目標と診断
2021年10月22日
こんにちは
矯正治療に限らず、医療行為には治療と目標というものがあります。
目標がなければ、治療が成功したかどうか決められませんし、何よりどのように治療を進めていくのか、どのような状態になれば治療が終了となるのかも決められなくなってしまいます。
歯科医の担当分野でいえば、虫歯治療なら『痛みをなくすこと』、歯周病の治療なら『腫れや揺れをなくすこと』といったところでしょうか。
もちろん、被せ物をセットして虫歯で失われた歯の形を回復するというのも目標でしょう。
では、矯正治療の目標は一体なんでしょうか。
『歯並びをきれいに整えること』、これはすぐに思いつくと思いますが、実はこれだけではありません。
■矯正治療での治療目標
矯正治療に先立って、いろいろな検査や診査を受けていただき、その結果を分析します。
問題となる異常箇所が、歯並びだけなのか、顎の骨も含めたものなのか、両者の関係性も含めて見出し、どの部位を治療すべきか判断します。
この診療行為を治療目標の確立とよんでいます。
治療目標となる異常としては、『歯並びや噛み合わせの異常』『上顎骨や下顎骨の骨格の異常』『横顔の異常』『お口に関係するいろいろな組織の異常』の4つが挙げられ、それぞれの改善が目標となります。
矯正治療というと歯並びをきれいに整える治療というイメージがありますが、実は、単に歯並びを良くするだけにとどまらず、お口全体の組織を良くしようというコンセプトで行われていることがわかっていただけたのではないでしょうか。
だからこそ、矯正治療は誰でもできる治療ではないのです。
普通の歯科医院でも矯正治療を手がけているところは数多くありますが、当院のように矯正歯科治療を専門に行っているところの方が、おすすめとされる背景にはこのように矯正治療の治療目標がとても複雑であるという事情があります。
■矯正歯科治療での診断はちょっと特殊
矯正歯科治療においては、『病気や病状を判断』して『病名を決定する』だけでは十分とはいえません。
矯正歯科を受診する方の病名は、『不正咬合』『歯列不正』ですが、これだけで治療方針は決定できないからです。
そのため、矯正歯科治療の診断では、単に病気や病状を判断するにとどまらず、治療方針の決定に関係する範囲まで広く判断することが求められています。
また、患者さんのお口やお顔の形に加え、『食べ物を噛む』『言葉を発する』などのお口の機能の異常について、どこまでを正常とするのか、言い方を変えると、どの程度を病気として捉えるのかも問題となります。
しかも困ったことに、現代では、矯正歯科治療に対するニーズは年々多様化の一途をたどっています。
単に歯並びをきれいに整え、噛み合わせを適切にするだけではダメで、お顔を整える、さらには横顔もきれいにしたいというご希望を叶えられるようにしなければならなくなっています。
加えて、矯正治療の方法も、目立ちにくい方法や治療期間を短くする方法が望まれるようになってきました。
当院でも人気の高いインビザラインなどのマウスピース矯正が誕生したのは、こうしたニーズがあったからです。
そのため、治療前に行う診断の持つポテンシャルは、大きくなる一方です。
このような特殊性をはらんでいるのが、矯正歯科での診断なのです。
現在では、矯正治療前のさまざまな検査や診査を経て診断をくだし、それに基づいて治療前の状態を分類して評価するようにしています。

■不正咬合の分類
歯並びが整っていない状態を、不正咬合、もしくは歯列不正といいます。
いろいろな治療前の検査や診査を経て、最初に歯並びの状態を診断します。
不正咬合の分類法としては、現在、一般的にはアングルの分類という分類法が用いられています。
○アングルの分類
アングルとは、角度という意味ではありません。
