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歯の矯正治療期間に寄せる当院の想い

2022年2月25日

こんにちは、世田谷区の三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科です。
当院では患者様の歯並びや咬み合わせをはじめとする、お口まわりのさまざまなお悩みを解決するために、無料で個別相談を受け付けています。加えて当院では、他の多くの医院様が3万円程度で行うことの多い検査、診断までも無料で行っております。実際に、検査や診断までを行っても矯正治療を行わない患者さまもいらっしゃいますので、どうぞご安心ください。

診断まで行うのはなぜか。それは、ひとえに矯正治療にかかる期間が長く、そのことが患者さまの負担になっているということに対する想いがあるからです。今日は矯正治療の期間について、当院が矯正治療に対して抱いている想いを含めお話しします。

 

患者様の心に寄り添い、情熱をもって理想を共有

患者様の心に寄り添い、情熱をもって理想を共有

 

目次

■歯の矯正にかかる期間はどのくらいか
■当院での3つの取り組み
■情熱を持って矯正治療に向き合います

■歯の矯正にかかる期間は2種類あります


基本的に治療期間は、お口の状況と、理想とする歯並びとのギャップがどれだけあるかによって変わってきます。
歯列矯正に必要な期間は、歯を動かす距離と現在の歯の状態で変わります。歯は歯槽骨の中に、歯根膜繊維によってハンモックのように吊り下げられています。骨の代謝を利用して、歯を立体的に少しずつ動かしていくことで、歯並びや歯の向きを機能的にかつ美しく整えることができます。
なお、虫歯が見つかった際は、原則として矯正治療の前に虫歯を先に治療しますので、さらに時間が必要になります。
歯を抜く場合はどうでしょう。歯を動かせるすき間が生じるために動かしやすくなるだろうとお考えのかたがいらっしゃるかもしれません。たしかにすき間はできるのですが、もともとあった歯がなくなってしまった結果、歯を動かす距離が増えますので、当院ではできるだけ矯正にあたっての歯を抜くことは避けるようにしています。
詳しくはリンクをご覧ください。

さて、移動させたら矯正完了、治療終了、というわけにもいかないのが矯正治療期間のわかりにくいところです。矯正によって一旦移動させた歯は、定着するまでは前の姿に戻ろうとするホメオスタシスと呼ばれる力が働きます。ホメオスタシスは生命活動の基本であり、これが働くことは必要で重要なことです。ですが、せっかく矯正治療を施した歯並びを後戻りさせるわけにはいかない。そのため、矯正治療の終了後、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着する期間が生じます。
矯正治療をしたのに歯並びが崩れてしまったというケースの多くは、保定が不十分だったことから生じています。保定は一般的に矯正と同じ期間必要といわれますが、患者さまの歯並びや口周囲の筋肉・舌癖などの影響によって後戻りのしやすさは異なりますので、定期的に通院して主治医の判断を受ける必要があります。

まとめますと、歯科矯正にかかる期間には、矯正装置を使って治療する「歯を動かす期間」と、治療後に動かした歯を保定する「保定期間」の2つがあります。
また、歯は限られたスペースを使いごくわずかな力を使って動かしていきますので、目指す歯並びという理想と現実のギャップが大きいとそれだけ治療期間は長くなります。

 

■当院での3つの取り組み


保定期間も含めると長い期間の通院が必要となる矯正治療ですが、患者さまの負担を少しでも軽くするため、当院では3つの取り組みを行なっています。

○ライトフォース理論に基づいた矯正

当院では、骨の新陳代謝を促進する「ライトフォース理論」を取り入れています。これは、骨代謝に関係する毛細血管をつぶさないよう、血管の弾力より弱い力をかけて歯を動かすことで、代謝活動を妨げない、結果として歯の移動が従来の方法よりスムーズに行われるというものです。ライトフォース理論は加える力が従来より1/2~1/5程度に弱めているので、痛みも軽減されるというメリットがあります。

 

○マウスピース型矯正

針金を使う矯正に比べ、見た目が自然で気になりにくいことで選ばれやすいマウスピース型の矯正装置ですが、当院が採用しているインビザラインは、他のマウスピース型矯正歯科装置と比べ「来院回数を6〜8週間に1回程度まで短縮できる」特徴もあります。
インビザラインでは、歯の移動予測イメージをコンピュータで正確にシミュレーションしており、治療に必要なマウスピースをまとめて数十個単位で作成します。従来のマウスピース型矯正装置ですと、通院の度に型をとって作成する時間がかかってしまいましたし、歯型を取る作業も患者さまに負担になってしまっていました。当院はインビザラインでの治療実績がトップクラスのダイヤモンドプロバイダーで、他の歯科医院様で矯正がうまくいかなかったケースも治療できた実績を持っています。

 

○相談・検査・診断の3ステップの無料化

一般的に、矯正治療を始める前には相談・検査・診断の3つのステップがあります。それぞれのステップでどのようなことを行うかをご説明します。

◇相談

歯並び・咬み合わせやお口の中で気になっていらっしゃることについてカウンセリングを行い、矯正治療の概要についての説明させていただく機会です。多くの歯科医院様が矯正に関する無料相談・カウンセリングを受け付けています。

 

◇検査

精密検査を行い、歯や歯槽骨の状態、歯並びを構成する顎や口元、顎関節など顔全体の状態を詳しく把握します。当院では積極的にデジタル機器を導入し、精密かつ正確に患者さまの歯並びの状態を捉えています。

 

◇診断

精密検査の結果を分析し、どういった治療方針が立てられるかをご説明します。当院では、あくまでも客観的に診断し、事実をお伝えすべく、検査と診断までを無料で行なっております。時間も手間もかかる検査・診断プロセスは有料とする歯科医院が多い中、なぜ診断まで無料にしているかというと、患者さまにできるだけ必要な情報を多く届け、たくさん悩んでいただき、ご自身が「この医院、この先生に診てもらいたい!」と感じた上で治療を始めていただくことこそが治療の成功につながると確信しているからです。

 

当院の無料検査・診断についてはホームページでもご案内しております。

 

■情熱を持って矯正治療に向き合います


本日は、歯の矯正治療の期間についてお話しいたしました。矯正期間、保定期間、矯正を速やかに進めるため、ご自身の矯正計画を理解し、納得して臨んでいただくための当院でのさまざまな工夫についてこれまでにも何度かお伝えしてきました。矯正治療を望まれる方は、みなさんそれぞれの「理想」を抱いて歯科医院へ来られます。決して簡単ではない矯正治療に臨まれる際、その患者さまの現実と理想のはざまにいるお悩みは、歯並びと咬み合わせの専門家のひとりとして、いつも胸を打たれます。

矯正治療は「経験」「知識」「技術」「センス」があれば対応できますが、私はいつも「患者様の心に寄り添い、情熱をもって理想を共有できるか」を加えています。情熱というと少々古くさいかもしれませんが、患者さまの理想に向かって、スタッフ一同がともに治療期間を伴走し続けることこそが、決して簡単なことではない歯列矯正の成功と患者さまの満足という成果につながるのだと信じています。

矯正治療を始めるのは遅いということはありません。いま一度ご自身の歯を見つめ直す、矯正治療という選択肢と向き合ってみてはいかがでしょうか。ぜひ一度当院へご相談ください。

 

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マルチブラケットとは

2021年12月17日

矯正治療は時代と共に進化し、さまざまな方法での治療が可能になりました。

膨大な数の情報が存在しているので、治療を検討している皆さんは、どれが自分にとって最適なのか迷われている方も多いのではないでしょうか?

目次

■マルチブラケットとは?
■マルチブラケットの仕組みは?
■様々な治療方法の種類
■マルチブラケット法のメリットは?
■マルチブラケット法のデメリットは?
■まとめ

■マルチブラケットとは?


今回のテーマである「マルチブラケット」とは、歯の表面にブラケットという矯正装置を取り付けて、連続的にアーチ状のワイヤーを組み込んで3次元的に歯並びを調整していく矯正方法のことを指します。

歯につけた四角いものが「ブラケット」であり、その中に通されている針金のことを「アーチワイヤー」と呼びます。

一般的な矯正治療として、この方法を連想される方が多いと思います。実際、あらゆる症例に対応可能な最もスタンダードな治療方法です。

子どもの矯正でも、前歯を整える際などに実施され、様々な際に重要な役割を果たしています。

 

ワイヤー矯正は歴史も長く、多くの歯科医師が治療できることも特徴です。

舌側矯正は、歯の舌側に装置をつけますので、誰かほかの人からも装置が見えづらくなります。見た目を気にされる場合には、かなり大きなメリットです。

そして、システム上、前歯が安定して引っ込みやすくなるため、出っ歯の方にはとくにおすすめの治療法です。

歯の裏側に装置を施すことは、表面に装置を設置するよりもさらに高い技術が求められるため、治療を行なえる歯科医師が少ない傾向にあります。

 

ブラケットは通常金属性ですが、審美面の要求からプラスチック性やセラミック性の審美ブラケットが開発されてきました。

この方法のデメリットとして挙げられた「装置が目立つ」という点についても、目立たない装置で矯正治療ができるという選択肢も生まれているのです。

ただし、性能では金属製の方が優れている面もありますので、症例に合わせた使い分けが重要です。

 

一方でコロナ禍によるマスク生活が定着していることで、ワイヤーを装着するという見た目の部分において、以前ほど気にするケースが少なくなったという理由でこの方法を選ぶ方も少なくありません。

ご自身の症例やお考えに基づき、ご判断いただければと思います。

 

■マルチブラケットの仕組みは?


