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この記事の監修者

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。

院長:内澤 朋哉

監修者
内澤 朋哉

経歴

2009年 北海道医療大学歯学部卒業
2009年 北海道医療大学院歯学研究科
2014年 北海道医療大学歯学部歯科矯正学講座
2015年 こうざき歯列矯正歯科クリニック勤務
2017年 三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科開院

矯正用ワイヤーの種類は?材質ごとの特徴とブラケットの違いを解説

2026年9月7日

ワイヤー矯正では、歯にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して適切な力を加えることで、歯を少しずつ移動させていきます。

一口に「矯正用ワイヤー」といっても、すべて同じものを使用するわけではありません。ニッケルチタンワイヤー、ステンレススチールワイヤー、ベータチタンワイヤーなど複数の種類があり、それぞれ硬さや弾性、曲げやすさなどの性質が異なります。

そのため、矯正治療では歯並びの状態や治療の段階、必要な歯の動きなどに応じてワイヤーを使い分けます。

また、ワイヤーを保持するブラケットにも、メタルブラケット、目立ちにくいブラケット、セルフライゲーションブラケット、リンガルブラケットなどがあります。

この記事では、ワイヤー矯正で使用する主なワイヤーの種類と材質ごとの特徴、ブラケットの違いについて矯正歯科医が解説します。

ワイヤー矯正の構成

矯正用ワイヤーにはどのような種類がある?

ワイヤー矯正では、治療開始から終了まで同じ種類のワイヤーを使用するとは限りません。

一般的には、治療初期には柔らかく弾性のあるワイヤーを使用して、でこぼこした歯を少しずつ整えていきます。

歯並びが整ってくると、より剛性のあるワイヤーへ交換し、歯の位置や噛み合わせを調整したり、抜歯によってできたスペースを閉じたりします。

使用するワイヤーは、歯の移動量、治療段階、使用する矯正装置などを考慮して選択します。

代表的な矯正用ワイヤーについて解説します。

1.ニッケルチタンワイヤー

ニッケルチタンワイヤー(Ni-Tiワイヤー)は、弾性が高く、変形しても元の形状に戻ろうとする性質を持つワイヤーです。

比較的弱い力を持続的に加えやすいため、矯正治療の初期段階で使用されることが多く、歯のでこぼこを整える際などに用いられます。

大きく乱れた歯列にワイヤーを装着する場合でも適応させやすいことが特徴です。

2.ステンレススチールワイヤー

ステンレススチールワイヤー(SSワイヤー)は、強度と剛性が高く、矯正治療で広く使用されているワイヤーです。

ニッケルチタンワイヤーと比較すると硬く、歯並びがある程度整った後の治療や、歯の位置を細かくコントロールする段階などで使用されます。

また、ワイヤー表面の摩擦が比較的小さいという特徴があり、抜歯によってできたスペースを閉鎖する際に使用することもあります。

3.ベータチタンワイヤー(TMA)

ベータチタンワイヤーは、チタンモリブデン合金から作られたワイヤーで、TMAワイヤーとも呼ばれます。

ステンレススチールよりも弾性があり、ニッケルチタンワイヤーよりもワイヤーを曲げて細かな調整を行いやすいという特徴があります。

そのため、治療の中盤から後半にかけて、歯の位置や角度を細かく調整したい場合などに使用されます。

また、ニッケルを含まない材料として選択されることがありますが、金属アレルギーがある場合には、使用する矯正材料について事前に歯科医師へ相談することが重要です。

4.コバルトクロムワイヤー

コバルトクロムワイヤーは、強度や耐食性を備えた矯正用ワイヤーです。

ワイヤーを曲げて形態を調整することができ、熱処理によって機械的性質を変化させることができるため、治療内容に応じて使用されることがあります。

現在ではニッケルチタンワイヤーやステンレススチールワイヤーなどが広く使用されていますが、矯正治療の目的によってコバルトクロムワイヤーを選択する場合もあります。

5.ゴムメタル

ゴムメタルは、チタンを主成分とする合金の一種です。

弾性がありながらワイヤーを曲げて調整しやすいという特徴があり、特に裏側矯正などで使用されることがあります。

矯正治療では、ワイヤーの硬さだけでなく、歯に加える力の大きさや方向をコントロールする必要があります。

ゴムメタルもそのような治療上の目的に応じて選択されるワイヤーの一つです。

治療段階によってワイヤーを使い分ける理由

矯正治療では、歯を動かす段階によって求められるワイヤーの性質が変わります。

例えば、治療開始直後は歯のでこぼこが大きいため、硬いワイヤーを無理に装着するのではなく、柔軟性のあるニッケルチタンワイヤーなどを使用して歯列を整えていきます。

歯並びがある程度整った後は、ステンレススチールワイヤーなどのより剛性のあるワイヤーへ交換し、歯の位置や噛み合わせの調整を行います。

さらに細かな歯の角度や位置を調整する際には、ベータチタンワイヤーなどを使用する場合があります。

このように、矯正用ワイヤーは単純に「どの種類が一番優れているか」で選ぶものではなく、治療段階や目的に合わせて使い分けることが重要です。

当院で使用している矯正用ワイヤー

当院でも、使用する矯正装置や治療段階に応じて複数のワイヤーを使い分けています。

表側矯正では、ニッケルチタンワイヤーとステンレススチールワイヤーを中心に使用し、治療後半の細かな調整が必要な場合にはベータチタンワイヤーを使用することがあります。

