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この記事の監修者

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。

院長:内澤 朋哉

監修者
内澤 朋哉

経歴

2009年 北海道医療大学歯学部卒業
2009年 北海道医療大学院歯学研究科
2014年 北海道医療大学歯学部歯科矯正学講座
2015年 こうざき歯列矯正歯科クリニック勤務
2017年 三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科開院

八重歯と前歯のでこぼこ(叢生)は治る?抜歯矯正で改善した症例を解説

2026年7月14日

八重歯と前歯のでこぼこ、内側に入った歯を改善した症例

こんにちは。
三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科です。

「八重歯が気になる」
「前歯がガタガタしている」
「歯が1本だけ内側に入ってしまっている」

このようなお悩みで来院される患者さんは非常に多くいらっしゃいます。

歯並びのでこぼこが強い場合には、歯を並べるためのスペースが不足していることが多く、抜歯矯正が必要になるケースも少なくありません。

今回は、重度の叢生(そうせい)を伴う20代女性を抜歯矯正で改善した症例をご紹介します。


初診時のお口の状態

患者様は20代女性。

主訴は

  • 前歯のでこぼこ
  • 八重歯
  • 1本だけ内側に入った前歯を治したい

というものでした。

初診時の口腔内では

初診時の口腔内写真

  • 上下ともに重度の負のA.L.D.
  • 八重歯
  • 前歯が大きく重なっている
  • 1本の前歯が内側へ入り込んでいる

ことが確認されました。

さらに右下第二大臼歯(7番)は近心へ傾斜し、第一大臼歯に干渉して完全に萌出できていない状態でした。

上顎左右の親知らずと右下親知らずは完全萌出していました。

また、右上5番は補綴治療が行われていました。


パノラマレントゲン所見

パノラマレントゲンとは?

パノラマレントゲンとは、下の歯や顎の骨を1枚の画像で広範囲に撮影できるレントゲン検査です。矯正治療を始める前に行う基本的な検査の一つで、歯並びだけでは分からないお口の状態を詳しく確認することができます。

パノラマレントゲンでは、主に以下のような項目を確認します。

  • 歯の本数や先天性欠損歯の有無
  • 親知らずの位置や生え方
  • 埋伏歯(骨や歯ぐきの中に埋まっている歯)の有無
  • 歯根の長さや形態
  • 虫歯や歯周病による骨の状態
  • 顎の骨や歯の周囲に異常がないか

これらの情報をもとに、矯正治療を進められるかを確認するとともに、必要に応じて親知らずの抜歯時期や治療方法を検討します。

 

今回の症例でのパノラマレントゲンでは

パノラマレントゲン写真

  • 永久歯の本数に欠損なし
  • 歯根長は平均的
  • 右上5番は根管治療済み
  • 右下7番が近心傾斜

上顎左右および右下の親知らずの位置、萌出状態、歯根形態を確認しました。


セファロ分析

セファロ分析とは?

セファロ分析とは、頭部X線規格写真(セファログラム)を用いて、歯や顎の骨、顔全体のバランスを詳しく分析する検査です。矯正治療では欠かせない検査の一つであり、見た目だけでは分からない骨格や歯の位置関係を客観的に評価できます。

セファロ分析では、主に以下のような項目を確認します。

  • 上顎と下顎の前後的な位置関係・顎の骨格のバランス(Skeletal Class I・II・III)
  • 上下の前歯の傾きや突出の程度
  • 顔全体のバランスや口元の突出感 など

これらの情報をもとに、「抜歯が必要か」「どの方向へ歯を動かすべきか」「口元をどの程度改善できるか」などを総合的に判断し、一人ひとりに適した治療計画を立案します。

当院では、セファロ分析の結果に加え、口腔内写真や顔貌写真、パノラマX線写真、歯型(口腔内スキャン)などもあわせて評価し、歯並びだけでなく咬み合わせや顔貌との調和まで考慮した矯正治療をご提案しています。

 

今回の症例でのセファロ分析では

セファロ写真

  • Skeletal Class III
  • 上顎はやや前方位
  • 下顎も前方位
  • 上顎前歯 唇側傾斜
  • 下顎前歯やや唇側傾斜

という状態でした。

骨格的にはSkeletal Class III傾向を認め、上顎前歯は唇側傾斜、下顎前歯もやや唇側傾斜していました。これらの骨格的・歯性的特徴を踏まえて、前歯の位置や咬み合わせに配慮した治療計画を立案しました。


なぜ抜歯が必要だったのでしょうか?