この分類方法を考案したアメリカ人歯科医師の名前エドワード・アングル博士に由来しています。
アングル博士は、今では近代的な矯正治療の父とも言われているほど矯正歯科治療の歴史に大きな貢献を果たした人物です。
このアングル博士が、100年以上前に考案した不正咬合の分類が、アングルの分類です。
アングルの分類では、上顎と下顎の歯並びの前後的な関係性を重視しています。
その上、アングルの分類を評価するときには、特別な計測器具はいりません。
歯型をとって作った石膏模型があれば十分です。
しかも、評価の方法もとても簡単で、矯正歯科治療のベテランでなくてもできる優れた方法です。
そのため、実際の矯正治療の現場でもとても重宝しています。
○アングルの分類の実際
アングルの分類は、上顎と下顎の第一大臼歯、いわゆる6歳臼歯の前後的な位置関係を基準にして、1〜3級に分類して判断します。
1級は、上顎と下顎の第一大臼歯の噛み合わせが正常な歯並びです。
2級は、下顎の第一大臼歯が上顎の第一大臼歯に対して後ろに下がっている噛み合わせです。
上顎前突(出っ歯)がこれにあたります。
ここから2級はさらに1類と2類に分類され、1類は上顎の前歯が前方に傾いている歯並び、2類は上顎の前歯が後ろに傾いている歯並びになります。
3級は、下顎の第一大臼歯が上顎の第一大臼歯前に対して前側で噛み合っていることで、下顎前突や受け口として知られている噛み合わせになります。
○アングルの分類の問題点
とても優れて、100年以上にわたって矯正治療の診断の基礎となっているアングルの分類ですが、問題がないわけではありません。
それは、アングルの分類の基準ともなっている第一大臼歯にあります。
実は、第一大臼歯が本来の位置になければ、この分類法は正しく評価しにくくなるのです。
そのため、第一大臼歯が本来の位置にあるのかをまず評価しなくてはなりません。
特に、第一大臼歯より前に生えているいずれかの歯に大きな虫歯がある場合や、歯がなくなっているような場合は、本来の位置からずれている可能性が高いため、要注意とされます。
左右の第一大臼歯の位置が前後的にずれているときや、必要以上に前に向かって傾いているときもずれが疑われます。
もし、第一大臼歯の位置がおかしいと思われる場合は、上顎と下顎の犬歯や小臼歯(第一大臼歯の前の歯)の位置関係も考慮に入れて判断します。
■顎骨の異常の改善
顎骨の異常には、①上顎骨の形や位置の異常、②下顎骨の形や位置の異常、③上顎骨と下顎骨の垂直的な位置関係の異常の3つがあり、それぞれの改善が治療目標となります。
○上顎骨の形や位置の異常
上顎骨の形の異常の例としては、骨格性の上顎前突症が挙げられます。
これは、上顎の前歯が傾くなどして、下顎の前歯より前に出ているような上顎前突ではなく、上顎骨自体が前方に成長しすぎたことで生じる上顎前突症です。
このような症例では、上顎と下顎の歯並びだけを整えても異常は解決できないので、骨格そのものも治療の対象となります。
○下顎骨の形や位置の異常
下顎骨の形の異常は、骨格性の下顎前突症が代表的です。
下顎骨自体が上顎骨よりも過度に前に向かって大きくなりすぎている不正咬合です。
上顎骨のそれと同じく、歯並びだけをよくしようとしても問題は解決しないので、骨格自体の治療も必要です。
○上顎骨と下顎骨の垂直的な位置関係の異常
上顎骨や下顎骨の骨格異常というと、先にご紹介した前方へ位置異常がイメージしやすいことでしょう。
ところが、顎の骨格は3次元のものですから、上下方向への位置異常もあります。
具体的には、開咬でよくみられる下顎骨の前上方へ過度な成長発育です。
やはり、上顎骨と下顎骨の治療も平行して行う必要があります。
■横顔の異常
横顔は、上唇と下唇の位置関係を基準にして異常があるかどうかを判断します。
