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この記事の監修者

三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。

院長:内澤 朋哉

監修者
内澤 朋哉

経歴

2009年 北海道医療大学歯学部卒業
2009年 北海道医療大学院歯学研究科
2014年 北海道医療大学歯学部歯科矯正学講座
2015年 こうざき歯列矯正歯科クリニック勤務
2017年 三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科開院

前歯のでこぼこは裏側矯正で治る?抜歯症例報告

2026年6月4日 /更新日:2026年7月19日

前歯のでこぼこを治したいものの、矯正装置が目立つことに抵抗を感じる方も少なくありません。裏側矯正(舌側矯正)は、歯の裏側に装置を取り付けるため、表側矯正よりも装置が目立ちにくい治療方法です。

この記事では、裏側矯正のメリット・デメリット、費用や期間の目安を解説します。あわせて、上下左右の第一小臼歯を4本抜歯し、前歯のでこぼこと内側に入った側切歯を改善した20代女性の症例をご紹介します。

リンガル矯正

 

前歯のでこぼこを4本抜歯・裏側矯正で改善した症例


項目 内容
年齢・性別 20代女性
主訴 前歯のでこぼこ、内側に入った側切歯
診断 骨格性Ⅰ級、上下顎前歯の唇側傾斜、叢生
抜歯部位 上下左右第一小臼歯4本
使用装置 上下顎舌側矯正装置
動的治療期間 3年
治療費 130万円(税込)
主なリスク 痛み、虫歯、歯肉炎、歯根吸収、歯肉退縮、後戻りなど

※治療費は治療当時の料金です。現在の料金については、当院の料金表をご確認ください。

 

患者さんについて

神奈川県在住の20代女性です。

「前歯のでこぼこが気になる」「上の前歯の2番目の歯(側切歯)が内側に入っているのを治したい」というご希望で当院へご相談いただきました。

歯並びの見た目を改善したい一方で、矯正装置が目立つことには抵抗があり、できるだけ周囲に気付かれにくい方法をご希望されていました。


治療前の口腔内

初診時の状態

初診時には、上顎前歯部に叢生(そうせい)が認められました。

特に上顎の側切歯(前から2番目の歯)が歯列の内側に入り込んでおり、歯列全体の凸凹が目立つ状態でした。

歯並びを整えるために必要なスペースを分析したところ、歯列内に十分な空隙がなく、非抜歯での治療では歯の突出や歯周組織への負担が懸念される状態でした。

そのため、十分なスペースを確保しながら機能的かつ安定した歯並びを獲得するためには、抜歯を伴う矯正治療が適切であると判断しました。

診断結果

  • 骨格性Ⅰ級
  • 上下前歯の唇側傾斜を認めた
  • 側切歯の舌側転位を認めた

レントゲン所見

  • 歯根形態に異常なし

 


治療計画

歯を並べるスペースを確保するため、

上下左右の第一小臼歯を1本ずつ、合計4本抜歯

する治療計画としました。

今回の症例では、上顎の側切歯が歯列の内側に位置していたため、まず犬歯を後方へ移動させることで側切歯を配列するためのスペースを確保し、その後に内側へ入っている側切歯を歯列内へ誘導していきました。

本症例では犬歯を移動して側切歯を配列するスペースを確保する必要があり、歯の移動に時間を要しました。


治療経過

裏側矯正装置を装着後、犬歯の移動を優先して行い、側切歯を並べるためのスペースを確保しました。

十分なスペースが確保できた段階で、内側に位置していた側切歯を歯列内へ誘導し、全体の歯列を整えていきました。

治療中は噛み合わせの安定化も同時に行い、上下の歯が適切に接触するよう細かな調整を重ねました。


治療後の口腔内

治療結果

約3年間の矯正治療により、

  • 前歯のでこぼこの改善
  • 内側に入っていた側切歯の改善
  • 歯列全体の配列改善
  • 噛み合わせの改善

を達成することができました。

患者さんにも歯並びの変化を実感していただき、審美面・機能面ともに良好な結果が得られたため、動的治療を終了しました。

 

 

動的治療後は、整えた歯並びと噛み合わせを維持するため、取り外し可能なマウスピース型保定装置と、歯の裏側に接着する固定式ワイヤーを併用しています。

動的治療終了後6~12か月程度は、食事と歯磨き以外の時間にマウスピース型保定装置を使用していただきます。その後は歯並びの安定を確認しながら、就寝時のみの使用へ段階的に変更します。保定装置の使用期間や時間は、歯並びの状態によって異なります。

 

治療に伴う主なリスク・副作用
矯正装置装着後の痛みや違和感、虫歯、歯肉炎、歯根吸収、歯肉退縮、装置の脱離、治療期間の延長、治療後の後戻りなどが生じる可能性があります。

 

裏側矯正の装置や料金、治療中の注意点については、「舌側矯正(裏側矯正)」のページをご覧ください。


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裏側矯正(舌側矯正)が大人に選ばれる3つの大きなメリット


