三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。
アクチバトール
2021年8月23日
こんにちは
お口の中の舌や頬、唇などの軟組織の働きを利用して歯並びを整える矯正装置を機能的矯正装置といいます。
機能的矯正装置の代表とも言えるのが、アクチバトールという機能的矯正装置です。
機能的矯正装置は、歯学部の学生が矯正歯科学の実習で一度は製作するほど、メジャーな機能的矯正装置です。
もちろん、当院でも必要に応じてアクチバトールを用いた治療を行っています。
今回は、アクチバトールについてご紹介します。
■アクチバトールとは
アクチバトールは、activatorと書きます。
F.K.O(ドイツ語なのでエフ・カ・オーと読みます)や、英語でアクチベーターという別名で呼ばれることもあります。
○アクチバトールの効果
アクチバトールの特徴は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正と違って、アクチバトール自身には歯を移動させる力がないというところです。
ですから、アクチバトールをお口に装着しても、歯は動きません。
アクチバトールをお口に装着すると、食事のときに使う咀嚼筋という筋肉など、お口の周囲のいろいろな筋肉が刺激され、それらが適度に活性化させます。
これらお口の周囲の筋肉の働きを、歯を移動させる力に変えて、歯を移動させるようになっています。
こうしたアクチバトールの作用は、成長発育が旺盛な時期に顕著に現れます。

アクチバトールは筋肉の働きで歯並びを整える
■アクチバトールの形
アクチバトールは、上顎と下顎の矯正装置が一体化した構造をしています。
この一体化した矯正装置に誘導線という太めのワイヤーが装着されています。
アクチバトールをお口に装着すると、下顎骨が前に引っ張り出されるような感じになり、これが、お口の周囲のいろいろな筋肉を適度に活性化する効果をもたらします。
こうして、歯並びを整えていきます。
もちろん、治療の途中で調整が必要となることもあります。
そのようなときは、誘導線や誘導面を調整することで対応します。
■アクチバトールの適応症
アクチバトールは、下顎が後ろに下がった上顎前突症や、食事のときなど噛み合わせたときに生じる受け口の治療、上顎が大幅に前に出た過蓋咬合という歯並び、上下の噛み合わせが部分的に反対になっている交叉咬合という噛み合わせの治療などに用いられます。
アクチバトールは、歯並びを整えるためだけに使われるものではありません。
歯並びに適度な隙間を保つための保隙装置や、矯正治療が終わった後に歯並びに後戻りが起こらないようにする保定装置としても用いられることもあります。