三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。
矯正治療の目的
2021年11月12日
矯正治療はなぜ必要だと思いますか?矯正治療ではどのような歯並びを目指すのか、ご存じでしょうか?
歯並びをきれいにして思いっきり笑いたいと考える方は多いと思います。
しかし、矯正歯科=歯並びを良くすることだけではありません。
口元を美しくするのと同時に、上下の歯のかみ合わせを良くすることで、身体的にも精神的にも健康な生活ができることを目的としています。
■矯正治療の目的
かみ合わせを良くするということは、上下の歯がしっかりとかみ合い良好に機能する位置に、歯を配列するということです。そうすることで、歯やお口周りの筋肉、顎の関節が機能的に働き、それぞれに過剰な負担がかかることもなくなります。
歯が不揃いだったり、上下の顎の歯並びがお互いにかみ合わなかったりする状態を不正咬合といいます。
不正咬合は、先天的なものと後天的なものによって分けられます。
- 先天的(生まれつき)なもの
口唇・口蓋裂・ダウン症などの先天異常や、歯の数の過不足、歯の形態などがあります。 - 後天的(生まれてからの障害、環境、生活習慣)なもの
口呼吸、全身的な病気、歯ぎしり、睡眠時の体の向きや噛む回数の低下などがあります。最近は食生活の激変によって、お口周りの筋肉の力が極端に弱い人が増えていることも関係していると思います。
食べ物が噛みにくいと感じる、見た目のコンプレックがあるなど、不正咬合から引き起こされる悩みは患者様によって異なります。患者様それぞれの悩みをしっかり把握し、できる限りの治療を行うことで、少しでも快適な日常を送れるようにすることも目的のひとつと考えております。
■矯正治療が必要な不正咬合
不正咬合をそのままにしていると、食べ物がよく噛めない、顎の関節に負担がかかるといった問題が出てきます。
矯正治療が必要と言われている状態はいくつかあります。
○出っ歯(上顎前突)
出っ歯は上顎前突(じょうがくぜんとつ)と言い、みなさまがよく知っている歯並びだと思います。前歯で食べ物が噛みにくい、唇を閉じることが難しい、上顎の前歯が下顎の歯よりも大きく前に出ている歯並びです。
前歯で食べ物が噛みにくいため、本来前歯で行うことを奥歯がしなければならず、奥歯の使用が多くなります。奥歯喪失のリスクが高くなる場合があり、奥歯を失った際には咬合崩壊といって、本来咬むべき顎の位置がわからなくなってしまうこともあります。
○受け口(反対咬合)
受け口は見た目で言うと、下顎が上顎よりも前に出ている歯並びで、かみ合わせが通常とは逆の向きになっている状態です。
○八重歯・乱ぐい歯(叢生)
歯が様々な角度で生えていて重なり合い、デコボコになってしまっている歯並びを乱ぐい歯や叢生(そうせい)と呼びます。そのうちのひとつの「八重歯」は、日本ではチャームポイントとして捉えられることもありますが、海外では早期に矯正されることが多くあります。ブラッシングがしにくく、むし歯や歯周炎になりやすい状態といえます。
○開咬
オープンバイトと呼ばれる開咬は、前歯に上下方向の隙間ができる不正咬合のことで、奥歯でしっかり噛んだ際にも上下の前歯がかみ合わない状態です。
基本的には開咬は前歯の不正咬合を指しますが、稀に奥歯でも同様の症状を起こすことがあります。
○過蓋咬合
一般的にオーバーバイトが4mm以上の場合を過蓋咬合と言い、前歯の上下方向のかみ合わせが深い状態のことです。
過蓋咬合になると、下顎の前歯が上顎の前歯に隠されて見えなくなります。見た目だけでなく、大きく被さることにより、下顎の前歯が上顎の前歯の裏側の歯ぐきに食い込み、口内炎を引き起こしたり発音が悪くなったりすることもあります。
きれいな歯並びでも、上下の歯がきちんとかみ合っているとは限りません。
すべての歯がきちんとかみ合い、顎の動きによく合って食べ物を噛めることが大切です。
■矯正治療のメリット
矯正治療をすると歯並びがきれいになり、思いっきり笑えることで自信を持てると思います。
また、歯並びが大きく崩れている状態や、受け口等の方が治療を行うと、フェイスラインも同時にシャープになる傾向があります。
そのほかにも、矯正治療には身体的なメリットがいくつもあります。
○咀嚼機能の改善と維持
咀嚼能率が向上することで、胃腸の負担が軽減されます。
○顎関節と咬合との調和
上下の歯並びは正しくない位置でかみ合うと当たるべきでない部分が強く当たります。正しい位置でかみ合う場合は歯列全体でその圧力を分散しますが、歯並びが悪い部分はその力が偏って大きくかかってしまいます。どこか特定の歯に力が強く加わると、歯がかみ合わせの力に耐えかねて割れたり、歯の周囲の骨がダメージを受けたりします。矯正治療を受けることで、かみ合う力が歯列全体で受けられるようになり、歯の寿命も長くなります。
また、人間の顔貌は骨格で決まるため、顎の形や歯並びが悪いと顔貌の歪みの原因にもなります。
○発音の改善
矯正治療で歯並びがきれいに整えられると、歯並びの隙間がなくなり、舌の位置が安定します。そのため、空気の漏れがなくなったり滑舌が良くなったりすることで、発音が改善されることもあります。

矯正治療で咀嚼機能と発音の改善・顎関節と咬合との調和
■矯正治療のリスク
矯正治療の中で、完全にリスクを無くすことはできません。
当院ではメリットだけでなく、リスクについてもきちんと理解・納得していただいた上で、治療に取り掛かります。
矯正治療には、
- 歯の痛み
- 発音障害
- 歯根吸収
- 歯肉退縮
- 後戻り
などのリスクがあることが知られています。
当院ではライトフォース理論に則り弱い力を加えて治療を進めることで、様々なリスクを抑えております。特に痛みについては、従来と比較して1/2~1/5になります。
弱い力では痛みが軽くなるのはもちろんですが、毛細血管がつぶれないため血液の流れが邪魔されず、本来の骨代謝が促され、歯が動くスピードも速くなります。
また、歯を動かすことで矯正治療中に歯根が短くなることや歯の神経が失活することがありますが、弱い力では歯への負担が小さくなり、リスクを軽減できます。
しかし、稀に矯正治療中の一時的なかみ合わせの状態によって、これらのリスクが起こることもあります。当院では、事前の検査やカウンセリングで、プロ目線で客観的に診断し事実をお伝えしています。
■まとめ
健康で美しい外見を求めることは、とても素晴らしいことです。
たくさん悩んでいただき、ご自身がこの医院、この先生に診てもらいたいと思ったときが、治療に最適なタイミングだと思います。
ただし、矯正治療を始めていく上で、事前にリスクについて説明がない場合は注意が必要です。
当院では、納得して頂くまで詳しくご説明させていただきます。お気軽にご相談下さいね。