今回最も大きな問題は、

歯を並べるスペースが極端に不足していたことです。

 今回のようにスペース不足が大きい状態で、無理に非抜歯で歯を並べようとすると、前歯がさらに唇側へ傾斜したり、口元の突出感が強くなったりする可能性があります。また、歯を歯槽骨の範囲を超えて移動させると、歯肉退縮などのリスクが高まる可能性もあります。

そこで十分なスペースを確保するため、

  • 右上5番
  • 左上4番
  • 左右下4番
  • 上顎左右8番
  • 右下8番

を抜歯し治療を開始しました。


治療の流れ

STEP1 抜歯後に奥歯から治療開始

前歯の叢生が非常に強かったため、最初から前歯へブラケットを装着すると無理な力が加わる可能性がありました。

そのため奥歯からセクショナルワイヤーを使用し、

まずは犬歯や臼歯を移動させて前歯が並ぶためのスペースを作りました。


STEP2 前歯へブラケット装着

十分なスペースができた段階で前歯にもブラケットを装着しました。

徐々に

  • 八重歯
  • 内側へ入った歯
  • 重なった前歯

を並べていきます。


STEP3 咬み合わせを整える

最後に

  • 抜歯スペースの閉鎖
  • 咬み合わせの調整
  • 正中の一致
  • 歯列全体の仕上げ

を行い治療終了となりました。

STEP4 保定治療について

矯正治療は歯を動かして終わりではありません。

歯は治療直後に元の位置へ戻ろうとする「後戻り」という性質があります。そのため、動的治療後は保定装置(リテーナー)を適切に使用し、歯並びを安定させることが非常に重要です。

当院では、動的治療終了後に歯の裏側へ固定式ワイヤーを装着するとともに、透明で目立ちにくいマウスピース型リテーナーを使用しています。

マウスピース型リテーナーは、動的治療終了後6〜12か月間を目安に、食事と歯磨き以外の時間に装着していただきます。その後は歯並びの安定状態を確認しながら装着時間を徐々に減らし、保定開始から約1年半後を目安に就寝時のみの使用へ移行します。

なお、リテーナーの種類や装着時間、使用期間は、歯並びや咬み合わせの安定状態によって異なります。

保定開始から約2年経過した後も、歯並びの安定状態や患者さんのご希望に応じて、定期的な経過観察をご案内しています。歯並びは加齢や咬み合わせ、生活習慣などによって変化する可能性があるため、長期的なリテーナーの使用をおすすめする場合があります。


上記の治療の流れを動画にしたのでご覧ください。


治療結果

治療後の口腔内写真

 

約30か月の治療により、八重歯と前歯のでこぼこが改善し、内側に入っていた前歯も歯列内に並びました。歯列全体が滑らかなアーチ状に整い、咬み合わせについても改善が得られました。

本症例では重度の叢生を認めましたが、抜歯によって必要なスペースを確保し、段階的に歯を移動することで、前歯の歯並びと咬み合わせを改善することができました。


症例概要

項目 内容
年齢・性別 20代女性
主訴 前歯のでこぼこ・八重歯・1本内側に入った歯
診断 重度叢生(上下とも重度負のA.L.D.)
骨格 Skeletal Class III
装置 マルチブラケット装置(表側矯正)
抜歯部位 右上5・左上4・左右下4・上顎左右8・右下8
治療期間 30か月
治療費 99万円(税込)
主なリスク・副作用 歯根吸収、歯肉退縮、虫歯・歯周病リスクの増加、後戻り、一時的な痛み、歯髄壊死

八重歯や重度のでこぼこでお悩みの方へ

「自分の歯並びも抜歯が必要なのか」「歯を抜かずに治療できる可能性はあるのか」と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。抜歯の必要性は、でこぼこの程度だけではなく、顎の骨格、前歯の傾き、口元のバランス、歯槽骨の状態などを総合的に評価して判断します。

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科では、セファロ分析やパノラマX線写真、口腔内写真などを用いて診査・診断し、それぞれの患者さんに適した治療方法をご提案しています。八重歯や前歯のでこぼこ、内側に入った歯でお悩みの方は、矯正相談をご利用ください。

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科

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