裏側矯正が大人に選ばれる理由は、見た目だけではありません。実は、治療の進め方や最終的な仕上がりの質に関わる、深い理由があります。ここでは、大人の矯正治療において特に重要な3つのメリットをお伝えします。

装着時間の自己管理を必要としない

マウスピース矯正では、患者さん自身が指示された装着時間を守る必要があります。

食事のたびに着脱し、紛失や破損に気をつけなければなりません。

仕事で会食が多い、出張が頻繁、育児で忙しいという大人ほど、装着時間が不安定になりやすいのが現実です。裏側矯正は歯に固定する装置のため、マウスピースのような装着時間の自己管理は必要ありません。ただし、顎間ゴムの使用状況、装置の脱離、通院間隔などによって治療期間が延びることがあります。

複雑な歯の動きに対応できる

大人の矯正では、子どもと異なり、複雑な歯の移動が必要なケースが少なくありません。重度の叢生(歯が重なった状態)、口元の突出感を改善する抜歯症例、上下の歯の噛み合わせが大きくずれている場合など、難度の高い治療が必要になることがあります。

ワイヤー矯正は、歯の傾きや歯根の位置を細かく調整しやすく、抜歯症例や複雑な歯の移動に用いられる治療方法の一つです。

装置が表側から見えにくい

裏側矯正は歯の裏側に装置を取り付けるため、正面から見たときに装置が目立ちにくいことが大きなメリットです。仕事で人前に出る機会が多い方や、矯正中の見た目をできるだけ変えたくない方に選ばれています。

ただし、大きく口を開けたときなどには装置が見える場合があります。また、装置周囲は磨きにくいため、虫歯や歯肉炎を防ぐための丁寧な清掃が必要です。

 

 

 

知っておくべき裏側矯正のデメリットと後悔しないための対策


裏側矯正には多くのメリットがありますが、同時に知っておくべきデメリットもあります。治療を始める前に、これらを理解し、適切な対策を講じることが、後悔を防ぐ最大のポイントです。

発音のしづらさと、その対策

裏側に装置があると、舌が装置に触れやすくなるため、特定の音が発音しにくくなります。サ行、タ行、ラ行といった音が、やや不明瞭になることがあります。

発音への影響には個人差がありますが、多くの場合は装置に慣れるにつれて軽減していきます。慣れるまでに2週間から1か月程度かかることもあります。

 

舌への痛みと違和感

装置が舌に当たると、口内炎ができたり、違和感を感じたりすることがあります。これも、初期段階で起こりやすい現象です。

対策としては、矯正用ワックスの使用が有効です。

装置が舌に当たる場合は、矯正用ワックスで装置を覆うことで刺激を軽減できます。痛みや口内炎が続く場合は、無理に我慢せず医院へご相談ください。

清掃性の難しさと、その管理方法

裏側は表側よりも磨きにくいというのが事実です。歯ブラシが奥まで届きにくく、装置の周りに汚れが溜まりやすくなります。

しかし、これは「磨けない」わけではなく、「磨き方に工夫が必要」ということです。タフトブラシ(毛先の細い小さなブラシ)やデンタルフロス、歯間ブラシなどを活用し、装置の周囲を丁寧に清掃することが重要です。

さらに重要なのは、一般歯科での定期的なプロケア(専門家による清掃)です。つまり、患者さんの「セルフケア」と「一般歯科の医院でのプロケア」の二重体制で、口腔衛生を守るという考え方が重要なのです。

これらのデメリットは、決して「乗り越えられない壁」ではなく、「事前に対策を知っている」「医院でサポートを受ける」ことで、大きく軽減できます。むしろ、治療前にデメリットや対策を理解しておくことで、治療開始後の戸惑いを減らしやすくなります。

裏側矯正では、患者さんによるセルフケアと医院での管理を両立しながら、治療を進めることが大切です。

ブラッシング 歯ブラシの例

自分に合うスタイルはどれ?裏側矯正の主要な2つの治療形式


「裏側矯正をしたい」と決めても、実はその中にはいくつかの選択肢があります。すべての歯を裏側にするのか、上だけにするのか、自分のライフスタイルと優先順位によって、最適な方法は異なります。ここでは、主要な2つの治療形式とそれぞれの特徴をご紹介します。

フルリンガル:上下すべての歯を裏側に

フルリンガルは、上下の歯の裏側に装置を取り付ける方法です。正面からは装置が目立ちにくい一方、大きく口を開けたときなどには、装置が見える場合があります。

上下ともに裏側へ装置を付けるため、ハーフリンガルと比較すると舌への違和感が強くなりやすく、費用も高く設定されることが一般的です。

 

ハーフリンガル:上は裏側、下は表側

 

ハーフリンガルは、目立ちやすい上顎には裏側装置を、下顎には表側装置を使用する方法です。フルリンガルと比較すると、下顎の舌側に装置がないため舌への違和感を抑えやすく、費用も低く設定されることが一般的です。見た目・費用・違和感のバランスを重視する方に検討される治療方法です。

 

どれを選ぶべき?

