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矯正治療中に起こりうるトラブルにはどんなものがあるのか?予防や対策についても解説

2022年2月4日

「矯正歯科治療中は痛みが出る」と聞く人は多いのではないでしょうか?「矯正は痛い」といったイメージを持っている人も多いかと思います。また、痛み以外にも、「装置を入れることによって何かお口の中にトラブルが起こるのではないか」と心配に思っているという人もいるのではないでしょうか? 矯正歯科治療に興味はあるけれど、このようなマイナスのイメージを持っている人もいるかもしれません。
矯正歯科治療中には、治療のステップに合わせて、口腔内にさまざまな装置を装着します。また、矯正歯科治療は治療期間が比較的長期間にわたるため、治療中にはさまざまなトラブルが起こる可能性があります。トラブルによっては、早めに対応しなければ、治療が計画通りに進まなくなってしまうこともあります。
ここでは、矯正歯科治療中に起こりやすいトラブルについて、トラブルが起きたときの対処方法や日常生活における注意点について説明していきます。どのようなトラブルが起きやすいかをあらかじめ知っておくことで、もしトラブルが起きたときでも冷静な対応をとることができるかと思います。

目次

■矯正治療中に起こりうるトラブルについて
■まとめ

矯正治療中に起こりうるトラブルについて


矯正歯科治療中に、ワイヤーの破折や接触による痛みを生じることがあります。そうした偶発的な事項について、また、それら偶発事項への対応の仕方について解説します。

○ブラケットの脱離

マルチブラケット法では、ワイヤーとブラケットの存在は必須であり、ブラケットが歯から脱離すると、歯の動きが生じなくなります。ブラケットは動的治療終了時に外せる程度の接着力であるため、矯正歯科治療にブラケットが脱離することがあります。

◇予防と対処法

矯正歯科治療中に硬いものを食べないように注意が必要です。かみ合わせの強い(ディープバイト)場合は、咬合挙上などの処置が必要になる場合もあります。
また、脱離した場合には、患者さんにできるだけ早く来院してもらいリカバリーすることが大切です。脱離したまま長期に放置すると、ワイヤーの破折や歯肉の退縮など、二次的なトラブルが発生することもあります。

 

○ブラケットの粘膜・舌への接触

ブラケットは角があったり、フックがついていたりするため、装着初期には粘膜・舌と接着して違和感を誘発します。特に、リンガルブラケット矯正の場合、下顎に装着したときに舌への違和感が出ることが多いです。

◇予防と対処法

次第に軽減していくので、3日~2週間程度で慣れてくるということを患者さんに事前に知っておいてもらうことが大切です。

 

○発音障害

発音障害に関しては、リンガルアーチ、トランスパラタルアーチなど歯列の内側に装着する装置の場合に、違和感を覚えやすくなります。特に、リンガルブラケット矯正の場合、上顎に装着すると発音に影響が出やすく、音として「さ行」「た行」「ら行」が装着初期に発音しにくいといわれています。
(トランスパラタルアーチ:口蓋を横切る矯正線で左右臼歯を連結した固定用の装置)

◇予防と対処法

装着後、舌が順応するまで、発音障害があります。個人差はありますが、通常は数週間で症状は軽減してきます。最近は違和感の少ない小型の装置を使用することで、順応しやすくすることができます。

 

○口内炎

口内炎は機械的な刺激(ブラケットが粘膜に触れるなど)だけが原因ではなく、患者さんの習癖も影響することがあります。頬粘膜内側に口内炎が頻発する場合は、口腔周囲筋の緊張が強かったり、口呼吸により口腔内が乾燥していたりすることも多いと思われます。舌側装置が誘発する口内炎なども舌位や舌癖、食いしばりなどが影響していることがあります。食いしばる癖があると舌を歯に押しつけていることが多いです。そのような環境でリンガルブラケット装置を装着すると、違和感も強く舌にも痛みを覚えます。

