嚙み合わせが浅い
2021年7月29日
こんにちは
切端咬合という噛み合わせを聞いたことありますか?
切端とは、前歯の先端部分のことです。
上顎の前歯と下顎の前歯の切端同士が触れ合う噛み合わせを切端咬合と呼びます。
前歯の先端同士が触れている噛み合わせと聞いても、普通の噛み合わせじゃないと思う方もおられるかもしれません。
しかし、この切端咬合も立派な歯並びの異常です。
噛み合わせが浅すぎるからです。
今回は、切端咬合についてお話しします。
■理想的な前歯の噛み合わせ
切端咬合についてお話しする前に、理想的な前歯の噛み合わせとはどんな噛み合わせなのでしょうか。
それは、上顎の前歯が下顎の前歯を2〜3mmくらい覆っている噛み合わせです。
そう、先端同士ではなく、上顎の前歯が少し下顎の前歯を覆うのが理想的なので、見た目の点で切端咬合は良くないというわけです。
■見た目だけじゃない切端咬合の問題
切端咬合は見た目が悪いだけではありません。
前歯は、食べ物を切ったり、噛みちぎったり役割を担っています。
ハサミを見てみるとわかりますが、ハサミは2枚の刃が先端同士で当たってはいませんよね。重なり合うようになっていますね。
前歯も同じで、先端同士で当たるよりも、重なり合う方がより噛み切りやすい、つまり切端咬合の噛み合わせですと、効率よく食べ物を噛み切れないわけです。
それだけではありません。歯に限らず、先端の薄いところは欠けやすいものです。
包丁もお手入れをきちんとしていないと、欠けてきますよね。
前歯も同じで、切端部分は欠けやすい部分です。
切端咬合の場合、弱い上顎と下顎の先端が常に接触しているため、欠けたりヒビが入ったりしやすくなります。
切端咬合は見た目だけでなく、歯を傷めてしまうリスクもあるのです。
■切端咬合の治し方
切端咬合も、矯正治療で治せます。
○マルチブラケット法
一般的によく用いられるのが、マルチブラケット法という歯の表面に装着したブラケットという金具と歯全体に通した弾性ワイヤーで歯を移動させる矯正治療法です。
弾性ワイヤーの働きで、歯に余計な負荷をかけることなく安全に歯を移動させられます。
ブラケットとワイヤーが目立ってしまう点や矯正装置があるために食事や会話、歯磨きがしにくいというデメリットがありますが、矯正治療法としては100年近くの歴史があり、ほぼ全ての問題点が洗い出されたと考えられている優れた治療法です。
○マウスピース法
最近、普及しつつあるのが、マウスピースを使った矯正治療です。
この方法は、透明でかなり薄いマウスピースを定期的に交換しながら歯を移動させていきます。
マウスピースはよほどしっかり見ないとつけていることがわからないほど目立ちませんし、取り外しができるので、食事や歯磨きに困りません。
その一方で、1日20時間以上つけなければ効果が得られない、新しいものに交換するのを忘れると歯が移動しないなどのデメリットもあります。