三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科を運営する医療法人D.D.Orthoが監修しています。
本当に骨隆起なの? 矯正治療と骨隆起 矯正治療中の ごく稀にできる前歯の突起とは ‼️
2024年5月27日
矯正治療中は程度に差はありますが多岐にわたる生体反応が生じて歯が動きます。
望まれない反応として歯根吸収、歯肉退縮、歯髄壊死、歯髄充血などもありますが、矯正治療中にごく稀に前歯の歯茎に突起ができることがあります。
これは骨隆起に似ているのですが本当に骨隆起なのでしょうか?
骨隆起はご存知でしょうか?
骨隆起とは
歯科領域における骨隆起(こつりゅうき)とは、口の骨が過剰に成長して盛り上がる(隆起した)状態を指します。
症状
- 通常、無症状であり、患者が気付かないことが多いです。
- 口内の異物感や食べ物が引っかかる感じがある場合もあります。
発生原因として
骨隆起の正確な原因は明確ではありませんが、以下の要因が関与していると考えられています:
- 噛み合わせの強さや圧力
- 歯ぎしりやくいしばり
つまり骨に加わる力が過大だと骨自体が壊れてしまうため、生体がこの事態を防ぐために骨量を増やし骨の防御力を増加させた結果、骨が増殖し、隆起となり骨隆起となります。
骨隆起は病的なものではないため何かしらの治療は必要ないですが、見た目が気になる場合、入れ歯を入れるときに入れ歯が骨隆起に当たって痛い場合など生活に支障が生じる場合は外科的に削除が必要となります。
骨隆起の種類
- 口蓋隆起(Torus palatinus)
- 上顎の口蓋(硬口蓋)の中央にできる骨の隆起。
- 大きさや形状は個人差があり、ほとんどは無害で痛みもありません。
- 下顎隆起(Torus mandibularis)
- 下顎の内側(舌側)にできる骨の隆起。
- これも個人差がありますが、多くの場合は両側に対称的に現れることが多いです。
治療
基本的に治療は不要です。ただし、入れ歯の装着や他の歯科治療に支障がある場合は、手術によって除去することがあります。
手術としては、骨隆起除去手術で保険適用になるそうです。
骨隆起除去手術の手順は、
- Step1 局所麻酔
- Step2 骨隆起部分の歯茎の切開
- Step3 隆起部分の骨を露出させ、不要箇所の削合
- Step4 縫合をして完了
前歯にできる骨隆起?
矯正治療中にまれに、骨隆起のような突起ができることがあります。
骨は加わる力が過大だと、骨量を増やし防御力を増加させるますが、逆に力が加わらなくなると減少する傾向があります。
抜歯を伴った矯正治療で前歯の歯を大きく後方に移動させると、いままで噛む力が加わっていた部位の骨に力が加わる量が減少するため、移動に伴って前方にあった骨が吸収します。(リモデリング)
しかしごく稀に吸収されるべき骨が吸収されない場合があります。(画像参照)
取り残された骨は骨隆起と同様に手術によって除去することが可能です。
骨隆起の場合は再度増殖する可能性はありますが、今回の場合は増殖する可能性は低いと考えられています。
まとめ
矯正治療中は程度に差はありますが多岐にわたる生体反応が生じて歯が動きます。