具体的には、鼻の先端と下顎の先を結ぶラインを引いて、このラインに対して、上唇と下唇がどのような位置にあるのかを判断します。
なお、このラインをE-ラインとよんでいます。
E -ラインと上唇、下唇の関係性については、時代とともに変化しています。
長期間の矯正治療も治療の目標が決まっているとわかりやすいですよね。
ぜひ三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科へご相談ください。

矯正治療の固定とは
2021年9月24日
こんにちは
矯正治療では歯並びをきれいに整えるために、歯を移動させます。
このとき、大切なのが固定です。
移動と固定とは、全く逆の行為なのですが、実は固定こそが矯正治療を成功させるカギともいえ、移動と固定は切っても切れない関係にあります。
今回は、矯正治療で重要な固定についてお話しします。
■固定が欠かせない理由
例えば、あなたが荷物の乗った台車を押すとします。
もし、あなたの足元の地面がツルツルになっていれば、いくら押しても足が滑ってしまい台車は一向に動きません。
これは、あなたが台車を押した力が、台車に作用せず、逃げて失われてしまうからです。
台車を動かすためには、あなたの足が滑らないように、足をしっかりと地面に踏ん張っておかなければなりません。
矯正治療も同じで、歯を移動させようとしても、力が逃げてしまうようでは、歯を動かすことはできません。
踏ん張る力が必要です。
この歯を移動させるために踏ん張る力が固定なのです。
■矯正治療における固定とは
続いて、歯を移動させるための固定について詳しくみていきましょう。
矯正治療における固定とは、歯または顎の骨の移動にあたっての抵抗源のことです。
矯正治療では、一般的に歯を抵抗源、つまり固定に使うことが多いです。
歯を固定に利用しない場合は、上顎や頭部、頚部なども使います。
ちなみに、当院でも行っているインプラント矯正では、顎の骨に埋め込む矯正治療用のアンカースクリューが抵抗源となっています。
このために、矯正治療における固定となっている歯やアンカースクリュー、場合によっては頭部や頚部には、歯や顎の骨を移動させようとして加えられている矯正力と同じだけの強さを持つ力が反対方向に加わることになります。
私たち矯正歯科医は、歯を移動させようとするとき、これらの反対方向に発生する力があることを常に念頭において治療にあたっています。
■固定の分類
固定とひとことで表しますが、実は固定にもいろいろな固定があります。
○固定の性質による分類法
基本的な固定の分類法のひとつが、固定の性質に基づく分類法です。
・単純固定
単純固定は、最もシンプルな固定です。
これは、固定となっている歯に傾斜移動させようとするときに加わる力に対する抵抗力を利用した固定です。
とてもシンプルなため、単純固定の固定力はあまり強くありません。
したがって、固定歯は止まってくれず、傾斜移動します。
単純固定の固定力の強さは、歯の歯根の大きさや数、形によって異なります。
歯根が大きいほど固定力は強くなることはいうまでもありませんし、1本だけの歯根よりも2〜3本の歯根の方が固定力は強いです。
そのほか、隣に生えている歯との当たり方や、噛み合わせている歯との噛み合わせの状態も単純固定の固定力の強弱に関係しています。
単純固定には、ふつうは移動させようとする歯よりも大きな歯、歯根のしっかりしている歯を利用します。
・不動固定
単純固定では、固定となる歯が傾斜してしまいます。
歯が傾斜するということは、固定となった歯の並びが悪くなることを意味しています。
そこで、歯を傾斜させないように移動させる、つまり歯体移動となるようにしたときの固定方法を不動固定と言います。
歯の傾斜移動と歯体移動を比較すると、歯体移動の方が強い力を必要とします。