具体的なマルチブラケット装置の手順を見ていきましょう。

まず最初に歯の表面のクリーニングを行い、歯面をきれいにします。

歯に汚れがあると、装置がつきにくくなってしまうため、研磨材を使いブラシで汚れを除去します。

装着中は、お口にプラスチック製の器具をかけ、歯面が唾液で濡れないように配慮して進めます。

次に、歯面にエッチング剤を塗り、洗浄します。これにより歯と装置の接着力を高める効果があります。

そして、乾燥している歯にブラケットをつけていきます。ブラケットがついたらワイヤーを装着して歯1本ずつ結んでいくことになります。

細い針金で力を調整し、適切な力を各歯に加えることができます。

「矯正治療はどうやって歯を移動させているの?」と不思議に思っている方も多いと思います。

弱い力を継続的にかけるだけでも歯は移動します。歯を支えている骨は、知らない間に少しずつ骨代謝をくり返しています。

取り外せるマウスピース矯正での治療もありますが、高い効果を望む場合には取り外しのできないマルチブラケットがおすすめです。

きちんと固定することによって、安全性も効果も高くなります。

顔の大きさや形が人それぞれ違うように、歯のサイズや形、歯列のも様々なのです。

それぞれの大きさや特徴を把握し、一人一人の歯並びの症例に合わせたオーダーメイドタイプの矯正方法がマルチブラケット法です。

 

治療期間は、個人差があります。年齢、不正咬合の状態によって決まってきます。

初めて装着した日から数日は、徐々に痛みが強くなってくるような感じがしますが、1週間くらい経つとほとんど痛みは感じなくなってきます。

痛みを感じないという方もいますが、基本的に痛みは伴うものを思っていた方が良いでしょう。

食事の際には、硬いものをかじるときなどは注意しましょう。装置が外れてしまったり、壊れている期間が長い場合は、治療も長引いてしまうでしょう。

粘着性のある食べ物はくっつきやすいので、食後のブラッシングを十分に行って下さい。ブラケットやワイヤーが外れたりすると粘膜を傷付けますのですぐに来院してください。

 

弱い力を継続的にかけるだけでも歯は移動する

弱い力を継続的にかけるだけでも歯は移動する

 

■様々な治療方法の種類


○材料の素材の違いで分けると

◇メタルブラケット

1番オーソドックスなブラケットです。

ブラケットの変形がない点や価格が安いのがメリットなのですが、装着している間は目立つのがデメリットです。

 

◇クリアブラケット

見た目を気にされる患者様が選ばれることが多くて、セラミックや樹脂製の歯の白さに近いというメリットがあり、メタルブラケットより価格が高くなる分、見た目を気にせずに矯正可能です。

 

◇セラミックブラケット

メタルブラケットよりも審美的に優秀です。

今、最も利用されているブラケットになります。そして白いワイヤーを使うとより審美性もアップします。

 

○装着部位、装置の構造の違いで分けると

◇舌側ブラケット

歯面の裏側に装着するので、他人から装着していることがわからないメリットが嬉しいポイントです。

職業的にブラケットの露出が難しい方には便利な装置なのですが、表面に装着する方法と比較して治療期間が半年~1年以上長くなる可能性もあります。

 

◇セルフライゲーションブラケット

弱い矯正力でも歯が簡単に動くように工夫されています。

歯の根が短い、歯を支える骨が少ないといった、治療をすすめるなかでリスクを抱える症例や、治療が長くなると予測される難症例に効果的です。

 

○ワイヤー矯正で使用する補助的矯正装置(一部)

◇パラタルアーチ

奥歯が手前に倒れてこないよう、固定源を高めるために使う装置です。マルチブラケット装置とともに使う形でよく活用されます。

 

■マルチブラケット法のメリットは?


  • かなり多くの不正咬合に対応できる
  • 基本的な装置のため、リーズナブル
  • 対応できる矯正医師が多い
  • 装置が壊れにくい
  • 歯を精密に移動させることが出来るのでより完璧に近い仕上がりになる
  • 歯の表側に装置があるため、患者様自身が鏡を見て歯磨き可能

 

■マルチブラケット法のデメリットは?


  • 一度装着してしまうと治療が完了するまで外せない
  • 表側矯正かつ、金属ブラケットの際は目立ちやすい
  • 歯科医師のスキルによって、治療結果に大きな差が発生
  • ワイヤーやブラケットの隙間に汚れが溜まることも多く、虫歯などのリスクがある
  • 裏側矯正に対応可能な矯正医師が少ない
  • 裏側矯正の場合、慣れるまで発音しにくく、装置が舌に触れるため違和感が強い
  • 口内炎が出来る場合がある

 

■まとめ


「矯正歯科治療を受けたいけど、どの歯科医院にすれば良いか分からない」という方は、日本矯正歯科学会の認定医を取得した矯正専門医が治療を行なっている歯科医院を選択することをおすすめします。

 

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マウスピース矯正とは?ワイヤー矯正との違いやメリット・デメリット

2021年12月10日

皆さんの中には、「歯の矯正」といえば、金属製のワイヤーを長期間にわたり装着する、従来からの矯正装置を想像する方が多いかと思います。「歯並びは気になるけれど、矯正治療中の矯正器具などの見た目に抵抗を感じる」という方は多いのではないでしょうか。

近年、矯正歯科治療の世界では、さまざまなイノベーションが起きています。その中でも、「アライナー」などの可撤式マウスピース型矯正装置による治療を行うケースは多くなっています。マウスピース型矯正装置は、透明に近いため目立ちにくく、取り外しが可能な矯正装置です。

今回は、マウスピース矯正とワイヤー矯正との違いやメリット・デメリットについて解説します。

目次

■マウスピース矯正
■マルチブラケット法
■マウスピース矯正のメリット・デメリット
■まとめ

■マウスピース矯正


マウスピース矯正とは、プラスチック製の透明に近いマウスピース型の矯正装置(アライナー)を歯に装着して、歯並びをきれいにする治療方法です。

アライナーは、患者さんの口腔内を3Dスキャニングデータを用いて作製します。

この一人一人の口腔内にあわせて作製したアライナーを装着し、治療の段階にあわせて新しいアライナーに交換しながら徐々に歯を動かして、歯並びを矯正します。

 

■マルチブラケット法


ワイヤー矯正ともいい、「歯の矯正」といえば、この治療法をイメージする人も多いでしょう。

マルチブラケット法とは、歯の表面に一つずつブラケットという器具を貼り付け、その溝にアーチワイヤーを通して、三次元的に歯を動かす治療方法のことです。患者さん自身で取り外すことはできない装置になっています。マルチブラケット法は、治療のできる適応範囲も広く、矯正治療では最もよく行う治療法です。

歯の表面にブラケットを貼り付けるため、金属製のメタルブラケットを使用する場合は装置が目立ってしまいます。そのため審美的な改善を求めて、審美ブラケットや舌側矯正といった審美的矯正装置も広く普及しています。

審美ブラケットとは、ブラケットが透明や白色の目立たない色で、審美性が高い装置のことをいいます。セラミック製やジルコニア製、プラスチック製のものなどがあります。

また、歯の表側ではなく裏側に装着するブラケットをリンガルブラケットといいます。表側からは見えないので、周囲の人に矯正していることがわかりにくいことが大きな特徴です。この矯正装置を使った矯正を「舌側矯正」といいます。

 

マルチブラケット法は広い適応範囲でよく行う矯正治療法

マルチブラケット法は広い適応範囲でよく行う矯正治療法

 

■マウスピース矯正のメリット・デメリット


どの矯正治療法にもいえることですが、マウスピース矯正にもメリットと共にデメリットが存在します。それぞれの治療法の特徴をきちんと理解したうえで、経験豊富な矯正専門医に相談し、しっかりと検査・診察を行い、患者さんの希望に沿った治療法を選択していくことが大切です。

 

○メリット

◇治療中でも目立ちにくい

マウスピース型矯正装置の最大のメリットは、「治療中でも目立ちにくい」という点です。マウスピース型矯正装置は、透明に近い装置のため目立ちにくく、矯正中であることを周囲が気づきにくいです。

人と会ったり人前でお話したりする機会の多いお仕事の方でも安心して装着でき、従来のワイヤー矯正に躊躇していた方でも治療を行うことができます。

また、ワイヤー矯正と違い金属を使用しないため、金属アレルギーの心配はありません。

 

◇取り外しが可能

マウスピース型矯正装置は取り外し可能なため、治療中でも装置を取り外して食事や歯磨きができ、口腔内を清潔に保つことができます。食事や歯磨きの際に、患者さんへの負担が少ないことがメリットです。

マルチブラケット装置は固定式の装置のため、食べ物が装置に付着したり挟まったりすることも多く、歯磨きも大変です。ブラケットとワイヤーの隙間を歯ブラシのみで清掃するのは難しく、歯間ブラシなどの口腔ケアグッズも合わせて丁寧に磨く必要があります。そのため、歯磨きに時間がかかり、磨き方にもコツが必要となります。ブラケット周囲に汚れが残ってしまうと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

一方、マウスピース型矯正装置は取り外して歯磨きができるため、フロスなども通常通り使用することができます。

また、マウスピース型矯正装置は、写真撮影など特別な行事がある場合、短い時間であれば装置を取り外すことができます。その間は装置を取り外し、終了後再び装着してください。

 

◇装着感が良い

マウスピース型矯正装置は、薄くて表面が滑らかなので、口腔粘膜を傷つけることや装着時の違和感が少ないです。

マルチブラケット装置は、口唇や頬の裏側に装置が当たり、違和感があります。特に舌側矯正は、装着後から数週間、舌が順応するまで発音障害や違和感が出やすいです。

マウスピース型矯正装置も、装着時は違和感や発音がしにくいことがあります。しかし、装置を外すことも可能ですし、慣れてくれば発音しにくいということもあまりありません。

 

