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この記事の監修者

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。

院長:内澤 朋哉

監修者
内澤 朋哉

経歴

2009年 北海道医療大学歯学部卒業
2009年 北海道医療大学院歯学研究科
2014年 北海道医療大学歯学部歯科矯正学講座
2015年 こうざき歯列矯正歯科クリニック勤務
2017年 三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科開院

八重歯と前歯のでこぼこは4本抜歯で治る?表側矯正で改善した症例をご紹介

2026年7月12日

八重歯と前歯のでこぼこでお悩みの方へ

「八重歯が目立つ」
「前歯が重なって歯磨きがしにくい」
「笑った時の歯並びが気になる」

このようなお悩みで矯正相談に来院される患者様は非常に多くいらっしゃいます。

八重歯は犬歯が生えるスペースが不足することで起こることが多く、多くの場合、前歯のでこぼこ(叢生)も同時に認められます。

今回は、20代男性の上下顎の小臼歯を4本抜歯し、表側ワイヤー矯正によって八重歯と前歯のでこぼこを改善した症例をご紹介します。


症例概要

項目 内容
主訴 前歯のでこぼこと八重歯を改善したい
診断名 叢生(八重歯を伴う中等度叢生)
矯正装置 表側ワイヤー矯正
抜歯部位 上下第一小臼歯4本
治療期間 26か月
治療費 90万円(税込)
リスク・副作用 歯の移動に伴う痛みや違和感、歯根吸収、歯肉退縮、

虫歯・歯周病、口内炎、装置の脱離、治療期間の延長、歯並びの後戻りなど


初診時の口腔内所見

初診時

初診時には、上下顎ともに中等度の歯を並べるためのスペース不足(負のA.L.D.)を認め、前歯部の叢生と八重歯がみられました。

左右の臼歯関係はAngleⅠ級で、前歯部のオーバージェットおよびオーバーバイトはおおむね標準的でした。一方、上顎側切歯は歯列の内側に位置し、部分的な反対咬合を呈していました。

上下顎の前後的な咬み合わせには大きな問題はなく、主な問題は歯列内のスペース不足による前歯部の叢生でした。


パノラマレントゲン所見

パノラマレントゲンとは?

パノラマレントゲンとは、下の歯や顎の骨を1枚の画像で広範囲に撮影できるレントゲン検査です。矯正治療を始める前に行う基本的な検査の一つで、歯並びだけでは分からないお口の状態を詳しく確認することができます。

パノラマレントゲンでは、主に以下のような項目を確認します。

  • 歯の本数や先天性欠損歯の有無
  • 親知らずの位置や生え方
  • 埋伏歯(骨や歯ぐきの中に埋まっている歯)の有無
  • 歯根の長さや形態
  • 虫歯や歯周病による骨の状態
  • 顎の骨や歯の周囲に異常がないか

これらの情報をもとに、安全に矯正治療を進められるかを確認するとともに、必要に応じて親知らずの抜歯時期や治療方法を検討します。

 

今回の症例でのパノラマレントゲンでは

パノラマ写真

永久歯の本数に異常はなく、歯根の長さや形態にも大きな問題は認められませんでした。

親知らずは上下顎ともに萌出途中で、下顎の親知らずは骨内に埋伏し、近心方向へ傾斜していました。親知らずの状態についても経過を確認しながら、必要に応じて抜歯の時期を検討する方針としました。


セファロ分析

セファロ分析とは?

セファロ分析とは、頭部X線規格写真(セファログラム)を用いて、歯や顎の骨、顔全体のバランスを詳しく分析する検査です。矯正治療では欠かせない検査の一つであり、見た目だけでは分からない骨格や歯の位置関係を客観的に評価できます。

セファロ分析では、主に以下のような項目を確認します。

  • 上顎と下顎の前後的な位置関係・顎の骨格のバランス(Skeletal Class I・II・III)
  • 上下の前歯の傾きや突出の程度
  • 顔全体のバランスや口元の突出感 など

これらの情報をもとに、「抜歯が必要か」「どの方向へ歯を動かすべきか」「口元をどの程度改善できるか」などを総合的に判断し、一人ひとりに適した治療計画を立案します。

当院では、セファロ分析の結果に加え、口腔内写真や顔貌写真、パノラマX線写真、歯型(口腔内スキャン)などもあわせて評価し、歯並びだけでなく咬み合わせや顔貌との調和まで考慮した矯正治療をご提案しています。

 

