三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。
どんな歯列不正もインビザラインで対応できるのか
2021年6月11日
こんにちは
矯正治療は、その種類によって、対応できる歯並びが異なります。
今回は、インビザラインで治療できる歯列不正についてお話しします。
■幅広い歯列不正に対応できるマルチブラケット法
マルチブラケット法という矯正治療を選べば、その通りです。
マルチブラケット法とは、歯の表面につけたブラケットに通した弾性ワイヤーの働きで、歯を移動させていく矯正治療法です。
マルチブラケット法なら、普通の歯列不正から、骨切り手術を併用しなければならないような高度な歯列不正まで幅広く対応できます。
実際、骨切り手術の手術前の矯正治療はマルチブラケット法で行われています。
■インビザラインでは難しい歯列不正とは
インビザラインは、マウスピースを使って歯を移動させていきます。
そのため、歯を上下方向に移動させるのが難しいです。
例えば、埋まっている歯を引っ張り出す牽引という歯の移動です。
埋まっている歯にはマウスピースはかけられないからです。
同様に、飛び出した歯を低く抑える圧下という歯の移動も苦手です。
飛び出した歯に力を加えようとすると、マウスピースが浮き上がってしまうため、力をかけにくいからです。
このように上下方向に歯を移動させることは、インビザラインでは困難です。
■術前矯正も難しい
先ほど、骨切り手術の前の矯正治療をマルチブラケット法で行う話をしました。
では、インビザラインで手術前の矯正治療を行えるのでしょうか。
答えは、否です。
骨切り手術をした後、上下の噛み合わせを合わせるために、顎間固定という処置を行います。
顎間固定は、マルチブラケット法でしか行えません。
手術後もしばらくの間、矯正装置は使い続けなければなりませんが、マウスピースでは上下顎の歯並びを噛み合わせることができないので、この点からもインビザラインは使えません。

インビザラインは術前矯正には対応していない