◇治療時間・通院回数を減らせることも

マウスピース型矯正装置の種類や症例によっても異なる場合がありますが、マウスピース型矯正装置はメンテナンスが少なく、通院は6~8週ごとに一度なので、ワイヤー矯正よりも通院回数を減らすことができます。

ワイヤー矯正は3~4週ごとに一度、歯科医師の手作業によるワイヤー調整が必要になります。そのため、一回の治療時間も長くなります。マウスピース型矯正装置は、マルチブラケット装置のように、装置の取り外しや再装着の手間がかからないため、一回の治療時間は短い場合が多いです。

 

○デメリット

◇適応症例が限られる

マウスピース型矯正装置の基本的な適応症は、軽度の叢生や歯間空隙などの比較的難度の低いケースに限るとしてきました。しかし、近年はアタッチメントの併用などで適応範囲が広がっています。

重度の叢生や骨格性の問題を含むなどの難度の高いケースは非適応症例ですが、マウスピース型矯正装置単独の治療では難しい場合でも、他の治療法と組み合わせることで治療が可能になるケースもあります。「自分の歯並びはマウスピース矯正で治療可能なのか?」と気になっている方は、一度歯科医院にご相談ください。

 

◇長時間マウスピースを装着しなければならない

基本的に、マウスピース型矯正装置は、食事中や歯磨き時以外は装着するのが望ましい装置です。使用するマウスピース型矯正装置の種類にもよりますが、一日17~20時間装着できない場合には、歯が目的の位置まで移動しないので、治療期間が延長したり、治療結果が思わしくないということになったりします。
また、マウスピース型矯正装置を数ステップ分まとめて受け取った場合は、装置の交換時期をしっかり守っていただくなど、使用する患者さんの自己管理がとても重要となる治療法です。

 

◇マウスピースを装着したまま飲食できない

飲食するときはマウスピース型矯正装置を外し、再び装着するときは、歯磨きをしてマウスピース型矯正装置を洗ってから装着します。

装着したまま飲食すると、マウスピースに食べかすなどがついて虫歯や歯周病の原因になってしまったり、マウスピース自体が傷んでしまったりする可能性があります。また、熱いものが触れると、マウスピースが変形してしまうリスクがあります。水を飲む場合は問題ないですが、マウスピースを装着したままコーヒーや紅茶などを飲むと着色の原因となるので避けましょう。

このように、飲食を行うごとに歯と装置を綺麗にしなくてはいけないので、間食の習慣がある方などは大変に感じるかもしれません。人によってはライフスタイルの改善が必要になってくるかもしれません。

また、食事や歯磨きの際に装置を取り外すので、紛失しないように注意が必要です。マウスピースは小さくて透明なため、外したときは必ずケースに入れるようにしましょう。

 

■まとめ


マウスピース矯正とは、透明に近いマウスピース型矯正装置を装着して、歯並びをきれいにする治療法です。

透明に近い装置のため目立ちにくく、取り外し可能な装置のため、口腔内を清潔に保つことができるなどの多くのメリットがありますが、症例によっては適応できないものもあるといったデメリットもあります。

歯並びを治すことは、見た目を改善するだけでなく噛み合わせも改善することができ、健康にもプラスになります。「マウスピース矯正に興味がある」「マウスピース矯正が気になっているけど、自分はできるのか」と悩んでいる方は、ぜひ一度歯科医院の矯正専門医にご相談ください。

 

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犬歯誘導

2021年11月19日

顎関節は、回転運動と滑走運動が可能な関節です。
特に重要なのは関節から離れ、歯根が最も丈夫な犬歯です。
犬歯は正面から見て3番目の歯を指します。
上下合わせて4本ありますが一般的に八重歯とお伝えするとわかりやすいと思います。

目次

■犬歯は丈夫な歯
■理論的理想咬合
■アンテリアガイダンスの重要性
■まとめ

■犬歯は丈夫な歯


犬歯は骨に埋まっている歯根の部分が他の歯に比べて長く、横からの力に強いです。
顎を左右に動かした際、下顎の制御に力を発揮します。
犬歯が横から受ける力を負担することで、臼歯部を側方圧から守ってくれます。
過度な筋肉の緊張が起こらないように、一定以上の力が犬歯にかかると脳にこれ以上食いしばるなと信号を犬歯の歯根膜から脳に送ります。
咀嚼の際にあまり使わない犬歯ですが、とても重要な働きをしています。
ここで問題なのが不正咬合で犬歯が咬合していない場合です。
上下の歯を噛み合わせてみてください。
力を抜いて下の顎を左右どちらか一方にゆっくり動かしてみてください。
犬歯に当たって奥歯に隙間ができますでしょうか?この状態を犬歯誘導といいます。
歯はもともと横の動きに強くないです。
そこで丈夫な犬歯を支えに、横の動きは犬歯に噛み合うようになっています。
このように考えると見た目の審美性だけではなく、機能的な正しい噛み合わせの位置にない場合は、見た目も大切ですがむしろ噛み合わせが心配です。
先ほどの噛み合わせた時に奥歯に隙間ができない場合は、どこかに無理な力がかかり、負担がかかっている可能性があります。
歯ががたがたしていることを叢生(そうせい)と言います。
歯軸と顎骨の大きさとの不調和(ディスクレパンシー)がマイナスの関係になったときにあらわれる症状です。
あとから犬歯が生えてくるために上下前歯部に叢生を生じることが多いです。
歯が重なり合っている箇所を正確に歯磨きできず、虫歯などになりやすい傾向があります。
歯を並べるスペースを確保し、マルチブラケットやインビザラインなどで歯を移動させて治療を行います。歯の大切さを誰よりも分かっているため、出来る限り非抜歯で対応しておりますが、全ての症例で非抜歯を行っているわけではありません。犬歯自体は抜歯せず、他の歯を抜くなどして矯正治療をすることが多いです。
その場合は、カウンセリングで患者様1人1人へしっかりとお伝えさせていただきます。
捻転を含む叢生という症状は比較的容易に後戻りします。
そのため矯正治療後は長期にわたる保定が必要です。

 

犬歯はとても重要な働きをする

犬歯はとても重要な働きをする

 

■理論的理想咬合


咬合理論には複数のものが存在しています。

ちなみに、犬歯誘導による臼歯部の離開咬合が1番理想的だとされています。

先ほどもお伝えした、噛んだまま顎を横にずらしてみた時、上と下の犬歯に誘導される形で、奥歯が開いてひっかからないことを指します。

そして、物を噛むときに、まっすぐ噛むだけではありません。

上下のみならず、左右にも顎が動いている点も知っておきたいです。。

どちらかというと雨だれ型のように咀嚼します。

 

本来とはずれてしまった場所で長期間かんでいると、奥歯はどんどん倒されることになるでしょう。奥歯は縦にかかるパワーには耐えられるのですが、意外と横からの力には弱いとされています。

 

ですから、横にずれてしまった場所から真ん中に噛んでいって、最後に真ん中に来た際だけ奥歯で噛むことが可能であれば奥歯への無理な負担を心配する必要はありません。

 

不正咬合であれば、特定の歯に力が入りすぎてしまい、該当する歯が割れる、揺れが起こる、ということで結果的に歯を抜くことにもなりかねません。

斜めに閉じる角度は、犬歯の角度によって異なります。

犬歯の角度のみによって、全奥歯が引っかかってしまうか…決定するのです。

 

八重歯は角度を定める犬歯が上方向に飛び出ていて、まったく当たることがなく、噛むべき角度が決まりません。奥歯が引っかかった角度しか、物理的な角度に関するファクターがありません。

分かりやすく言いますとお、犬歯がとても重要な奥歯をしっかりと守ってくれているのですね。

 

詳細は、生理的な噛み合わせが徹底した状況においては、噛んだ時に犬歯は当たりません。同一角度で犬歯が接してしまうスレスレの部分で咀嚼する軌道が決定しています。これをチューイング・サイクルと呼びます。

ゴルフおす時のスイングみたいに、パターンが記憶されますと、犬歯も奥歯も引っ掛かることなく、無意識のうちにスムーズに噛むことが可能です。ですから、歯はあまり磨り減りすることはありませんし、詳しく説明すると、咀嚼する段階次第で、このサイクルは変化します

不正咬合と噛み合わせが悪い際は、噛む角度の情報が犬歯のみならず、引っかかっている奥歯などから脳に伝達されます。脳から筋肉に情報が伝達されるためどうしても混乱してしまい弊害が発生します。

 

パターンが確立されていないと、相当な負担を歯にかけることになりますから、矯正治療により適切な角度を設定します。

徐々に最適な角度を脳が覚え、チューイング・パターンが確立し、徐々に生理的な噛み合わせが完成形に近づきます。

犬歯による臼歯離開咬合が、理想的な咬合といえるはずです。
あくまでも基準であり、実際は様々な要素により判断いたします。
不正咬合の場合、歯ぎしり、食いしばり、臼歯の歯周病、顎関節症、知覚過敏などさまざまな増悪因子となります。

 

■アンテリアガイダンスの重要性


今は噛めている、見た目も綺麗、と思っていても長期的に口腔内の健康を維持するなら、アンテリアガイダンスが大切です。
下の顎をさきほど左右どちらかに動かした時犬歯がわずかに擦れましたよね?
奥歯に隙間があることが本来必要で、隙間がなく、奥歯と奥歯が接していると臼歯部に負担があらわれ、臼歯や臼歯部の歯周組織が痛む原因となります。
具体的に言うと、下の顎を前に移動させるとき、上顎前歯の裏側と下顎前歯の切端の接触を前歯が誘導します。そして、側方向に移動させるときは犬歯が下の歯に接して誘導し臼歯部の隙間が得られることをアンテリアガイダンスが適切に確保されている状態だといいます。

 

■まとめ


歯並びが綺麗で美しいだけでは歯が正しく機能しているとは言えません。
適切な噛み合わせもとても大切です。
正常な噛み合わせ(咬合)に近づける治療が矯正治療です。
嚙み合わせが改善されなかった場合、噛む力をすべての歯で受け止めていないといけません。つまり一部の歯に過度な力が加わっていきます。
噛み合わせを意識した医院で治療を受けることを強くお勧めします。
矯正治療していきたいけど犬歯は前歯で目立つところで、矯正装置を付けた姿を人に見られたくないというジレンマに悩んでいる方はいませんか?
矯正治療は金属のギラギラした装置をつけるだけではありません。
当院では3つの目立たない矯正装置をご用意しております。
・透明なマウスピース型矯正装置
・見えない歯の裏側につける装置
・歯の表面に目立たない半透明の装置
従来の矯正装置と異なり、目立たない装置が多く開発されています。
接客業など、人前に出る職業の方も矯正治療を受けられています。
ぜひ一度、ご相談くださいね。

 

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部分矯正について

2021年10月15日

こんにちは!

