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この記事の監修者

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。

院長:内澤 朋哉

監修者
内澤 朋哉

経歴

2009年 北海道医療大学歯学部卒業
2009年 北海道医療大学院歯学研究科
2014年 北海道医療大学歯学部歯科矯正学講座
2015年 こうざき歯列矯正歯科クリニック勤務
2017年 三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科開院

出っ歯のワイヤー矯正はどんな順番で歯が動く?上顎だけ抜歯した20代女性の治療経過を動画で解説

2026年6月27日

出っ歯はどのように改善していくのでしょうか?

「矯正治療を始めると、すぐに前歯は下がるの?」
「歯はどのような順番で動いていくの?」
「抜歯したスペースはいつ閉じるの?」

このようなご質問を患者さまからいただくことがよくあります。

実際には、出っ歯の矯正治療は前歯をいきなり後ろへ下げるわけではありません。

歯には安全に動かせる順番があり、その順番に沿って治療を進めることで、歯や歯周組織への負担をできるだけ少なくしながら理想的な歯並びと咬み合わせを目指します。

今回は「出っ歯を改善したい」と来院された20代女性の症例をご紹介します。

上顎第一小臼歯を抜歯し、上下表側ワイヤー矯正で約2年6か月かけて治療を行いました。

この記事では、YouTubeショート動画と合わせて、実際に歯がどのような順番で動いていくのかを詳しく解説します。

 


この症例について

項目 内容
主訴 出っ歯を改善したい
診断名 叢生を伴う上顎前突
矯正装置 マルチブラケット矯正治療(上下表側矯正)
治療方法 上顎第一小臼歯抜歯
治療期間 約2年6か月
治療費 85万円(税込)
リスク・副作用 歯根吸収・歯肉退縮・虫歯・歯周病のリスク増加・後戻り・一時的な疼痛

初診時


出っ歯(上顎前突)とは?

出っ歯とは、一般的に上の前歯や上顎全体が前方に位置している状態を指します。

しかし、一言で「出っ歯」といっても原因はさまざまです。

例えば、

・上顎の骨が前方にある

・下顎の骨が後方にある

・上の前歯だけが前へ傾いている

・上下の前歯のバランスが崩れている

など、患者さまによって原因は異なります。

そのため、同じように見える出っ歯でも、抜歯をする症例、抜歯をしない症例、上顎だけ抜歯する症例など、治療方法は大きく変わります。

見た目だけで判断することはできず、精密検査を行ったうえで治療計画を立てることが重要です。


精密検査の結果

セファロ分析

セファロ分析

 

セファロ分析では、

・Skeletal ClassⅡ

・上顎前歯は標準的な傾き

・下顎前歯は唇側傾斜

という特徴が認められました。

骨格的には下顎がやや後方に位置するタイプであり、出っ歯の印象が強くなっていました。

一方で、上顎前歯は極端に前へ傾いているわけではありませんでした。

また、下顎前歯はすでに唇側へ傾斜していたため、さらに前方へ動かすことは望ましくありません。

そのため、上顎第一小臼歯を抜歯してスペースを作り、上顎前歯を後方へ移動する治療計画としました。


パノラマレントゲン写真

パノラマレントゲン写真

パノラマレントゲン写真では、

・右上・右下に親知らずを認めました。

・歯の本数に異常はありません。

・歯根の長さは標準的でした。

歯根の形態や本数に問題がないことを確認したうえで、安全に矯正治療を開始しました。


なぜ上顎だけ抜歯したのか?

