというアレルギー症状についてお聞きになったことありますか?
金属アレルギーとは、ある特定の金属が原因で起こるアレルギー症状のことです。
したがって、アレルギー反応を示すような金属を使った歯科治療は受けられなくなります。
それは、矯正治療も例外ではないのですが、マウスピース矯正ならそうではありません。
今回は、金属アレルギーの方も安心して受けていただけるインビザライン・マウスピース矯正についてご紹介します。
■金属アレルギーとは
まずは、金属アレルギーについてご説明します。
金属アレルギーとは、先ほどお話しした通り、ある特定の金属が原因でおこるアレルギーのことです。
ひとことでアレルギーといっても、実はいろいろなタイプがあります。
その中で、金属アレルギーは、少々難しい言葉になりますが、Ⅳ型の接触アレルギーに分類されます。
Ⅳ型のアレルギーは遅延型アレルギーとも言われ、接触から24時間から72時間も経ってから症状が現れる性質をもっています。
○金属アレルギーは、金属自体に反応しているわけではない
金属アレルギーの特徴は、”金属”のアレルギーといいながらも、実はヒトの体は、金属そのものに対してアレルギー反応を起こさないという点にあります。
例えば、食物アレルギーにしても、花粉アレルギーにしても、蕎麦粉にアレルギーがあるなら、蕎麦粉そのものにアレルギーを起こしますし、スギ花粉にアレルギーならスギ花粉に対してアレルギー反応を示します。
しかし、金属アレルギーはそうではないのです。
金属アレルギーは、金属から溶け出した金属のイオンがタンパク質と結合して、アレルギー源に変化するのです。
この金属イオンとタンパク質が結合したものに対して、免疫細胞が反応することでアレルギー症状が起こります。
食物アレルギーも花粉アレルギーも、このようなややこしいプロセスを経ることなく、直接アレルギーの症状を引き起こしているわけで、金属アレルギーの発生プロセスは、全く異なるわけです。
○金属アレルギーの症状
金属アレルギーの症状としては、アレルギー症状を引き起こす金属と触れ合ったところに起こるただれや赤みなどの接触性皮膚炎や粘膜炎が代表的です。
例えば、歯科用の金属が金属アレルギーの原因となっている場合は、口内炎や舌炎を起こしたりしますし、掌蹠膿疱症という手足を中心とした皮膚の難治性の病気を引き起こしたりもします。

インビザラインは金属アレルギーの心配がない
■マウスピース矯正なら金属アレルギーも大丈夫
当院で人気が高まっているインビザラインをはじめとするマウスピース矯正は、ブラケットやワイヤーを使わず、マウスピースを矯正装置として利用しています。
インビザラインのマウスピースは、透明度が高く、厚みも0.5ミリというとても薄い素材で作られています。
インビザラインが目立ちにくいのはこのポリウレタン製のマウスピースのおかげです。
ポリウレタンって聞いたことないよという方もいらっしゃるかもしれません。
実はポリウレタンは、インナーなどの衣類やカバンなどから、住宅用の防音材や断熱材としても使われているとても身近なプラスチック素材です。
したがって、とても安全性の高い素材ですから、安心して使っていただけます。
このようにインビザラインのマウスピースはプラスチックで作られていますから、金属素材を全く使っていません。
もし、いずれかの歯科用金属に何らかのアレルギーがある方も、インビザラインなら安心して受けていただけます。
■ワイヤー矯正の場合は?
インビザラインなどのマウスピース矯正が開発される前は、ブラケットとワイヤーを使ったマルチブラケット法という矯正治療法が主流でした。
ブラケットとは、歯の表面につけられている金具で、多くの場合、金属製です。
セラミックブラケットというセラミック製の白くて目立ちにくいブラケットでさえ、完全に金属を排除しているわけではなく、ブラケットの一部にはコバルト合金などの金属が使われています。
固定源となる大臼歯という奥歯に装着するバンドも金属製です。
また、ワイヤーについては、形状記憶合金を使って作られており、やはり金属製です。
しかも、ブラケットとワイヤーでは、使われている合金の成分に違いがあります。
いろいろな種類の金属を使って矯正治療にあたることから、金属アレルギーの原因となる金属を含んでいる可能性が高くなっています。
そのため、もし、ブラケットやワイヤーの素材に含まれる金属成分に金属アレルギーがある場合、マルチブラケット法での矯正治療はとても難しいものになります。
■マウスピース矯正とワイヤー矯正を比べてみよう
金属アレルギーという視点から、マウスピース矯正とワイヤー矯正を比べてみますと、金属素材を使っていないマウスピース矯正の安全性の高さが理解できます。
確かに、マウスピース矯正といえども、マウスピース単体での矯正治療が難しい場合、アタッチメントや金属製のアンカースクリューを組み合わせることもあります。
アタッチメントとは歯の表面につける突起のようなもの、アンカースクリューは顎の骨に設置する細いネジのようなものです。
アタッチメントをつけるとインビザラインのマウスピースの密着度を高めるなどの効果が、アンカースクリューをつけると奥歯を後ろに移動させる効果などが得られ、矯正治療がより効率的に進められます。
アタッチメントにはいろいろなタイプがありますが、いずれもコンポジットレジンという歯科治療でよく使われるプラスチックで作られています。
また、アンカースクリューは金属ですが、金属アレルギーをほとんど起こさない生体親和性の高いチタニウム合金で作られています。
そのため、アタッチメントやアンカースクリューを使っても、一般的な矯正治療であるワイヤー矯正と比べて、インビザラインは金属アレルギーに対する安全性がとても高いことがわかっていただけると思います。
そのほかにも、例えばポリウレタン製のマウスピースがとても薄く、しかも透明度が高いことによる目立ちにくさや、食事や歯磨きのときは、ご自身の手で取り外しが可能であるなどの利点もあります。
こうした利点は、ワイヤー矯正では得られないものです。
通院回数という点で比べてみても、インビザラインは将来の交換用マウスピースを前もってお渡ししておくことができますから、ワイヤー矯正と比べて通院回数を減らすことも可能です。
最近、インビザラインによるマウスピース矯正の人気が高まっているのも、うなずけますね。
■ワンランク上の矯正治療
ワイヤー矯正と比べて、マウスピース矯正は担当医の技術力はそれほど問いません。
それは簡単なケースに限定されます。
難しいケースとして他院での治療のリカバリー、他院で断られた歯並び全体の矯正があります。
当院はインビザライン「ダイヤモンド」認定医院の認定を受けており、担当医が矯正治療に関しての知識や経験が豊富なため対応できるわけです。
より精度の高い治療計画を微調整も加えて対応しております。
■当院からのお願い
今回は、矯正治療と金属アレルギーについてお話ししました。
インビザラインをご希望の方については、金属アレルギーがあってもインビザラインを使った矯正治療なら、ほとんど影響を受けません。
したがって、金属アレルギーがあっても、ほとんどの方に受けていただくことが可能です。
ですが、受診される方にアレルギーがあるかどうかは、私たち歯科医師にとってはとても重要な情報です。