 

世田谷区の三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科です。
矯正というと、歯の全体にワイヤーをつけているというイメージをお持ちの方が多くいら
っしゃると思います。
しかし歯並びについてのお悩みは、大なり小なり、様々ですよね…
中でも気になる歯の部分だけにピンポイントでアプローチする部分矯正をご存知でしょう
か?
「前歯が少し出ているのが気になる」
「他の歯並びは綺麗なのに、ここの一本だけが引っ込んでいるせいで歯並びが良く見えな
い」
「前歯のすきっ歯だけが気になって仕方がない…」
など…
最近で多いのは、「リモートワークになったからあまり人と合わないので今こそ部分矯正を
やってみたい」「コロナ禍のマスク生活が日常化しているので矯正しても良いかな」などと、
今までも矯正に興味はあったものの、人とたくさん会うから今はちょっと…とためらって
いた方も、現在流行している新型コロナウィルスの影響でリモートワークが定着し、人と会
う機会が減っている今こそ矯正への意識も向上しているようです。
特に人から見られる前歯はとても大事で、前歯の歯並びが悪い、もしくは一本だけ引っ込ん
でいる、というのはなんと言ってもお顔の第一印象がかなり変わってきます。
近年では、審美歯科の注目度もかなり上がってきております。
このような理由から、お顔の印象を変えたいと前歯だけでも「早く・安く・目立ちにくく・
きれいに」できる部分矯正にニーズが高まっているのです。
さて、一般的な部分矯正とはどのような治療なのでしょうか。
部分矯正はプチ矯正、小矯正とも呼ばれていて、適応症例が限定されるということもありま
す。つまり、すべての症例では適応できないということですが、適応症例であれば、すべて
の歯を矯正するよりも「低価格」「短期間」で治療が可能になります。

目次

■部分矯正の種類について
■部分矯正のメリットについて
■部分矯正のデメリットについて
■部分矯正で治せる症状について
■当院における矯正について

■部分矯正の種類について


○ワイヤーによる部分矯正(表側・裏側)

ワイヤーによる部分矯正とは、歯にブラケットと呼ばれる矯正のための装置を歯の表面に
取り付けた後に、そこにワイヤーを通し、歯を適切な方向に動かしていく方法です。症例に
よって、もしくは患者様のご希望によっては歯の裏側にワイヤーをつける「裏側部分矯正」
というやり方もあります。
このワイヤーによる方法が矯正で一番ポピュラーなもので、昔からある矯正治療の方法に
なります。
ワイヤーによる矯正治療が終了すると、ワイヤーの代わりにリテーナーという保定装置を
装着します。この装置を付けることで、矯正した歯が元の位置に戻る(後戻り)のを防ぎま
す。

○適応可能なマウスピースによる矯正

適応可能なマウスピースによる矯正というのは、こちらも適応症例が限定されるというこ
ともありますが、透明なマウスピース型の矯正によるものです。こちらはブラケットやワイ
ヤーを使用することなく透明なマウスピースを装着しながら歯を適正な方向に動かしてい
く方法で、成人の方や金属アレルギーのある方、スポーツをしている方、などに適した矯正
の方法です。

 

■部分矯正のメリットについて


  • 低価格で治療が可能
    全体の矯正治療に比べると矯正の範囲が狭いため、低価格で矯正治療を受けることができ
    ます。
  • 矯正装置が目立ちにくい
    歯の全体の矯正で全体的にワイヤーを装着するより矯正の範囲が狭いので「目立ちにくい」
    ということになります。
  • 気になる部分だけにピンポイントで治療できる
  • 短期間で治療期間が終了する
    全体の矯正治療に比べると矯正の範囲が狭いため、治療期間も短くなります。
  • 矯正中の痛みや、噛み合わせが変わることによる違和感が少なくて済む
  • 負担が少ない
    矯正装置が一部分にしか装着していないため、食事の際のストレスなど、患者さんの負担が
    少ないです。

 

部分矯正には様々なメリットがある

部分矯正には様々なメリットがある

 

■部分矯正のデメリットについて


  • 見た目の改善が目的になりますので、歯本来の機能の根本的な改善までは及びません
  • 基本的には簡単な症例のみ適応可能

 

■部分矯正で治せる症状について


○軽度の出っ歯

出っ歯とは、一般的には前歯が前方に向かって出てしまっている状態のことで、口を閉じて
いても前歯が少し見えていたりする場合もあります。出っ歯により咬合の機能に問題が生
じている状態を歯科の専門用語では「上顎前突症」といいます。

○軽度の受け口

受け口とは、下の歯が上の歯よりも出ている状態で、出っ歯の逆の状態となります。受け口
の場合問題となるのは、噛み合わせが悪く食べ物を咀嚼するときに十分に咀嚼できずに飲
み込んでしまうので消化気管に負担をかけ続けてしまい、身体の成長や、脳の働きにも影響
を与えてしまいます。また、顎関節症を発症しやすくなってしまう、言葉の発音がしづらく
なる、全身のバランスが悪くなる、など身体にも悪影響を及ぼすことがあります。
こちらも軽度であれば、部分矯正で改善することが可能です。
歯科の専門用語では、「反対咬合」または「下顎前突症」といいます。

○軽度のでこぼこの歯

隣の歯と重なって生えていたり、歯がずれて生えていたり、八重歯もこちらの一種で、基本
的に歯がでこぼことしている状態です。歯科の専門用語では「乱杭歯」や「叢生」といい、
基本的に歯並びが良くない状態です。

○すきっ歯

すきっ歯とは、外から見て歯と歯の間に隙間ができている状態のことを言います。歯科の専
門用語では「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼ばれていて、この空隙歯列の中でも前歯と
前歯の隙間が大きい状態のことを「正中離開(せいちゅうりかい)」といいます。

○開咬

開咬とは、オープンバイトとも呼ばれ、奥歯はしっかりと噛んでいるのに前歯が噛み合って
いなくて開いている状態をいいます。前歯が噛み合っていないので、前歯で食べ物を噛み切
れなかったり、発音がうまくできない、食べるときに咀嚼音をたててしまう、などの日常生
活に支障をきたす場合があります。
部分矯正は全体的に歯を動かすのではなく、一部のみ動かすことを目的とした治療法です。
矯正治療は歯並びを綺麗にすることが目的ではなく、正常なかみ合わせを作ることが目的
になります。
無理に部分矯正をしてかみ合わせがおかしくなったということがないように、しっかりか
み合わせのことまで考えたうえで部分矯正を選択できるようにお手伝いさせていただきま
す。

 

■当院における矯正について


三軒茶屋デンタルデザイン歯列矯正歯科では「歯からきれいになりたい」という患者様のお
手伝いをしたいと考えております。
口元の印象を決めるのはまずは「歯並び」がとても重要です!
第一印象で好感を一番得られるのは「清潔感」が最も重要だそうです。確かにお顔の印象は、
「笑顔が一番」ですね!!
当院では、「歯に関するお悩み・患者様が矯正治療に求めていること」をしっかりと丁寧に
カウンセリングをさせていただき、一人一人の患者様に合った矯正方法をご提案させてい
ただきます。
当院における矯正治療の特徴は、初診の相談料が「無料」はもちろんのこと、通常、他の矯
正歯科医院では有料(3~5 万円)の検査費用も「検査診断料」として「無料」となっており
ます。
どんな治療でもメリットとデメリットはあります。
部分矯正で対応できない場合は、他の治療案内を行います。
当院では患者様のライフスタイルに合わせた治療を心がけております。
まずは患者様のお悩みをしっかりと聞かせていただき、現状のリスクと治療計画、一人一人
の患者様に合った選択肢をご提案させていただければ、と考えております。

 

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矯正力の種類

2021年10月10日

こんにちは

 

矯正治療では、乱れた歯の位置を整えて、歯並びをきれいに揃えます。

そのために、歯を移動させるわけですが、放っておいても歯が勝手にいい位置に動いてくれるわけではありません。

歯を理想的な位置にまで移動させるために、歯や顎の骨に歯を動かす力を加えます。

この力を『矯正力』といいます。

どんな矯正装置を使って矯正治療を行うとしても、『矯正力』が発揮できないことには歯並びをきれいな状態に整えることはできません。

今回は、矯正治療を成功させるカギと言っても過言ではない『矯正力』についてお話しします。

目次

■矯正力と整形力の違い
■矯正力の種類
■矯正力の強さ
■矯正力の作用時間
■歯の動き方

■矯正力と整形力の違い


矯正治療で歯並びを整えるために作用させる力に、もうひとつ整形力という力があります。

先ほど、歯並びを整えるために歯や顎の骨に加える力を矯正力というと書きました。

矯正力と整形力にはどのような違いがあるのでしょうか。

実は、広い意味では整形力も矯正力に含まれます。

なぜなら、矯正力のうち、顎骨に加える力を区別して整形力とよんでいるからです。

矯正力とひとことで表現せずに、整形力とわざわざ別々の言葉を使って置き換えるのには、理由があります。

顎の骨を移動させることや顎の骨の成長方向をコントロールすることも、歯並びを整えるために、歯を移動させることと同じくらいに、とても重要だからです。

ちなみに、顎の骨に加える力を整形力という言葉を使って説明するとき、同時に用いる矯正力という言葉は、純粋に歯を移動させるために作用させる力のみを指します。

矯正治療というと、単に歯を移動させているだけのように思われるかも知れませんが、整形力という別のことがあることから、矯正歯科医は、歯だけでなく、顎の骨のことも考えて歯並びを整えていることが、おわかりいただけたのではないでしょうか。