すなわち、単純固定と不動固定では、不動固定の方がはるかに強い固定力を得られる固定であることがわかります。
不動などと大それた名前がついていますが、決して名前負けしてはいないんですね。
ただし、不動固定であっても、全く固定歯が動かないというわけではありません。
少しは移動しますから、矯正歯科医はそれを含めて治療計画を立てています。
・相反固定
相反固定は、ちょっとややこしい固定です。
歯1本、もしくは歯何本分かの抵抗力が、これに対応するやはり歯1本、もしくは歯何本分かの移動に使われる場合の固定です。
相反固定は、移動させようとする歯と固定しようとする歯の双方に等しく反対に向く力が加わり、同じように移動するとき、それぞれが移動と固定の役割を担っています。
どうです、ちょっと言葉にするとややこしいでしょう。
簡単にいうと、移動させようとする歯同士が、引っ張り合ったり押し合ったりすることで、相手側に生まれる固定という感じです。
ですから、固定側が移動側ともなり、移動側が固定側ともなりうる固定といったところでしょうか。
一般的に、矯正治療では、どのような矯正装置を使っても、移動する歯だけでなく、固定しようとする歯にも同じように反対方向の力が作用し、移動します。
この点から考えてみると、矯正治療における固定のほとんどが、相反固定ということになります。
ですが、相反固定というとそれぞれが同じように移動しようとする場合の固定のみを指します。
・加強固定
加強固定は、かきょうこていと読みます。
強さを加えると書くように、固定力を強くすることをいいます。
どうして固定力を強くしようとするのか。
それは、固定となっている歯ができるだけ移動しないようにするためです。
固定となる歯が動くと、歯の移動がややこしくなってしまいます。
ルービックキューブを解くとき、クルクルと回してしまうと、どれが動いているのか訳がわからなくなりますよね。
ルービックキューブを解くためのポイントは、視点を1箇所に固定することです。
矯正治療も同じで、固定となっている歯が動かない方が、矯正治療は進めやすいわけです。
そこで、加強固定では、固定となる歯を増やしたり、頭部や頚部などの顎外固定を使ったりすることで、より強い安定した固定を得ようとします。
また、リップバンパーなどを使って、お口を取り巻くさまざまな筋肉の筋力を加強固定に利用することもあります。
・準備固定
準備固定とは、マルチブラケット法のひとつであるエッジワイズ法で、ツイードさんが考え出した固定をより強くするための固定方法です。
上顎の前歯を後ろ方向に移動させるときに、固定となる下顎の奥歯が前方方向へ傾斜移動するのを防ぐ目的で行われます。
そこで、準備固定では、あらかじめ下顎の奥歯を後方に傾斜させておいて、固定力を高めておきます。
基本的には、マルチブラケット法のエッジワイズ法に用いられる固定法ですが、そのほかの矯正治療の固定にも用いる場合もあります。
○抵抗源の部位による分類法
固定の際の抵抗源から分類する方法もあります。
・顎内固定
顎内固定は、がくないこていと読みます。
顎内固定とは、骨折のときの固定法のひとつですが、矯正治療での顎内固定は少し方法が異なります。
移動させる歯と固定となる歯が、上顎もしくは下顎のそれぞれの顎内にある場合の固定です。
マルチブラケット法の場合の固定が、これに当たります。
このほかに、舌側弧線装置という歯の内側にワイヤーを通すタイプの矯正装置や、拡大床などの床タイプの矯正装置も当てはまります。
・顎間固定
移動させようとする歯や顎の骨に対して、固定源が反対の顎にある固定です。
下顎の歯を移動させようとする場合に、上顎に固定源を求めようというような移動と固定が上下の顎に分かれている固定のことです。
顎間固定の固定力は、エラスティック、つまりゴムによって得られます。