裏側矯正では、ニッケルチタンワイヤー、ゴムメタル、ステンレススチールワイヤーなどを、歯の移動段階や治療目的に応じて使用しています。

どのワイヤーを使用するかは、歯並びや噛み合わせ、治療方法によって異なります。

ワイヤー矯正で使用するブラケットの種類

ブラケットとは、歯の表面または裏側に装着し、矯正用ワイヤーを保持するための装置です。

ブラケットにも複数の種類があり、素材や構造、装着する位置などによって特徴が異なります。

 

1.メタルブラケット

メタルブラケットは、金属で作られた一般的な矯正用ブラケットです。

強度や耐久性が高く、さまざまな歯の移動に対応しやすいという特徴があります。

一方で、歯の表側に装着した場合には金属部分が見えるため、装置の見た目が気になる方もいます。

2.目立ちにくいブラケット

歯の色に近いセラミックやプラスチックなどを使用した、目立ちにくいブラケットもあります。

金属製のブラケットと比較すると歯になじみやすいため、表側矯正でも装置の見た目に配慮したい方に使用されます。

ブラケットの材質によって強度や摩擦などの性質が異なるため、使用する装置は治療計画に合わせて選択します。

表側

3.セルフライゲーションブラケット

セルフライゲーションブラケットは、ブラケット自体にワイヤーを保持するための機構が組み込まれているタイプです。

一般的なブラケットでは、結紮線やゴムなどを使用してブラケットとワイヤーを固定しますが、セルフライゲーションブラケットではブラケットに備えられたクリップなどによってワイヤーを保持します。

ワイヤーの保持方法や摩擦特性などが一般的なブラケットと異なります。

ただし、セルフライゲーションブラケットを使用すれば必ず治療期間が短くなるというわけではなく、治療期間は歯並びや必要な歯の移動量、治療計画などによって異なります。

4.リンガルブラケット

リンガルブラケットは、歯の裏側(舌側)に装着するブラケットです。

表側から矯正装置が見えにくいことが大きな特徴で、装置の見た目をできるだけ目立たせたくない方に選択されることがあります。

一方で、治療開始直後はブラケットが舌に触れることによる違和感や、発音への影響が生じることがあります。

これらの症状は、装置への慣れに伴って軽減していくことがあります。

 

ワイヤー矯正 難しいと言われる種類とは 「裏側」についても解説

 

裏側

表側矯正と裏側矯正ではワイヤーやブラケットが違う?

表側矯正と裏側矯正では、ブラケットを装着する位置が異なるため、使用するブラケットの形状やワイヤー、治療方法にも違いがあります。

表側矯正では歯の外側にブラケットを装着しますが、裏側矯正では歯の内側に専用のブラケットを装着します。

また、症例や治療段階によって使用するワイヤーも異なります。

表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正など、ワイヤー矯正そのものの種類について詳しく知りたい方は、ワイヤー矯正の種類は?表側・裏側・ハーフリンガルの違いを解説をご覧ください。

ワイヤーやブラケットの種類は自分で選べる?

患者さんの希望を考慮できる部分もありますが、すべてのワイヤーやブラケットを自由に選択できるとは限りません。

例えば、表側矯正・裏側矯正など治療方法については、歯並びや希望、費用などを考慮して相談します。

一方で、治療途中で使用するワイヤーについては、

  • 現在の歯並び
  • 治療の進行段階
  • 必要な歯の移動
  • 使用しているブラケット
  • 歯に加える力の大きさや方向

などを考慮して矯正歯科医が選択します。

そのため、「ニッケルチタンとステンレススチールのどちらが優れている」というものではなく、それぞれの材料の特徴を利用して治療を進めていきます。

まとめ|矯正用ワイヤーは治療段階や目的によって使い分けます

ワイヤー矯正で使用するワイヤーには、ニッケルチタン、ステンレススチール、ベータチタン、コバルトクロム、ゴムメタルなど複数の種類があります。

それぞれ硬さや弾性、加工のしやすさなどが異なるため、歯並びや治療段階、必要な歯の移動に応じて使い分けます。

また、ワイヤーを保持するブラケットにも、メタルブラケット、目立ちにくいブラケット、セルフライゲーションブラケット、リンガルブラケットなどがあります。

重要なのは、特定のワイヤーやブラケットだけが優れているということではなく、それぞれの特徴を理解したうえで、症例や治療計画に適した装置を選択することです。

 

 

 

ワイヤー矯正を検討している方へ

ワイヤー矯正では、歯並びや噛み合わせ、治療の進行段階などに応じて、使用するブラケットやワイヤーを選択します。

また、表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正など、装置によって見た目や特徴、費用なども異なります。

「自分の歯並びにはどの矯正方法が合っているのか」
「できるだけ目立たない装置で治療したい」
「ワイヤー矯正の費用や治療期間について知りたい」

このような疑問がある方は、矯正相談をご利用ください。

当院では、歯並びや噛み合わせを確認し、ご希望も伺ったうえで治療方法をご説明します。

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科の矯正相談はこちら

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