 

■矯正力の種類


歯を移動させる矯正力、実はこの矯正力にもいろいろな種類があり、大きく分けると器械的矯正力と機能的矯正力の2種類になります。

○器械的矯正力

器械的矯正力とは、器械、すなわち矯正装置自体から生み出される矯正力のことです。

器械的矯正力にもいろいろな種類があります。

◇ワイヤー

ワイヤーによる矯正力は、矯正治療の中でもっともオーソドックスな矯正力です。

ワイヤーは形状記憶合金で作られています。

ワイヤーを歯に装着すると、変形します。

ワイヤーは形状記憶合金で作られているため、変形したワイヤーは元の形に戻ろうとします。

ワイヤーによる矯正力は、使われている金属の材質や、ワイヤーの太さ、ワイヤーの作用部位までの長さ、丸型や角型などの断面の形、直線やループなどのワイヤーの形などによって違いがあります。

ワイヤー矯正では、ワイヤーを選ぶことで適切な矯正力を作用させます。

 

◇エラスティック

エラスティックとは、ゴムのことです。

ゴムの弾力性を使って歯を移動させます。

矯正治療では、さまざまな材質のエラスティックを使って矯正力を得ます。

エラスティックは、紐状のものもあれば、リング状のもの、太いエラスティック、細いエラスティック、大きなエラスティックに小さなエラスティックといろいろあります。

その中から適切なものを選んで、歯を移動させていきます。

 

◇スクリュー

スクリューは、日本語に言い換えると拡大ネジで、上顎に用いられる拡大装置についています。

スクリューから発生される強制力は、ネジを回転させることで生み出されます。

矯正力のひとつに分類していますが、歯を移動させる矯正力だけでなく、上顎骨のサイズや上顎の歯並び自体を大きくする整形力としても利用される力です。

スクリューは、ネジを回転させた直後は強い力で作用できるのですが、この力は急速に衰えてしまいます。

したがって、スクリューによる矯正力は、持続的に作用するものではなく、断続的に作用する矯正力ということになります。

 

◇アライナー

アライナーとは、最近、話題になっているマウスピースタイプの矯正装置のことです。

当院で、人気の高いインビザラインもこれに当てはまります。

マウスピースタイプの矯正装置では、アライナー、つまりマウスピース自体が矯正力の源となるため、顎関節症の治療で使われるマウスピースと比べると、とても硬く作られています。

アライナーによる矯正力は、装着中、常に作用し続けます。

 

○機能的矯正力

機能的矯正力とは、矯正装置ではなく、ご自身のお口の周囲の筋肉の働きで歯を移動させる矯正力です。

もっとも、何もせずに歯が勝手に移動して理想的な位置に並んでくれるわけではありませんから、何かしらの矯正装置は必要です。

機能的矯正力を得るときに用いるのが、機能的矯正装置というタイプの矯正装置です。

機能的矯正装置にはいろいろなタイプがあり、代表的なものがアクチバトールです。

その他、咬合斜面板やリップバンパーなどもあります。

機能的矯正装置は、ワイヤーやマウスピースなどの器械的矯正力を発揮する矯正装置と違って、それ自体が歯を動かすわけではありません。

では、どのようにして歯を移動させるのか、それが筋肉の力です。

ただ、必ず機能的矯正装置を利用しなければ、機能的矯正力を発揮できないのかというとそんなことはありません。

機能的矯正装置を利用しないで、口腔筋機能療法(MFT)という唇や舌の訓練で機能的矯正力を得ることもあります。

 

矯正力は器械的矯正力と機能的矯正力の2種類

矯正力は器械的矯正力と機能的矯正力の2種類

 

■矯正力の強さ


では、『矯正力』は、どれくらいの力を歯に加えているのでしょうか。

歯を移動させるのに、どれくらいの矯正力が必要なのかを考えるポイントがあります。

○歯の大きさや、歯根の数とその形

大きい奥歯を移動させるのと、小ぶりな前歯を移動させるのでは、自ずと必要な力が違ってくるのはわかっていただきやすいと思います。

例えば、前歯をみてみると、一見すると同じように見えても、犬歯だけは他の歯と比べて歯根の長さがとても長くなっています。

根が長い歯もやはり動かすのは難しくなります。

歯根の形も矯正力を考えるうえで大切な要素のひとつです。

 

○歯に加わる筋肉の力

歯の位置は、唇や頬、舌などの筋肉のバランスの取れたところにあります。

どれくらいの矯正力を考えるとき、筋肉のバランスに打ち勝てるだけの力を考えなければなりません。

 

○力の方向や時間など

矯正力と書きますから、どうしても力の大きさにばかり目がむかいがちです。

実際には、力の大きさだけではなく、どの方向に向かって力を加えるのか、どれくらいの時間力をかけ続けるのか、また、力の源となるところから歯までどれくらいの距離を設定するのかなども重要なポイントです。

 

このように、矯正力をどれくらいにするのかを決めるためには、たくさんの要因が複雑に絡み合っていることがわかってもらえると思います。

歯を動かすために最も適した矯正力を一律に決めることはできません。

どれくらいの力をどの方向に、どれだけの時間加えるのか、これが矯正治療の成功の礎となるわけですが、それを決めるのが、矯正治療にあたる歯科医師の長年の経験と知識です。

なんだか職人技みたいですね。

 

■矯正力の作用時間


矯正力には、作用時間によって『持続的な力』と『断続的な力』の2種類に分けられます。

○持続的な力

持続的な力とは、文字通り矯正力が途絶えることなく、ずっと加わり続ける矯正力のことです。

ワイヤーやマウスピースなどの器械的矯正力の多くが、この持続的な力になります。

持続的な力では、矯正装置を使っている間、矯正力の減りがほとんどないか、とてもゆるやかになっています。

先ほど例に挙げた矯正装置以外に、エラスティックや補助弾線という細いワイヤーなどでも持続的な力を加えることができます。

 

○断続的な力

断続的な力とは、途切れ途切れに加わるタイプの矯正力です。

代表的な断続的な力としては、スクリューから得られる矯正力が挙げられます。

スクリュー以外では、太めのワイヤーから得られる矯正力も断続的な力に含まれますが、作用距離が短いために、歯が少し移動すれば、矯正力はたちまち0になってしまいます。

これを何度も繰り返すことで、歯を移動させていきます。

なお、断続的な力は、持続的な力と異なり、矯正力の大きさは強くなります。

 

○間欠的な力

間欠的な力とは、ある一定の時間だけ作用するようになっている矯正力です。

アクチバトールや咬合斜面板などの筋機能矯正装置がきちんと機能したときに得られる矯正力が、この間欠的な力に当たります。

断続的な力と間欠的な力は、矯正力が持続しないという点で、とても似ています。

そのため、断続的な力も間欠的な力のひとつとして捉える見方もあります。

 

■歯の動き方


適切な矯正力が歯に作用した場合の歯の移動の仕方は、5種類あります。

『傾斜移動』『歯体移動』『回転』『挺出』『圧下』です。

○傾斜移動

歯の頭である歯冠に横向きに単純な力を加えると、歯は傾きます。

傾斜移動とは、これを利用した歯の動かし方です。

傾斜移動では、歯の根の先3分の1あたりを中心として歯が回転し、歯の根の先は歯冠と反対方向へ移動します。

傾斜移動に必要な矯正力は、一般的に50〜75グラムと言われています。

 

○歯体移動

歯体移動とは、歯間も歯根も同じ方向に同じ分だけ移動させる歯の動かし方です。

歯をそのまま横にずらすような動かし方といえばイメージしやすいかも知れません。

傾斜移動では、歯に1箇所だけ力を加えればよかったのですが、歯体移動では2箇所に同時に力を加えなければなりません。

歯体移動を行うためには、100〜150グラム程度の力が必要とされています。

 

○回転

回転では、歯の位置そのものは変わりません。

歯の軸を中心に回転させる歯の動かし方です。

回転に必要な矯正力は、50〜75グラムとされており、傾斜移動と同じくらいです。

 

○挺出

挺出とは、歯が上方へ引き抜かれるような歯の動かし方です。

挺出は、最も弱い力で行わなければなりません。

歯を挺出させるのには、15〜20グラムほどの矯正力に抑えなければなりません。

 

○圧下

圧下とは、挺出の逆で、歯を骨の方向に押し込む動かし方です。

元々、噛み合わせることで歯には沈み込む力が常に加わっていますから、圧下は一筋縄ではいきません。

矯正力の中でも、最も強い力を加える必要があります。

 

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矯正治療と虫歯歯周予防

2021年9月17日

こんにちは

 