◇予防と対処法

通常は1週間程度で消失していきますが、長期に喪失しない場合は歯科の受診を勧めます。
また、マルチブラケット装置による治療の際、最後臼歯に装着したチューブが粘膜にあたる場合は、歯の動きを阻害しないように軟性レジンなどでカバーしておくと違和感が軽減します。
患者さんの習癖が影響している場合は、MFT(口腔筋機能療法)を行うことで軽減するということもあります。MFTは、口の周りにある筋肉の働きを正常化することを目的として開発された機能訓練療法です。

 

○ワイヤーの破折

ワイヤーは矯正歯科治療のステージに応じて太さ、硬さ、材質を変えていきますが、治療中に破折することもあります。折れた末端が舌に接すると痛みが出るため患者さんも気づきますが、ブラケットの境目で折れている場合は患者さんも気づかず、歯の位置がずれてしまう場合があります。

◇予防と対処法

食いしばりのある患者さんはワイヤーの破折が生じやすいので注意が必要です。

 

○歯石の沈着

下顎前歯の舌側にブラケットやフィックスリテーナーを装着していると、歯石が沈着しやすくなります。歯石が沈着すると歯の動きを阻害したり、歯周病のリスクも高くなったりしてきます。
(フィックスリテーナー:両側犬歯をバンドや接着剤を使って固定し、舌側からワイヤーで連結する方法)

◇予防と対処法

定期的な歯石除去が必要で、保定中でもワイヤー固定をしてある場合は定期的な歯科受診が必要です。

 

○歯科矯正用アンカースクリューによる歯肉の腫脹、アンカースクリューの脱落

歯科矯正用アンカースクリューとは、口腔内の顎骨に植立し、固定に使用するスクリューです。歯科矯正用アンカースクリューは粘膜上に一部が露出しているため、食物残渣が停滞し、歯肉の炎症を誘発することがあります。また、スクリューが緩んで脱落することもあります。

◇予防と対処法

歯科矯正用アンカースクリュー植立後、2週間経過時から歯肉上のスクリューヘッド部の清掃を行うことが大切です。矯正装置と同様に食物残渣によるプラークを除去し、丁寧に清掃します。

 

○装置の埋入

マルチブラケット装置による治療の際、時としてワイヤーの一部が歯肉を強く圧迫してしまうことがあります。また、リンガルアーチを装着した場合、前歯舌側の部分が粘膜に埋入することがあります。

◇予防と対処法

必要に応じて一部装置の除去や装置自体の再設計を考慮する場合もあります。

 

○レジン床の圧迫による口腔粘膜の疼痛

床矯正装置(保定装置など)の場合は、辺縁部が不適合であったり、鋭利であったりすると、口腔粘膜に強くあたり疼痛や潰瘍(褥瘡性潰瘍)を引き起こすことがあります。

◇予防と対処法

一度装置を外し、傷が癒えてから再度正確な位置に装着していきます。装着時に、装着感や発音などに違和感があれば、歯科医師に申し出てください。そうすることでトラブル回避につながります。

 

トラブル発生時は歯科医院に対応を相談

トラブル発生時は歯科医院に対応を相談

 

まとめ


矯正歯科治療中は、さまざまな装置を口腔内に装着するため、いろいろなトラブルが起こることがあります。よく起こりうるトラブルとしては、「ブラケットの粘膜・舌への接触による違和感」や「装置の装着初期の発音障害」、「装置の装着が影響する口内炎」などがあります。これらのトラブルの多くは、1週間~2週間程度で慣れてくるケースがほとんどです。そのため、しばらく様子をみていただいて問題ありません。
しかし、トラブルによっては早めに対処が必要なものもあります。例えば、「ブラケットの脱離」や「ワイヤーの破折」、「歯科用アンカースクリューの脱落」などといったトラブルの場合、トラブルを長期間放置しておくと、歯の位置がずれて治療計画が狂ってしまったり、二次的なトラブルにつながったりすることもあります。このような場合は、早めの歯科受診が必要となってきます。
矯正歯科治療は、多くの症例で2年~3年といった長期の治療期間を要します。歯科医師も患者さんも気を付けていたとしても、トラブルは起こってしまいます。もしトラブルが起こったときには、自己判断で放置したりせずに必ず歯科医院に連絡して、対応を相談することが大切です。

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