具体的には、引き伸ばされたゴムリングが縮もうとする力です。
例えば、上顎前突、いわゆる出っ歯ですね、この場合に上顎の前方から下顎の後方にかけて斜めにかけるゴムや、反対に下顎前突、つまり受け口の場合に上顎の後方から下顎の前方にかけて斜めにかけるゴムなどがあります。
ちなみに、顎間固定は、先の分類にしたがうと相反固定に分類されます。
・顎外固定
顎外固定とは、その名前の通り、歯や顎の骨を移動させようとするときの抵抗源が、お口の外に設けられている固定法です。
固定力の高さが顎外固定の利点ですが、見た目が良くないのが難点です。
顎外固定に使う矯正装置は、ヘッドギアやオトガイ帽装置、上顎前方牽引装置などが代表的です。
顎外固定は固定力がたいへん高いので、顎の骨に力を加えようとする整形力や、奥歯を後ろに移動させる歯の移動の場合に、よく使われます。
また、加強固定として顎外固定を用いることもあります。

○固定力の強さからの分類
固定力がどれくらい強いかによる分類もあります。
乱杭歯の治療や、上顎前突症の治療、下顎前突症の治療では、歯を理想的な位置に収めようとしても、スペースが足りないことがあります。
そんなときは、小臼歯という前から4番目や5番目の歯を抜いて歯を並べるスペースを確保しようとします。
このとき、抜いて得られたスペースに向かって、前から3番目の犬歯を後ろに下げたり、前歯全体を内側に下げたりするような歯の移動を試みます。
しかし、実際には隙間が少し残ってしまうことが多く、そのようなときには、前歯を動かすための固定源となっている奥歯を前に寄せてきて隙間を埋めます。
それ以外の場合、例えば、上顎の奥歯が下顎の奥歯よりも前にずれている奥歯の歯並びの異常や下顎前突症を治す場合に、上顎や下顎の奥歯を前方に移動させようとすることがあります。
これら、奥歯の移動に際して、どれくらい移動させるのか、それによって固定の強さを変更します。
したがって、固定力の強さもとても大切な要素です。
固定力の強さは、『最大』『中等度』『最小』の3つに分類されています。
・最大の固定
最大の固定とは、奥歯を前方に移動させる移動距離を、小臼歯を抜いて得られた隙間の1/4以下にしたいときの固定力です。
・中等度の固定
中等度の固定とは、奥歯の前方への移動量が、小臼歯を抜いて得られた隙間の1/4から1/2程度の幅にしたいときの固定力です。
・最小の固定
最小の固定とは、奥歯の前方への移動量が、小臼歯を抜いて得られた隙間の1/2以上の場合の固定力です。
ここからわかることは、奥歯をより前方へと動かしたいときは、固定力を弱くして、反対にあまり動かしたいくないときは、固定力を強めるということです。

歯のでこぼこ
2021年8月2日
■歯のでこぼこや八重歯、悩んでいませんか?
こんにちは!世田谷区の三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科です。
日本人は欧米人に比べ、顎が小さいので歯並びが悪くなる傾向があります。
こうしたことから「歯のでこぼこ」は日本人にとってポピュラーな不正咬合と言えるでしょう
。八重歯は「可愛らしい」という印象を持っている人が多く、八重歯をチャームポイントしているアイドルやタレントさんも多いですよね。
実際八重歯に憧れて「付け八重歯」を付けている人もいるようです。
ただこういった感覚は世界的に見るとかなり少数派のようです。
アメリカでは「吸血鬼」、中国では「虎の歯」のイメージがあり海外ではあまり良いイメージがないみたいです。
■専門用語は?
歯のでこぼこは歯科の専門用語だと「叢生(そうせい)」または「乱杭歯(らんぐいば)」と言い、八重歯も叢生に分類されどちらも歯が重なり合ってデコボコした状態のことを指します。
■見た目以外のデメリットってありますか?