現在の矯正治療は、ブラケットとワイヤーを使ったマルチブラケット法が主流です。

この矯正治療法では複雑な矯正装置を使うため、食べ物の流れが悪くなるばかりか、歯磨きもとても難しくなります。

近年、新しく登場し、目立たない、取り外しができるなどの利点から、当院でも需要が高まっているインビザラインのようなマウスピース矯正なら、歯磨きはしやすくなります。

ですが、つけている間の唾液の流れが悪くなることから、唾液の持つ汚れを洗い流す働きや虫歯菌の活動を抑える働き、初期虫歯を治す働きが発揮できなくなります。

マルチブラケット法、インビザライン、ともに矯正治療中の虫歯のリスクからは逃れられないようです。

そのため、矯正治療中は、より一層のお口のケアが望まれます。

今回は、矯正治療とお口のケアについてお話ししたいと思います。

目次

■矯正治療での抜歯の目的
■矯正治療と虫歯
■矯正治療と歯周病
■矯正治療中の虫歯の予防
■矯正治療中の歯周病の予防

■矯正治療での抜歯の目的


矯正治療を受けている間は、歯磨きをはじめとするお口のケアが難しくなります。

食べたものも残りやすいですし、お口の中も不潔になりやすいです。

ちょっと油断するとたちまち矯正装置の周囲に虫歯が生じたり、歯ぐきが腫れたりします。

矯正治療中は特にお口のケアが重要とされるのはこのためです。

○虫歯のリスク

虫歯の原因は、歯の表面をおおうプラークに潜んでいるストレプトコッカス・ミュータンスなどのレンサ球菌であることが明らかになっています。

プラークの中で虫歯の原因菌が、磨き残しの中の炭水化物を分解して乳酸を作り出し、この乳酸が長期にわたって歯のエナメル質に接触し続けることで、エナメル質が脱灰され虫歯が発生します。

すなわち、虫歯が発生するには、『歯』と『細菌』、『細菌のエサ』の3つの条件が揃う必要があり、どれか一つでも欠けると虫歯にはなりません。

余談ですが、わたしたち歯科医師は、学生の頃からこの3つの発生要因を円にして、それらが重なり合った図を、これでもかというほど教え込まれます。

矯正治療を受けている間は、これらの3要素が簡単に揃いやすく、虫歯になりやすい傾向が指摘されています。

 

○歯周病のリスク

歯周病も、細菌が原因で起こる炎症性の病気です。

歯周病の原因菌も、虫歯と同じくプラークの中にいます。

実は、プラークの場所によって細菌の種類に違いがあることがわかっています。

特に影響しやすいのが、歯と歯ぐきの隙間である歯周ポケットの中にいる嫌気性のグラム陰性桿菌です。

矯正装置が装着されると、歯周ポケットの部分にまで歯ブラシの毛先が届きにくくなりますから、歯周病のリスクも高まるのです。

 

■矯正治療と虫歯


矯正治療を受ける前の段階では、虫歯の原因菌が潜んでいるプラークは、歯の付け根付近、歯と歯の間、噛み合わせ面の溝、乱杭歯の重なり合っているところなどに発生しやすい傾向があります。

その他、生え切っていない歯や、上顎と下顎の前歯の裏側にもつきやすいです。

言い方を変えると、ちゃんと生えている歯の表面にはあまりついていないとも言えます。

ところが、矯正治療がいざ始まると、このプラークの付きやすいところが変化します。

矯正装置が装着されるため、お口の中の状態が複雑化するからです。

そのため、歯に部分的にプラークがつくのではなく、矯正装置の周囲を含めて、歯の表面全体にプラークがつきやすくなります。

特に注意が必要なのが、マルチブラケット法による矯正治療のときで、ひどい場合はブラケットやバンドの表面にまでプラークが付着します。

ワイヤーの下の部分も要注意です。

また、金属バンドのフィットが悪い場合は、プラークがより付着しやすくなり、セメントが溶け出し、隙間を作ってしまいます。

金属バンドと歯との隙間には歯ブラシは入らないので、この部分にプラークが溜まるとそこから虫歯が発生することになります。

一見すると歯は綺麗に磨いてあり、プラークがついていないように見えることもありますが、見えにくいだけという場合がほとんどです。

実際、プラークの染め出し液を塗ってみると、プラークの付き具合がよくわかります。

 

■矯正治療と歯周病


○歯列不正と歯周病

歯並びの悪い方の多くは、すでに歯周病になっている傾向がみられます。

その理由は、いろいろあります。

例えば、噛み合わせている歯や隣の歯との位置関係が良くないために、正しい噛み合わせが得られていないこと、お口が本来持っている唾液などを利用した歯の表面の汚れを洗い流す働きが下がっていることなどです。

また、歯並びが重なり合っているなどの原因で、歯ブラシが歯ぐきを適度に刺激できないことも影響していると考えられています。

多くの場合は、矯正治療を受けて歯並びが整えられると、これらの歯周病を引き起こしていると考えられる原因は解消されるため、歯周病の症状は改善されます。

しかし、これはあくまでも矯正治療が終わった後の話です。

矯正治療を受けている間は、矯正装置が入っていることでお口の中の清掃状態が悪くなってしまいます。

マルチブラケット法の矯正装置はもちろんですが、インビザラインのようなマウスピース矯正もしかりです。

プラークが増えたり、食べカスが残ったままになったりすることが、歯ぐきの腫れを引き起こすことは明らかです。

 

○実は子どものときから始まっている歯周病

歯周病というと、大人の病気と思われがちですが、実は小学校に入る前のお子さんの2割ほどに歯ぐきの腫れ、つまり歯肉炎が見られます。

歯肉炎も立派な歯周病のひとつです。

ここから年齢が上がり、乳歯と永久歯が混ざり合った混合歯列期という状態の年齢では、特に10代前半にかぎってみると、80%近くに歯肉炎が起こっているとも言われています。

混合歯列期が終わり、永久歯だけの歯並びになってくると、歯肉炎から歯周炎に発展します。

簡単にいうと、歯肉炎は単に歯ぐきが腫れただけの状態ですが、歯周炎は歯ぐきの腫れだけでなく、歯を支えている骨が減ってしまう歯周病です。

10代後半から20代前半でみるとおよそ70%に歯周炎が起こっています。

ちょうどこの年齢層は、矯正治療を受けている年齢層にほぼ一致します。

冒頭に、『歯並びの悪い方は矯正治療を受ける前からすでに歯周病になっている』と書いたのには、こういう背景があったわけです。

 

■矯正治療中の虫歯の予防


虫歯の予防法の基本は、先にご紹介した『歯』と『細菌』、『細菌のエサ』の3つの条件を断ち切ることです。

ひとつでも欠けると、虫歯は起こりません。

矯正治療中に虫歯になると、矯正装置を除去して虫歯の治療に専念しなければならなくなることもありますから、そうならないように適切に予防することが大切です。

○歯を強くする

虫歯の原因菌が作り出す乳酸にエナメル質が溶かされないようにするためには、酸に対して歯を強くすることです。

その方法が、『フッ化ナトリウム』という薬です。

みなさんが『フッ素』とよんでいらっしゃる薬は、正しくは『フッ化ナトリウム』といいます。

フッ化ナトリウムを歯に作用させると、それだけで歯を酸に対して溶かされにくい強い歯にすることができます。

フッ化ナトリウムの配合されたうがい液でうがいをしたり、フッ化ナトリウムのジェルを歯に塗ったりするほか、フッ化ナトリウムの配合された歯磨き粉で歯を磨くことも効果的です。

特に、最近では1450ppmという高濃度フッ素配合歯磨き粉が販売されていますから、日常の歯磨き粉をこれに変えるだけで、虫歯予防効果が高まります。

ただし、6歳未満のお子さんには使えないのでご注意ください。

 

○虫歯の原因菌を減らす

虫歯菌を減らすためには、虫歯菌が潜んでいるプラークを取り除くこと、つまりプラークコントロールが1番の対策です。

お口のケア イコール プラークコントロールと言われるほどに、プラークコントロールは、お口のケアの基本です。

プラークを取り除く方法は、歯磨きで物理的にプラークを取り除くことが最も効果的です。

矯正治療中は、歯磨きがしにくくなりますから、ワンタフトブラシなど特殊は歯ブラシを使ってみるといいでしょう。

また、プラーク自体を作り出さないようにするために、近年販売されているプラークを抑える効果のあるマウスウォッシュを使ってみるのもいいですね。

 

○食べ物の工夫

虫歯菌の栄養源を断つことも虫歯予防のポイントです。

具体的には、虫歯菌は、砂糖をはじめとした炭水化物から栄養を得ています。

そこで、砂糖の量を減らしたり、甘いものを食べる時間や回数を減らしたりしましょう。

 

虫歯・歯周病予防にはプラークコントロールが重要

虫歯・歯周病予防にはプラークコントロールが重要

 

■矯正治療中の歯周病の予防


プラークの中にいる歯周病菌が、歯肉炎や歯周炎を引き起こすメカニズムはいろいろ考えられています。

例えば、歯周病菌が作り出す内毒素という毒素成分や、歯周病菌自体の成分が直接的に歯ぐきの炎症を引き起こすという説や、それらに対する人間側の免疫反応が歯ぐきを傷めてしまうといった説までいろいろあります。

いずれにしても、歯周病を発症させないためには、歯周病菌を増やさないようにすることが肝要です。

そのために大切なのが、プラークコントロールです。

歯周病は、歯と歯の間の歯ぐきから始まることが多いため、歯と歯を歯間ブラシやデンタルフロスで清掃するようにしましょう。

そして、定期的にスケーリングやルートプレイニングを受けて歯石を取り除きます。

虫歯の予防では、フッ化ナトリウムを使った歯の強化ができますが、歯周病では歯ぐきを強化する方法はありません。

それゆえに、歯周病対策では、プラークコントロールがより一層重要となります。

また、最近では、歯周ポケット内にミノサイクリン塩酸塩製剤(商品名ペリオクリンr)などの抗菌薬軟膏を直接注入する治療も行われています。

これは、歯周ポケット内の歯周病菌に抗菌薬を作用させ、歯周病菌そのものを直接的にコントロールさせ、歯周病を改善しようというものです。

歯周病の悪化は、矯正治療において重要な歯を支える骨に直接的に影響を及ぼすため、適切な予防管理が重要となります。

 

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矯正治療での抜歯

2021年9月9日

こんにちは

 

矯正治療では、歯並びをきれいに整えるために抜歯をすることがあるのをご存知ですか?