患者さまからよくいただく質問が、

「出っ歯なら上下4本抜歯ではないのですか?」

というものです。

実際には、そのようなことはありません。

矯正治療では、

・骨格

・前歯の傾き

・横顔

・口元

・咬み合わせ

・歯並び

これらを総合的に診断して抜歯部位を決定します。

今回の症例では、下顎前歯はすでに前方へ傾斜していたため、下顎の抜歯は必要ありませんでした。

必要以上に歯を抜くことは、かえって咬み合わせや口元のバランスを崩す可能性があります。

そのため、上顎のみ抜歯することで最も良い治療結果が得られると判断しました。


動画で見る治療経過

ここからは実際の動画に沿って治療の流れをご紹介します。


STEP1 上顎犬歯を先に移動

矯正治療が始まると、まず犬歯を先に移動します。

「どうして前歯ではないの?」

と思われる方も多いでしょう。

犬歯は前歯を後ろへ移動するためのスペースを確保する重要な役割があります。

犬歯を適切な位置まで動かすことで、その後の前歯の移動がスムーズになります。


STEP2 前歯のレベリング

犬歯が移動した後は、上顎全体にブラケットを装着し、前歯のレベリングを行います。

レベリングとは、歯並びの高さや位置を整えながら、歯列全体をきれいに並べる工程です。

この段階では劇的な見た目の変化は少ないものの、今後の治療結果を左右する非常に重要な期間となります。


STEP3 前歯が少しずつ後退

レベリングが進むと、いよいよ前歯を後方へ移動していきます。

患者さま自身も、この頃から

「口元が少し引っ込んできた」

と感じることが多くなります。

前歯を一気に動かすのではなく、弱い力を継続的に加えながら少しずつ移動させることで、歯や歯周組織への負担を抑えています。


STEP4 抜歯スペースを閉鎖

前歯が後方へ移動すると、抜歯したスペースは徐々に閉じていきます。

同時に上下の咬み合わせも整えながら、歯列全体のバランスを調整します。

この時期になると横顔や口元にも大きな変化が現れます。

患者さまの満足度も高くなる時期です。


STEP5 咬み合わせの仕上げ

最後は細かな歯の位置を調整します。

見た目だけではなく、

・しっかり噛めること

・左右のバランス

・長期間安定すること

を目標に仕上げを行います。

歯をきれいに並べるだけでは矯正治療は終わりません。

咬み合わせまで整えることで、長期的に安定した治療結果につながります。


治療結果

約2年6か月で動的治療が終了しました。

治療後は、

・出っ歯の改善

・前歯の突出感の改善

・歯並びの改善

・咬み合わせの改善

・横顔のバランスの改善

が得られました。

患者さまにも大変ご満足いただくことができました。


矯正治療終了後も大切な「保定」

一般的に歯は治療が終わった直後は元の位置へ戻ろうとする性質があります。

そのため、治療終了後はリテーナー(保定装置)を使用します。

当院では、

最初の6~12か月はできるだけ長時間装着していただき、その後は就寝時を中心に継続していただいています。

保定をしっかり行うことが、美しい歯並びを長く維持するために非常に重要です。

当院では

矯正治療は歯を動かして終わりではありません。

歯は元の位置へ戻ろうとする「後戻り」が起こるため、保定装置(リテーナー)の使用が重要になります。

当院では、動的治療終了後に、歯の裏側へ固定式ワイヤーを装着するとともに、透明で目立ちにくいマウスピース型リテーナーを使用し、歯並びを安定させています。

マウスピース型リテーナーは、動的治療終了後6〜12か月間は食事と歯磨き以外の時間に装着していただきます。その後は歯並びの安定に合わせて装着時間を徐々に減らし、治療開始から約1年半後には就寝時のみの使用へ移行します。

治療終了から約2年経過後は、ご希望を伺いながら定期検診を継続するかをご相談しております。

 


よくある質問

前歯はいつ頃下がりますか?

犬歯の移動後から徐々に後退が始まります。症例によって異なりますが、多くの患者さまは治療開始から数か月で変化を実感されます。

上顎だけ抜歯することは珍しいですか?

珍しい治療ではありません。骨格や歯並びによっては、上顎のみの抜歯が最適な場合があります。

抜歯した隙間はきちんと閉じますか?

ほとんどの症例では、治療の進行とともに抜歯スペースは閉鎖されます。

治療中は痛みがありますか?

装置装着直後やワイヤー交換後に一時的な痛みを感じることがありますが、多くの場合は数日で落ち着きます。

出っ歯はマウスピース矯正でも治せますか?

症例によって可能な場合もありますが、歯の移動量が大きい症例ではワイヤー矯正の方が適していることがあります。


まとめ

出っ歯の矯正治療では、前歯をただ後ろへ下げるだけではありません。

犬歯を先に移動し、歯並びを整え、前歯を後退させ、咬み合わせを仕上げるという一つひとつの工程を丁寧に進めることで、安全で安定した治療結果につながります。

今回ご紹介したように、出っ歯だからといって必ず上下4本を抜歯するわけではありません。

患者さま一人ひとりの骨格や歯並び、口元のバランスを総合的に診断し、最適な治療方法をご提案することが大切です。

出っ歯でお悩みの方は、お気軽に当院までご相談ください。

 

 

矯正相談のご予約・お問い合わせ


歯列を矯正治療して上下顎前突 口ゴボ、八重歯の改善を検討されている方 なら、ぜひ当院にご相談ください。初めての方でも安心して治療を受けていただけるよう、患者様が感じる疑問や不安を解消するため、丁寧な説明と親身な対応を心がけサポートいたします。治療後は、自然で美しい笑顔が手に入ることを目標としております。また、特に女性に向けて、高く評価される治療内容を提供し、皆様の健康と美容をサポートします。気になることがあれば、いつでもお問い合わせください。クリニックのメニューをチェックして、あなたに適した治療法を見つけましょう。

お問い合わせやご予約は、当院のホームページ(三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科)からお気軽にどうぞ。当院では口腔内スキャナーのi-teroを利用した口腔内情報を再得して、3Dプリントされた歯列模型の模型を使用して裏側矯正の装置を作成します。

矯正治療を通じて、トラブル、失敗を避け美しい笑顔と健康な歯を手に入れるために、私たちと一緒に一歩を踏み出しましょう。お待ちしております。

矯正治療の選択肢にはそれぞれの特徴があり、患者様のニーズに応じた適した方法を選ぶことが重要です。目立ちにくく取り外しのできるインビザラインやワイヤー矯正(内側に装置がつく裏側矯正、外側に装置がつく表側矯正)の違い、デメリットとメリットを理解することで、より納得のいく治療を受けることができます。当院では、子供から成人(大人)までの患者様のライフスタイルや歯並びの状態から、希望する治療結果に合わせた適した治療方法をご提案いたしますので、ぜひご相談ください。利用できる矯正装置も目立たないマウスピース型矯正装置、ハーフリンガル、裏側矯正などのワイヤー矯正装置、部分矯正、子供の矯正(小児矯正)も可能です。症例も開咬、八重歯、出っ歯、受け口、すきっ歯など様々な症例も対応します。治療後は保定装置(リテイナー)で綺麗な歯並びを最小限の変化で維持します。 矯正治療により口腔内の環境が変化します。矯正治療中は日常生活での歯ブラシの習慣が重要になってきます。

歯並びのことで質問やお悩みや不安などがある場合には、是非当院まで気軽にカウンセリングのご予約ください。

 

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