①叢生だと歯と歯が重なり合っている部分の歯磨きがうまくできないために磨き残しの原因になります。
そうなると虫歯になりやすく、さらには歯周病にもなりやすくなってしまいます。
②咀嚼が正常にできなくなってしまう。
噛み合わせに問題が出ると、咀嚼に影響が出てしまい結果的に内臓に負担をかけてしまうことになります。
長期的に内臓に負担がかかると病気を引き起こしてしまう原因にもなりかねません。
③歯科での治療が行いにくく、小さい虫歯も見落としかねないです。
歯と歯が重なり合っている部分は肉眼ではどうしても見えにくく、小さい虫歯だとレントゲンにも写らないため虫歯を見落としがちになってしまいます。
また歯が重なり合った部位の治療は器具が入りずらかったり、それが理由で大きく削ることになってしまった、なんてこともあり得ます。

■原因について
原因は遺伝的な理由以外に「歯の大きさ」と「顎の小ささ」に大きく関わってきます。
小さい顎の範囲に、大きな歯が生えてくればでこぼこした歯並びになってしまう、ということです。
特に生えたての永久歯は当然ですが乳歯より大きいため、でこぼことした歯並びになりがちです。通常であれば成長と共に顎も発達し、歯並びが整っていきます。
■気になる段階で歯医者さんに相談!歯科矯正で治しましょう!
歯並びの悪い子供を幼少期のうちに矯正治療してあげるのは親の責でもあります。
それだけ人生におけるデメリットがあるということを理解し、少しでもお子様の歯並びが気になる場合は、早いうちに相談だけでもいらしてください。
矯正を初めた方がいいタイミングや、矯正しなくても成長と共に改善されるなど、アドバイスさせていただきます。

嚙み合わせが浅い
2021年7月29日
こんにちは
切端咬合という噛み合わせを聞いたことありますか?
切端とは、前歯の先端部分のことです。
上顎の前歯と下顎の前歯の切端同士が触れ合う噛み合わせを切端咬合と呼びます。
前歯の先端同士が触れている噛み合わせと聞いても、普通の噛み合わせじゃないと思う方もおられるかもしれません。
しかし、この切端咬合も立派な歯並びの異常です。
噛み合わせが浅すぎるからです。
今回は、切端咬合についてお話しします。
■理想的な前歯の噛み合わせ
切端咬合についてお話しする前に、理想的な前歯の噛み合わせとはどんな噛み合わせなのでしょうか。
それは、上顎の前歯が下顎の前歯を2〜3mmくらい覆っている噛み合わせです。
そう、先端同士ではなく、上顎の前歯が少し下顎の前歯を覆うのが理想的なので、見た目の点で切端咬合は良くないというわけです。
■見た目だけじゃない切端咬合の問題
切端咬合は見た目が悪いだけではありません。
前歯は、食べ物を切ったり、噛みちぎったり役割を担っています。
ハサミを見てみるとわかりますが、ハサミは2枚の刃が先端同士で当たってはいませんよね。重なり合うようになっていますね。
前歯も同じで、先端同士で当たるよりも、重なり合う方がより噛み切りやすい、つまり切端咬合の噛み合わせですと、効率よく食べ物を噛み切れないわけです。
それだけではありません。歯に限らず、先端の薄いところは欠けやすいものです。
包丁もお手入れをきちんとしていないと、欠けてきますよね。
前歯も同じで、切端部分は欠けやすい部分です。
切端咬合の場合、弱い上顎と下顎の先端が常に接触しているため、欠けたりヒビが入ったりしやすくなります。
切端咬合は見た目だけでなく、歯を傷めてしまうリスクもあるのです。

■切端咬合の治し方
切端咬合も、矯正治療で治せます。
○マルチブラケット法
一般的によく用いられるのが、マルチブラケット法という歯の表面に装着したブラケットという金具と歯全体に通した弾性ワイヤーで歯を移動させる矯正治療法です。
弾性ワイヤーの働きで、歯に余計な負荷をかけることなく安全に歯を移動させられます。
ブラケットとワイヤーが目立ってしまう点や矯正装置があるために食事や会話、歯磨きがしにくいというデメリットがありますが、矯正治療法としては100年近くの歴史があり、ほぼ全ての問題点が洗い出されたと考えられている優れた治療法です。
○マウスピース法
最近、普及しつつあるのが、マウスピースを使った矯正治療です。
この方法は、透明でかなり薄いマウスピースを定期的に交換しながら歯を移動させていきます。
マウスピースはよほどしっかり見ないとつけていることがわからないほど目立ちませんし、取り外しができるので、食事や歯磨きに困りません。
その一方で、1日20時間以上つけなければ効果が得られない、新しいものに交換するのを忘れると歯が移動しないなどのデメリットもあります。

かみ合わせが良くないと歯の残せる確率が低い?