これは当院でも同じで、残念ながら抜歯しなければ歯をきれいに収められないこともあります。

歯並びをきれいにするために矯正治療を受けているはずなのに、どうして歯を抜く必要があるのでしょうか。

また、抜く歯はどのようにして選んでいるのでしょうか。

今回は、矯正治療での抜歯についてお話ししますね。

目次

■矯正治療での抜歯の目的
■矯正治療で抜歯をすることで得られるメリット
■矯正治療の抜歯に伴うデメリット
■適した歯を抜歯しなかったら
■抜歯すべき歯の選び方
■第一小臼歯が多い理由

■矯正治療での抜歯の目的


矯正治療で抜歯をする目的は、

  • 歯の大きさと歯を並べる顎の骨のバランスをとること
    歯を並べようとしても、顎のサイズの方が小さいときれいに並べることはできません。抜歯をして歯を減らすことで、歯を並べるスペースを確保しようというわけです。
  • 正常な上顎と下顎の歯の噛み合わせを得ること
    歯がきれいに並べば、噛み合わせも良くなりますから、こちらもわかっていただきやすいでしょう。
  • 理想的な顔かたちを得ること
    意外に思われるかもしれませんが、歯並びは顔つきに大きく影響しています。歯並びがきれいに整えられると、顔つきも良い方向に変わっていきます。抜歯を行うことで、歯並びを少しでも理想的な状態に近づけ、顔つきも同時に整えようということです。

です。

 

■矯正治療で抜歯をすることで得られるメリット


では、抜歯して矯正治療を行うとどのようなメリットが得られるのでしょうか。

○歯のスペースが確保できる

まだ生えてきていない歯が生えてきやすくするほか、歯をきれいに並べるために移動させるスペースの余裕を得ることができます。

この結果、歯並びの形だけでなく、噛み合わせるという機能面においても、矯正治療の成功の可能性が高まります。

 

○矯正治療後の安定性

ギリギリで歯を並べると、矯正治療が終わったのち、再び歯並びが悪くなってしまうリスクが高まります。

抜歯して、余裕を持って歯並びを整えると、そうしたリスクを下げ、矯正治療後歯並びがより長期にわたって安定できるようになります。

 

○病的なファクターをなくせる

例えば、一度虫歯や歯周病になった歯は、いったん落ち着いても、再び症状が現れることも珍しくありません。

矯正治療のためとはいえ、虫歯や歯周病になっている歯、もしくはなっていた歯を抜歯すると、矯正治療中、あるいは矯正治療を終えたのちに虫歯や歯周病が再発するリスクをなくすことができます。

病的なファクターとしては、虫歯や歯周病以外に、外傷で歯根がダメージを負った歯や、過剰歯という余分な歯や、親知らずなどの埋もれたままの歯などもあります。

 

■矯正治療の抜歯に伴うデメリット


矯正治療にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

○歯並びの連続性がなくなる

例えば、前歯の隣に大臼歯という大きな親知らずがあると、形の違いがあまりにも大きすぎます。

歯並びは、そんなことなく、前歯から奥歯にかけて、少しずつ変化しながら、スムーズに並んでいます。

歯並びをきれいにするためとはいえ、歯を抜きますと、スムーズな歯の流れが失われてしまいます。

 

○お口の容積が狭くなる

お口の容積は、歯並びの内側の容積ともいえます。

歯がなくなると、その分お口の中の容積が小さくなってしまいます。

 

○噛み合わせの安定性が悪化することがある

歯並びの状態によっては、歯を抜きますと噛み合わせの安定が難しくなってしまうこともあります。

 

○歯の移動距離が長くなる

抜歯したスペースを埋めるために歯を移動させるのですが、抜いたところを埋めるための移動距離はとても長くなります。

歯の移動距離が長くなると、それだけ歯を支える歯周組織や移動した歯の根そのものへの影響も大きくなります。

 

○前歯の重なりが深くなりやすい

上顎と下顎の前歯は、少し重なり合う程度が理想的です。

もし、上顎の前歯に下顎の前歯が隠れてしまうようでは、重なり合いが深くなりすぎということになります。

抜歯をして歯並びを整えようとするとそのリスクが高くなります。

 

■適した歯を抜歯しなかったら


実は、歯並びをきれいにするためなら、どの歯を抜いてもいいというわけではありません。

歯並びをきれいにするために犠牲になってもらう歯は、正しく選ぶ必要があります。

もし、適した歯以外の歯を抜歯すると、以下のようなリスクが生じます。

○隙間が残ることによる見た目の悪化

一番わかっていただきやすいリスクがこれですね。

抜歯した歯が大きすぎるなどの理由で、残った歯を動かしてもきちんと隙間を埋められなかった場合、歯並びに隙間が残ってしまいます。

隙間が残った歯並びになってしまい、治療後の見た目があまりきれいにならなくなってしまいます。

 

○隣の歯の傾斜

抜歯して歯並びを整え、矯正治療を終えたとします。

そのとき先ほどの例にあったように抜歯した後の隙間が残っていると、その隙間に対して、隣の歯が傾きながら寄ってきます。

隣の歯が隙間に向かって傾くと、隙間の隣の歯とその隣の歯との間にも隙間ができてしまいますから、同じように後ろの歯が寄ってきます。

そうです、隙間が残ったままになっていると、隙間の見た目だけでなく、歯並び自体も再び悪くなってしまいます。

 

○噛み合わせの悪化

隙間があると、その分上顎と下顎の歯が適切に噛み合わせられなくなります。

すなわち、噛み合わせがかえって悪くなってしまうリスクも生まれます。

 

○前歯の傾き

上顎、下顎の前歯が後ろに向かって引かれることで、内側に向かって傾くことがあります。

 

○大臼歯の前方への移動

抜歯をしたのちに隙間が残ってしまった状態が続くと、大臼歯という奥歯が前に向かってずれてしまうこともあります。

 

抜歯する歯は正しく選ぶ必要がある

抜歯する歯は正しく選ぶ必要がある

 

■抜歯すべき歯の選び方


矯正治療を行うためにどの歯を抜歯するのか、その歯はどのようにして選ぶのでしょうか。

○必要なスペースが得られる大きさの歯であること

矯正治療で抜歯する第一の理由は、歯並びをきれいに整えるためのスペースを得ることです。

もし、抜歯して得られたスペースだけでは歯をきれいに収めきれないようでは、なんのために抜歯したのかわかりません。

しかも、抜歯して得られたスペースの4分の1は、どれほど隣の歯をしっかりと止めていても近づいてきて塞いでしまうと言われていますので、この4分の1を見越しただけのサイズを選ぶ必要があります。

矯正治療で抜く歯を選ぶときには、その歯のサイズが必要なスペースを余裕をもって満たすことができるかどうか、これが1番の条件といえます。

 

○抜歯後の歯の移動が容易であること

いくら、抜歯した歯の大きさが必要なスペースと照らし合わせて適切だったとしても、抜歯して得られたスペースが歯を移動させにくい場所にあっては矯正治療はスムーズに進みません。

抜歯したのちに進められる矯正治療が、順調に進められるような位置にある歯を選ぶことも大切です。

 

○隣の歯に悪影響を及ぼさないこと

抜歯する歯の隣に生えている歯は、もちろん残すのが大前提です。

しかし、抜歯する歯を支えている骨の状態、抜歯する歯と隣の歯との位置関係などにより、抜歯した場合に、何らかの悪影響が残そうとしている隣の歯におよびそうな場合は、その歯を抜歯するのは避けなければなりません。

改めて、隣の歯に影響しないような歯を選ぶ必要があります。

 

○見た目に影響しないこと

仮に、前歯を抜いたとします。

前歯は、外観に大きく影響する歯です。

前歯の大きさがたとえ、必要なスペースとマッチしていたとしても、隣の歯に悪影響を及ぼさない歯であったとしても、前歯がなくなってしまうと、治療後の外観に影響が出るのは避けられません。

理想的な顔つきにすることも矯正治療の目的のひとつですから、見た目に影響するような歯を抜歯してはなりません。

 

○歯並びの持つ機能に影響しないこと

歯には、見た目だけではなく、食べ物を噛む、言葉をはっきり発音できるようにするなどの機能的な役割があります。

適当に歯を抜いてしまった結果、歯固有の機能が損なわれてしまうようでは、矯正治療の意味がなくなってしまいます。

矯正治療が終わったのち、機能的な面で悪化が生じないような歯を選ばなければなりません。

 

○左右両方を抜くこと

もし、右側の歯だけ、左側の歯だけ抜くとなると、歯並びのバランスが狂ってしまいます。

その結果、上顎と下顎の歯並びの真ん中が合わなくなってしまうばかりか、歯並び自体が体の中心線からずれてしまうことにもなります。

見た目が悪くなってしまうだけでなく、歯並びの対称性もなくなってしまいます。

抜歯する場合は、右も左も均等になるように抜歯する歯を、かつ原則的には同じ名前の歯を選ばなければなりません。

 

○予後の悪い歯を優先

例えば、第一小臼歯という前から4番目の歯と第二小臼歯という前から5番目の歯の形はとてもよく似ています。

抜歯する歯をどちらにしようかと迷うことも珍しくありません。

そんなとき、いずれかの歯が、欠けたり割れたりしている、深い虫歯になっている、根の先に膿の袋ができているような場合は、健康な歯の方ではなく、そちらを選ぶようにします。

 

■第一小臼歯が多い理由


実際の矯正治療の現場では、歯並びの状態や骨格の状態はみなさん異なりますから、一律にどの歯を抜くのが適していると決まっているわけではありません。

先ほどお話ししたように、抜く歯を選ぶにはいろいろな条件を考えて、慎重に選ぶ必要があります。

けれども、一般的に多いのは、第一小臼歯です。

第一小臼歯がよく選ばれるのには理由があります。

○前歯の歯並びを整えるのに有利

第一小臼歯は、前歯部に近い、つまり前歯を移動させやすい位置にあります。

そのため、前歯の乱杭歯や上顎前突、下顎前突などの治療にも十分対応できます。

 

○奥歯の歯並びを整えるのにも有利

奥歯の歯並びを整えるにも、移動させやすい位置にあるため、奥歯の矯正治療にも利用しやすいです。

 

○噛み合わせの安定性にも有利

下顎の歯の幅を全て足した数値を上顎のそれで割ったものをオーバーオールレイシオと言います。

第一小臼歯なら4本抜歯しても、オーバーオールレイシオがそれほど変わらないため、奥歯の噛み合わせを安定させやすいです。

 

○機能上の問題も少ない

第一小臼歯は、元々それほど噛み合わせの力が大きくないので、抜歯しても噛み合わせの力という機能的な点でのマイナスがほとんどありません。

 

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マウスピース型の矯正歯科装置

2021年9月3日

こんにちは!