適切な診断と治療計画のもとで治療を行うことが重要です。

自分が最も優先したいのは何か。仕事で絶対にバレたくないのか、それとも快適さと費用のバランスを重視するのか、あるいはとにかく早く終わらせたいのか。自分のライフプランと価値観に照らし合わせて選ぶことが、長期的な満足度につながります。

医院での初診カウンセリングの際に、「自分にはどの形式が最適か」を専門医と相談することを強くおすすめします。

裏側矯正

 

裏側矯正の費用と治療期間の目安


裏側矯正を検討する際に確認したい費用のポイントと、治療期間の目安について解説します。

治療費を確認する際のポイント

裏側矯正の費用は、使用する装置や治療範囲、医院の料金体系によって異なります。表示料金に検査・診断料、装置料、毎回の調整料、保定装置料などが含まれているかを確認しましょう。

当院の現在の治療費については料金表をご確認ください。

料金表


治療期間の現実的な目安

全体矯正の治療期間は、おおむね2~3年程度が目安です。ただし、これは治療が予定どおり進んだ場合の目安であり、抜歯の有無、歯の移動量、噛み合わせ、顎間ゴムの使用状況、装置の脱離、通院間隔などによって異なります。通院頻度は1~2か月に1回程度が一般的ですが、治療段階や歯の動きに応じて変わります。

裏側矯正の場合、清掃が難しい分、定期的なプロケア(医院での専門的な清掃)がより重要になります。定期的な通院と適切な口腔衛生管理は、治療を円滑に進めるために重要です。


費用負担を軽減する方法

デンタルローンを利用すれば、一括払いでなく分割払いが可能です。月々の負担を軽くできるため、検討する価値があります。

噛み合わせなどの機能改善を目的とした矯正治療は、医療費控除の対象になる場合があります。詳しくは税務署や税理士などへご確認ください。

 


安さだけで医院を選ぶことの危険性

矯正治療は長期間にわたるため、費用だけでなく、治療経験、検査・診断の内容、説明の分かりやすさ、トラブル時の対応なども確認しましょう。

 

ワイヤー矯正

裏側矯正を受ける医院を選ぶ際の確認点


裏側矯正を検討する際は、自分と似た歯並びの治療経験、検査・診断の内容、治療中に装置が外れた場合の対応などを確認しましょう。治療目標だけでなく、治療の限界やリスクについても説明を受けることが大切です。

 

裏側矯正に関するよくある質問4選


裏側矯正を検討する際、多くの方が同じような疑問を抱きます。ここでは、カウンセリングで最も頻繁に寄せられる質問に、専門的な視点から回答します。

裏側矯正とマウスピース矯正の治療効果の違い

この質問の答えは「症例による」です。軽度の歯並びの乱れであれば、マウスピース矯正でも十分にきれいに治ります。しかし、重度の叢生(歯が重なった状態)や、抜歯が必要な出っ歯、複雑な噛み合わせの改善といったケースでは、ワイヤー矯正である裏側矯正の方が、より緻密な歯根のコントロールが可能になります。

つまり、「どちらが絶対に優れている」わけではなく、あなたの歯並びの状態によって、最適な方法が異なるということです。

ただし、一つ確かなことがあります。マウスピース矯正では、患者さん自身が指定された装着時間を守る必要があります。装着時間を十分に確保することが難しい場合は、固定式装置も選択肢になります。

引っ越しや転勤時の対応方法

裏側矯正に対応する医院は限られるため、転院先がすぐに見つからない場合があります。また、治療方針や使用装置の違いにより、装置の変更や追加費用が必要になることもあります。転居の可能性がある場合は、治療開始前に医院へ相談しておきましょう。

治療期間の長さについて

裏側矯正だから必ず治療期間が長くなるわけではありません。治療期間は、歯並び、骨格、抜歯の有無、歯の移動量、装置の脱離、顎間ゴムの使用状況、通院状況などによって異なります。

食事で気をつけるべきこと

表側矯正と異なり、裏側矯正には装置が見える位置にないため、見た目を気にして食事を制限する必要はありません。ただし、装置自体へのダメージを避けるため、いくつかの注意があります。

硬い食べ物や粘着性の強い食べ物は、装置の破損や脱離につながる可能性があるため、食べ方に注意が必要です。

基本的には「通常通り食事をして大丈夫」ですが、上記の点だけ気をつけることで、装置を長く安全に使用できます。

 

まとめ


裏側矯正は、矯正装置をできるだけ目立たせずに歯並びを整えたい方に検討される治療方法です。一方で、発音への影響、舌の違和感、清掃の難しさ、費用などの注意点もあります。

適した装置や抜歯の必要性は、歯並びや骨格、治療目標によって異なります。治療を検討している方は、検査・診断を受けたうえで、治療方法、期間、費用、リスクについて十分な説明を受けることが大切です。

当院での矯正相談のご予約・お問い合わせについて


裏側矯正を検討されている方は、ぜひ当院にご相談ください。歯並びや骨格、治療へのご希望を確認したうえで、適した治療方法をご提案します。

初めての方にも分かりやすい説明を心がけています。お問い合わせやご予約は、当院ホームページからお気軽にご連絡ください。(三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科

 

 

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