2021年7月26日
こんにちは!
口元のコンプレックスありますか?
歯並びで悩んでいる人も多いと思います。
出っ歯や、受け口、すきっ歯、でこぼこなど、いろんな歯並びがあり、歯並びやかみ合わせの状況は一人一人全員違います。
悪いかみ合わせを構成している歯並びを分類しますと、3種に分類できます。
1つ目:歯のサイズと土台となる骨のサイズに不調和が発生した状態
2つ目:上顎と下顎に前後的な不調和が発生した状態
3つ目:上顎と下顎に垂直的な不調和が発生した状態
歯は、上顎と下顎それぞれ、「歯槽骨」に植わっている状態にあります。
歯槽骨と歯のサイズの調和がとれていると、きれいに並び、見た目も美しくなるでしょう。
ですが、歯槽骨に対して歯が大きい、歯の大きさに対して歯槽骨が小さい、という際には、うまく並ばず凹凸状態になってしまいます。不調和が軽いと、歯の生えかわりの際や顎が成長する時期に矯正治療を行えば、歯列を少し広げながら歯を抜かずに美しく並べられるケースも。
それに対して不調和が大きいにもかかわらず、歯列を広げて無理矢理歯を並べると、矯正治療を行っても口が閉じづらくなって、後戻りしやすくなるでしょう。
歯の位置を含めたあごの骨の異常は、機能的には咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)、発音、呼吸などの異常を生じさせるとともに、審美的にも、さまざまな障害を引き起こす可能性があります。

つまり、悪い歯並びの要因は、3つが複雑に絡まり合った状態となるので、お口の状態は人ぞれぞれで大きく違う状態となっております。
そのため、矯正治療は、一人一人の特徴を把握して、その結果に対して的確な治療計画を検討後に立案し、治療を行うオーダーメイド治療となります。
かみ合わせは、人それぞれ違います。
一度、かみ合わせ、歯並びで心配なことがあればご相談ください。

マウスピースのお手入れ
2021年7月21日
矯正のために使用するマウスピースが変色したり、匂いがキツくなっているなんてことはありませんか?
こんにちは
今日はインビザラインなどのマウスピース型矯正装置についてのケアの仕方について詳しく説明していきます!
基本的にワイヤーを使用している矯正方法は取り外しせずに歯に装着した状態でケアをするしかありませんが、インビザラインのようなマウスピースタイプの装置は取り外しするというのが前提のため、装置のメンテナンスがかなり重要です。
マウスピース装置の場合、口から取り外ししている間は、歯には何も装着されていないので、歯磨きを行ったり、フロスなどで口腔のケアができます。意外と装置のケア方法を知らない方がいらっしゃいます。
■日々のマウスピースのお手入れ
インビザラインは、マウスピースを装着することにより、歯を移動させられる治療方法です。ですから、多くの時間マウスピースをつけて過ごすことになります。そのため、できるだけ綺麗なものを使いたいところです。
この記事では、インビザラインのケア方法や管理の方法についてご紹介していきます。
インビザラインのマウスピースは、1日20時間以上つけなければなりません。
それを下回ると効果が得られません。約2~3週間のペースで通院し、マウスピースは同一のものをおよそ2週間装着します。
インビザラインを装着して飲食せずとも、長時間つけているとマウスピースにはたくさんの細菌が付着します。
友達との飲食など、外すことがあった場合、不衛生な状態のものは見せられませんよね。
なるべくならば、清潔な状態で使用し続けられるように、日常的なケアがかなり重要です。

■洗浄方法
インビザラインを取り外した際は、その都度綺麗に洗ってください。
唾液が付着した状態で放置しておくと、石灰化しマウスピースが変色したり悪臭が発生しかねません。
清掃方法は基本的にブラシで磨いていただく必要があり、中性洗剤を使用することをお勧めします。お湯はマウスピースの変形の原因になりますから、使用はNGです。汚れが気になって、こすり洗いだけでは物足りないなら、柔らかいブラシを使用しましょう。マウスピースの表面を傷つけるリスクがあるので、歯磨き粉は使用しないでください。
その理由として、歯磨き粉には研磨剤が入っており、その研磨剤によって装置に傷がつき、傷が付いたことでさらに汚れが付きやすくなります。
マウスピースは多くの時間はめておくため、長時間外していることはそれほどないでしょうが、洗浄後は乾かしてからケースにしまってください。
濡れたままでケースに入れてしまっておくと、雑菌が増えてしまいます。

矯正用インプラントミニアンカースクリューの効果、メリット、費用、痛い?
