三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。
歯科矯正でよく見る専門用語を解説!治療前に知っておきたい言葉リスト
2023年7月14日
こんにちは。世田谷区にある三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科です。
ブラケットやリテーナーなど、歯科矯正ではさまざまな専門用語を用いています。歯科医師が治療を説明する際に用いることも多いですが、意味を理解できないまま説明を聞いてしまうと、後でトラブルになるおそれもあります。現在矯正治療を検討中の方は、矯正に関する専門用語をしっかり覚えておきましょう。
■歯科矯正を考えているなら専門用語を知っておこう
矯正治療を始めるにあたって、ほとんどの歯科医院は治療方法について丁寧な説明を行っています。しかし、専門用語を使ってしまうことも多く、患者さんが理解できないまま治療を始めるケースも少なくありません。ただ、専門用語を理解できずに治療を決めると、後から認識の齟齬が生じるおそれがあります。
知らない専門用語については、その場で歯科医師へ説明してもらうのもよいでしょう。ただ、どこまで説明してくれるか分かりませんので、ある程度はご自身で把握しておくことをおすすめします。
歯科矯正に関する専門的な用語は多数ありますが、実は難しい言葉はほとんどありません。例えば歯科医師から裏側矯正という言葉が出た場合、歯の裏に装置を装着する矯正方法であると大まかな予想がつくかと思います。なお、よく聞く言葉については当記事でも解説しますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
■歯科矯正関連のよく見る言葉を解説
・マウスピース矯正
マウスピース矯正は、歯にフィットする矯正装置(マウスピース)を装着し、歯を移動させる矯正治療の方法です。マウスピースは樹脂でできており、透明で目立たない特徴があります。後述のワイヤー矯正とは違って飲食中に装置を自由に取り外せるため、実生活への影響も最小限に抑えられます。
マウスピース矯正は少しずつ歯を移動させますので、治療には2~3年ほどの時間を要します。しかし、装置が透明で目立たないので、矯正中であることを周囲に隠したままにできます。装置を装着した時の違和感も少なく、痛みもほとんどありません。また、治療費も抑えられるため、費用をかけたくない方におすすめです。
・ワイヤー矯正

ワイヤー矯正中の口元
ワイヤー矯正は、ブラケット(後述)とワイヤーを利用して歯を移動させる治療方法です。古くからある矯正治療の方法で、矯正歯科の多くが対応しています。
ワイヤー矯正は治療費が安価で、治療期間も短くて済むメリットがあります。もし短期間で歯並びを改善させたい方は、ワイヤー矯正が適しているでしょう。
しかし、装置を歯の表面に固定するため、治療が終わるまで取り外すことができません。装置を取り付けた後、中には違和感や痛みを覚える方もいらっしゃいます。
また、金属製のブラケットやワイヤーを使う場合、装置が目立ってしまうのもネックです。審美面を気にする方は、目立たないワイヤー矯正を検討するか、裏側矯正やマウスピース矯正を選びましょう。
・ブラケット
ブラケットは、ワイヤー矯正で利用する装置のことです。ワイヤーを通せる構造になっており、歯の表面に取り付け、ワイヤーで固定することで歯を移動させる役割を担っています。ブラケットの素材は金属が一般的ですが、目立ちにくいプラスチック製やセラミック製もあります。ただ、どのブラケットを選べるかは歯科医院によります。
・部分矯正
部分矯正は、一部の歯・領域のみを矯正する治療方法です。一般的に歯科矯正というと、歯全体の矯正を指しますが、部分矯正は前歯数本のみなど、部分的な歯並びを矯正できます。
部分矯正は気になる部分だけを矯正できるため、治療期間は短くて済みます。また、装置も一部のみに装着すればよいため、治療費も抑えられます。一部の歯並びを改善したい方におすすめです。