今回の症例でのセファロ分析では

セファロ分析

  • Skeletal ClassⅠ
  • 上顎前歯は標準的位置
  • 下顎前歯は軽度唇側傾斜

という結果でした。

骨格的な前後的ズレはなく、歯列内のスペース不足が八重歯と叢生の主な原因と考えられました。


なぜ4本抜歯が必要だったのか

今回の症例では、上下顎ともに中等度のスペース不足があり、前歯部の重なりや八重歯に加えて、上顎側切歯が歯列の内側に位置する反対咬合も認められました。

歯を抜かずにすべての歯を並べようとすると、前歯が現在よりも前方へ傾斜し、口元が突出する可能性があります。また、下顎前歯は初診時から軽度唇側に傾斜していたため、さらなる前方傾斜をできるだけ避ける必要がありました。

そこで、前歯の位置と傾斜を適切に保ちながら、八重歯や叢生を改善するためのスペースを確保する方法として、上下左右の第一小臼歯4本を抜歯する治療計画を選択しました。

抜歯の必要性は、歯並びの程度だけで決まるものではありません。スペース不足の量、前歯の傾斜、顎の骨格、口元のバランス、咬み合わせなどを総合的に評価して判断します。


治療の流れ

Step1 レベリング

細いワイヤーから使用を開始し、歯に過度な力をかけないよう配慮しながら、歯列全体の高さや傾きを徐々に整えました。


Step2 抜歯スペースを利用した歯列の改善

抜歯スペースを利用しながら犬歯を正しい位置へ誘導し、前歯のでこぼこを改善しました。


Step3 抜歯スペースの閉鎖

歯列全体のバランスを整えながら、上下顎の抜歯スペースを徐々に閉鎖しました。


Step4 咬み合わせの仕上げ

上下の咬み合わせを細かく調整し、安定した咬合を獲得しました。


Step5 保定

歯並びと咬み合わせを最終確認した後、表側の矯正装置を除去しました。治療後は、固定式リテーナーとマウスピース型リテーナーを使用して歯並びの安定を図っています。

今回の治療による歯の動きを動画にまとめています。初診時から治療終了までの変化もあわせてご覧ください。

 

保定治療について

矯正治療で移動した歯は、治療終了直後には元の位置へ戻ろうとする傾向があります。この現象を「後戻り」といい、歯並びを長期間安定させるためには、保定装置(リテーナー)の使用が重要です。

当院では、動的治療終了後に、歯の裏側へ固定式リテーナーを装着するとともに、透明で目立ちにくいマウスピース型リテーナーを併用しています。

マウスピース型リテーナーは、治療終了後6~12か月間を目安に、食事と歯磨き以外の時間に装着していただきます。その後は歯並びの安定状態を確認しながら装着時間を徐々に減らし、最終的には就寝時を中心とした使用へ移行します。

保定期間や装着時間は、歯の動きや歯周組織の状態によって異なるため、定期的に歯並びと咬み合わせを確認しながら調整します。

 

保定装置

固定式リテーナーと透明なマウスピース型リテーナーを併用することで、歯並びの安定を図ります。

 

 


治療結果

治療後の口腔内写真

 

 

 26か月の表側ワイヤー矯正により、歯列の外側に位置していた犬歯が歯列内に排列され、八重歯が改善しました。また、上下前歯の重なりが解消され、歯列の内側に位置していた上顎側切歯の反対咬合も改善しました。

左右の臼歯関係はAngleⅠ級を維持しながら、適正なオーバージェットおよびオーバーバイトに仕上げています。抜歯スペースも閉鎖され、上下の歯が安定して咬み合う状態となりました。


八重歯は必ず抜歯が必要?

必ずしも抜歯が必要になるわけではありません。

抜歯を行わないことが多いケース

  • 軽度のでこぼこ
  • 歯列を少し広げることで改善できる
  • 奥歯を後方へ移動できる

抜歯が必要になりやすいケース

  • 中等度以上の叢生
  • 八重歯が大きく飛び出している
  • 前歯をこれ以上前方へ出したくない
  • 長期的な安定性を重視したい

今回の症例では、上下顎ともに中等度のスペース不足があり、下顎前歯も軽度唇側傾斜していました。そのため、前歯を過度に前方へ傾斜させずに八重歯と叢生を改善する方法として、上下4本の小臼歯を抜歯する治療計画を選択しました。


まとめ

八重歯や前歯のでこぼこは、歯並びの状態やスペース不足の程度によって、適切な治療方法が異なります。

軽度の叢生では、歯列の拡大や奥歯の後方移動などにより、抜歯をせずに治療できる場合があります。一方、中等度以上のスペース不足がある場合や、前歯をこれ以上前方へ傾斜させたくない場合には、抜歯を伴う治療が適していることもあります。

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科では、口腔内写真、パノラマX線写真、セファログラム、口腔内スキャンなどを用いて、歯並び、咬み合わせ、骨格、口元のバランスを総合的に診断しています。

八重歯や前歯のでこぼこ、抜歯の必要性についてお悩みの方は、矯正相談でご相談ください。

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科

住所: 東京都世田谷区三軒茶屋1-32-14 園田ビル地下1階

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