嚙み合わせが深い
2021年7月28日
こんにちは
矯正治療の対象となる歯並びって、どんな歯並びがイメージされますか。
多くの場合は、出っ歯や受け口、乱杭歯といったところでしょう。
八重歯も思いつく方もおられるかもしれません。
それ以外にも実はいろいろな歯並びを治すことができます。
そのひとつが、過蓋咬合(かがいこうごう)という噛み合わせです。
過蓋咬合とは、深い噛み合わせのことです。
当院でも、過蓋咬合の治療ももちろんしていますよ。
■どれくらいから過蓋咬合なの?
過蓋咬合かどうか、それを判断するのが、オーバーバイトです。
オーバーバイトとは上顎と下顎の前歯の上下方向の噛み合わせのことです。
ちなみに、水平方向の噛み合わせはオーバージェットと言います。
一般的にオーバーバイトが4mm以上の場合を過蓋咬合と言います。
過蓋咬合になると、下顎の前歯が上顎の前歯に隠されて見えなくなります。
過蓋咬合の問題は、見た目だけにとどまりません。
大きく被さる噛み合わせにより、下顎の前歯が上顎の前歯の裏側の歯ぐきに食い込み、口内炎を引き起こすこともありますし、発音が悪くなることもあります。
■過蓋咬合の治療法
○マルチブラケット法
マルチブラケット法とは、歯の表面につけたブラケットと、ブラケットの溝を利用して全ての歯に通した弾性ワイヤーを利用して歯を移動させる矯正治療法です。
100年近くに及ぶ歴史があり、ほとんど全ての歯並びを改善させることができます。
過蓋咬合も同じで、マルチブラケット法で改善できます。
○マウスピース矯正
マウスピース矯正は、取り外しができるマウスピースの働きで歯を移動させる矯正治療法です。
マウスピースの交換を繰り返し、歯並びを整えていきます。
過蓋咬合もマウスピース矯正で改善できます。
■治療法の比較
マルチブラケット法は、確かにほとんど全ての歯並びを整えられるのが利点なのですが、ブラケットと弾性ワイヤーという矯正装置が大変目立ってしまいます。
しかも、矯正装置がついているので食事や歯磨きがしにくくなります。
適応範囲が広いという利点がある反面、見た目や装着感が悪いのがマルチブラケット方の難点です。
マウスピース矯正で用いられる矯正装置は、透明で薄いマウスピースなのでつけていても目立ちません。
しかも食事や歯磨きのときは取り外せますから、装着感も良いです。
その一方で、適応範囲はマルチブラケット法より狭く、例えば過蓋咬合のように飛び出した歯を低くする圧下や低い歯を引き出す挺出はあまり得意ではありません。
そのため、過蓋咬合の程度によっては、マウスピース矯正単独では改善が難しい場合がある可能性も考えられます。