一方で、全体の噛み合わせを矯正することはできません。出っ歯(上顎前突症)や受け口(下顎前突症)などの場合、全体の矯正が必要になります。対応可能な症例も限られるため、歯並びによっては部分矯正が不可能です。
・裏側矯正
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットなどの装置を取り付ける矯正治療の方法です。舌側矯正やリンガルブラケット矯正法とも呼ばれています。ワイヤーで装置を固定しますが、歯の裏側にブラケットを取り付けるため、従来のワイヤー矯正のように目立つことはありません。
また、装置が比較的小さく、違和感や痛みが少ないのもメリットです。歯の裏側は常に唾液が分泌されているため、虫歯になるリスクも低減できます。
しかし、ワイヤー矯正やマウスピース矯正と比べて治療費が高額です。100万円を超える症例もあるため、支払いが難しい時は分割払いかデンタルローンも検討しましょう。
・インビザライン

インビザライン
インビザラインは、アライナーと呼ばれる透明なマウスピースを用いる矯正治療の方法です。アメリカのアライン・テクノロジーが開発しており、矯正治療の分野において豊富な実績を有しています。日本でもインビザラインに対応した歯科医院は増えており、気軽に治療を受けられる環境が整っています。インビザラインのメリットは、装置を自由に取り外せる点にあります。飲食中や歯磨き時に装置を装着する必要がありません。また、アライナーが透明で目立たないため、見た目が気になる方でも安心して治療を受けられます。
一方で、アライナーは1日20時間以上装着する必要があります。治療期間も長いため、長期的に取り組む覚悟が求められます。
・iTero
iTeroは、インビザライン治療で歯型を採取する際に用いられている3Dスキャナーです。従来の矯正治療は、シリコンを流し込んで歯型を採取します。一方、iTeroは口の中に小さなヘッドを入れ、スキャンすることで歯型を採取しています。シリコンよりも高精度で、スピーディに歯型を採取できます。これにより、精度の高い治療を可能にしています。
・チューイー
チューイーは、インビザラインの治療で用いる補助具です。アライナーを装着する際、歯にしっかりとフィットさせる目的で利用します。アライナーを手で装着した場合、歯との間に隙間ができてしまうことがあります。しかし、隙間があると歯の移動に影響するため、チューイーを用いるのが一般的です。チューイーはシリコンで作られており、何度でも繰り返し利用できます。ただ、使っているうちに弾力がなくなるため、定期的な交換が必要です。
・リテーナー(保定装置)リテーナー(保定装置)は、矯正治療直後の歯並びを安定させるために利用する装置です。歯科矯正後、そのままでは歯並びが元に戻ったり、乱れたりするおそれがあります。そうした不安定な状態を解消するために、矯正治療後はリテーナーを装着します。
リテーナーの装着期間は、矯正治療にかかった期間とほぼ同じです。短い方で1年程度、長ければ3年程度は装着する必要があります。ただ、矯正装置ほど歯に力をかけないため、違和感や痛みはほとんどありません。
・後戻り
後戻りは、矯正治療後に歯並びが戻ってしまうことを言います。後戻りは矯正治療の方法を問わず、誰にでも起こりうる現象です。矯正治療直後の歯は非常に不安定な状態で、すぐに後戻りするリスクがあります。せっかくの治療が無駄になってしまい、2度目の矯正が必要になります。治療後は後戻りが起こらないよう注意しましょう。後戻りを防止するためには、歯科医師の指示に従ってリテーナーを装着する必要があります。
■まとめ
矯正治療を受ける場合、歯科医院でカウンセリングを受け、自分に合った治療方法を提案してもらうことが重要です。カウンセリング時には、歯科医師から治療の説明を受けると思いますが、専門用語を多用される可能性もあります。分からないまま治療へ入らずに済むように、用語をある程度覚えておくとよいでしょう。
矯正治療に関する用語は色々ありますが、難しい言葉はほとんどありません。また、歯科医師へ聞けば分からない用語を説明してもらえると思います。もし分からない部分があったら、遠慮せずに聞きましょう。