2020年11月19日
まとめ
*矯正用インプラントミニアンカースクリューは、薬事承認された矯正装置
*矯正用インプラントミニアンカースクリューを使用するメリットは、歯を三次元的、効果的に動かすことができる。

こんにちは、三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科(東京都世田谷区)院長 内澤です。
矯正用インプラントミニアンカースクリューとは
矯正用インプラントミニアンカースクリューは、矯正治療において歯を動かす際の補助装置として2012年に厚生労働省にて薬事承認された矯正装置です。
形としては、いろいろなバリエーションがあるのですが、大体、直径1から2ミリ、長さが6から10ミリ程度の小さなネジになります。
この矯正用インプラントミニアンカースクリューを使用することで、従来の矯正治療では難しかった歯の動きが簡易になり、治療期間の短縮や、使用する装置が簡略されることで装置の違和感も軽減されました。
また、矯正用インプラントミニアンカースクリューは、直接骨に固定して使用する装置のため、患者様自身では取り外しができない装置です。また、直接骨に固定するため、問題なく植立している状態だと、触っても、引っ張っても動いたりしません。 もちろん、矯正治療が終了すると取り外します。
矯正用インプラントミニアンカースクリューの違和感や痛みは?
矯正用インプラントミニアンカースクリューの植立後は痛みや違和感は生じます(痛みに関しては個人差があるため、違和感程度の方もいます)。約1週間程度で装置に慣れてきます。また痛みに関しても1週間もあれば改善します。
さらには、痛みに関しては個人差があるため、必要に応じて、矯正用インプラントミニアンカースクリューの植立後に、抗生物質や鎮痛剤をお渡しすることもあります。
矯正用インプラントミニアンカースクリューメリットは?
基本的に、歯は作用と反作用で動きます。例えば、スペースの閉鎖を行うと、前歯と奥歯が引っ張りあい、前歯と奥歯の両方が動きます。ここで矯正用アンカースクリューを植立して、矯正用インプラントミニアンカースクリューと奥歯を接続すると、前歯だけを引っ張ることができます。
このため、使用するメリットとしては、矯正治療にて前歯を大きく下げることができるようになりました。
また、従来使用していた装置に比べ、装置を小さくすることができ、装着した違和感が軽減されます。
矯正用インプラントミニアンカースクリューのデメリットは?
直接骨に固定して使用する装置のため、骨の暑さや、密度によっては、装置をセット後にアンカースクリューが脱落する可能性があります。
脱落した場合には、再度植立する場合もありますし、他の方法で治療を行う場合もあります。これに関しては、担当歯科医師と患者様とで、どうするかを改めて一緒に検討することが必要となってきます。
当院ではアンカースクリューを使用した治療を多くの行なってきました。
一度、ご相談ください。