 

最近、マウスピース矯正ってよく耳にして興味がある方って増えていると思います。

今日は当院で扱っている「インビザライン」についてお話していきます。

 

みなさんは今までの矯正治療のイメージはなにがありますか?

  • 金属のワイヤーが目立つ
  • 何年も治療期間がかかる
  • 毎月調整に通う
  • 矯正装置を調整したばかりだと何日かお食事の際に痛くて噛めない
  • 歯磨きがしにくいため、虫歯になりやすい
  • 食べ物が挟まる

このようなイメージから興味はあるけど諦めた経験がある方もいらっしゃると思います。

目次

■目立たない矯正治療とは
■来院回数も少ない
■痛みが少ない
■歯周病、虫歯のリスク
■認定医院
■自己管理が必要
■マウスピース以外の矯正装置が必要なこともある

■目立たない矯正治療とは


矯正治療というと、金属製の矯正装置を歯の表側につける姿をイメージする方がほとんどではないでしょうか。

中には歯の裏側に装置をつけたり、プラスチックやセラミックの器具にしたりして、目立ちにくくしているタイプもあります。

インビザラインは、それらとは一線を画す透明なマウスピース型矯正歯科装置を使った矯正治療法です。

多くの方がマウスピースと聞くと、スポーツのときや顎関節症の治療で使用するような分厚いマウスピースを想像するかと思います。

インビザラインのマウスピースは、透明ですから装着していても目立ちません。

厚みもとても薄いため装着中の違和感も少なくなっています。

そのため、接客業の方もお仕事中にできるとあって、とても注目されています。

 

■来院回数も少ない


マウスピース矯正は、インビザラインだけではありません。

インビザライン以外のマウスピース矯正の場合、来院のペースは、およそ2〜3週おきです。

それは、治療を進めるための新しいマウスピースを製作する必要があるからです。

ところが、インビザラインでは、基本的に最初に1度歯型を取ると、3次元画像化技術とCAD/CAM技術により、将来必要となるマウスピースまでまとめて作成できるようになっています。

そのため来院の頻度は6~8週間に1回のペースと、来院の回数を少なく抑えることができます。

 

■痛みが少ない


インビザラインの特徴のひとつに、ワイヤー矯正と比べて治療中の痛みの少なさがあります。

では、インビザラインはどうして痛みが少ないのか、お話していきますね!

矯正治療中に痛みを感じる理由は、ふたつです。

 

ひとつは、頬や唇などに矯正装置が当たって傷をつけること、ふたつは、歯を動かすことです。

ワイヤー矯正の矯正装置は凸凹としていますから、角のある硬い部分が頬や唇に当たると、口内炎ができてしまいます。

インビザラインなら、滑らかなプラスチック製のマウスピースなので、頬や唇に傷を作ることがありませんから、傷による痛みが生まれないわけです。

 

では、ふたつ目の歯を動かすときの痛みとはいったいどういうことでしょうか。

 

矯正治療で、歯を動かすために歯に力を加えると、歯の周囲を覆っている骨に、吸収と新生が生じます。

歯を動かす方向、つまり圧力の加わる側の骨には、破骨細胞という骨を吸収させる細胞が生まれ、骨を溶かしていきます。

 

そして、反対側では、骨芽細胞の働きで新しい骨が作られ、歯が移動してできた隙間を埋めています。

この破骨細胞による骨の吸収と、骨芽細胞による骨の新生は、骨のリモデリングという全く正常な現象なのですが、矯正治療では歯を人為的に動かすことで、骨吸収が起こる側に痛みの元となる物質が生まれます。

 

これが歯を移動させるときに痛みが生じる原因です。

 

ここまで読むと、ふと疑問が浮かんできませんか?

インビザラインも、ワイヤー矯正と同じく矯正治療ですから歯を移動させます。

歯を移動させなければ、歯並びは整えられませんよね。

では、どうしてインビザラインはワイヤー矯正より痛みが少ないのでしょうか。

それは、インビザラインの歯を動かす仕組みに理由があります。

ワイヤー矯正では、ブラケット、つまり一箇所に力が加わり歯を移動させようとします。

一方、インビザラインは、歯の頭部分、つまり歯冠全体をマウスピースで覆って、歯

全体に力を加えて、歯を移動させます。

 

歯を移動させる力の強さは、ワイヤー矯正もインビザラインも同じくらいの強さなのですが、インビザラインは歯全体に力が加わりますから、力が分散されるというわけです。

インビザラインもワイヤー矯正も歯を移動させますが、歯に加わる力のかけ方が少し異なるために、インビザラインは歯を動かすときの痛みが少なくなると考えられています。

 

■歯周病、虫歯のリスク


ワイヤー矯正は、ご自身では取り外しができませんから、食事の後の歯磨きがとてもしにくくなります。

そのため、ワイヤー矯正での治療中は虫歯や歯周病の発生のリスクが、治療を受けていない場合と比べてとても高まります。

矯正治療を受けている間に虫歯や歯周病になってしまうと、治療を中断して、虫歯や歯周病の治療をしなくてはならなくなります。

 

インビザライン矯正は、ご自身で矯正装置であるマウスピースの取り外しができますから、食後の歯磨きがとてもしやすいというメリットがあります。

もちろん、お食事の時もマウスピースを外していただけますから、お食事の最中に食べ物が矯正装置に挟まって気持ちが悪くなることもありません。

取り外して歯磨きができる点は、インビザラインなどのマウスピース矯正の利点なのですが、マウスピースをつけている間は、歯や歯ぐきの周囲への唾液の流れが悪くなってしまいます。

 

唾液には、お口の中の虫歯菌や歯周病菌の活動を抑える抗菌作用や、お口の中の汚れを洗い流す洗浄作用、虫歯菌によって溶かされた歯を治す再石灰化作用、お口の乾燥を防ぐ湿潤化作用などいろいろな働きがあります。

インビザラインのマウスピースの装着時間は、1日22時間です。

食事と歯磨きのとき以外は、ほとんどマウスピースを付けているといってもいいでしょう。

この間、唾液のさまざまな働きは、歯に作用されにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

外出先での食事など、お食事の後歯磨きができないというときも、少なくともうがいだけはしてください。

また、マウスピースをつけていると、お口の中が乾燥しやすくなりますから、こまめな水分補給でお口の中を潤いしてください。

お水ならマウスピースをつけたまま飲んで頂いても問題ないです。

このようにインビザライン矯正は他の矯正治療に比べて虫歯のリスクが少ない矯正方法ですが、リスクが全くないわけではありませんからご注意ください。

 

■認定医院


当院は、インビザラインを開発したアライン社から、治療レベルで上位クラスにあたる「プラチナエリート」という認定を受けた歯科医院です。

インビザラインは、治療レベルに応じて7つのランクが設定されています。

当院が認定を受けている「プラチナエリート」は、インビザラインによるマウスピース矯正を、年間81症例以上行った医院を対象としています。

このほかに、アライン社では、歯科医院単位ではなく、診療にあたる歯科医師単位でも認定制度を設けています。

それは、「インビザドクター」という認定医制度です。

インビザドクターは、インビザラインでの治療経験が50症例以上を認定の基準とした制度です。

大きな歯科医院では、歯科医院自体がインビザラインから認定を受けていても、そこで治療にあたる歯科医師がすべてインビザラインに精通しているとは限りません。

そこで、歯科医院の認定と別に、歯科医師の認定医制度を設けているわけです。

当院の担当医は、インビザドクター、つまりインビザライン「認定医」を取得しております。

安心してご相談ください。

 

みなさんメリットがあるとデメリットも気になりますよね?

良い面ばかりに気を取られて治療を始めるとデメリットに気づいてきちんと治療が進まないことになると残念ですよね。

治療を始める前に必ず知っておきましょう。

 

当院は上位クラスの治療レベル「プラチナエリート」認定医院

当院は上位クラスの治療レベル「プラチナエリート」認定医院

 

■自己管理が必要


マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いはいろいろありますが、ワイヤー矯正以上に重要となるのが、自己管理です。

インビザラインでのマウスピース矯正では、その他のマウスピース矯正と異なり、すぐに使っていただくマウスピースだけでなく、そのマウスピースの次の段階で使う交換用のマウスピースも一緒にお渡しすることができます。

交換用のマウスピースもまとめてお渡しできることが、インビザライン矯正の特徴であり、通院回数を減らせるというメリットにつながっています。

これを言い換えると、患者さまご自身が、歯科医師から支持されたタイミングで、次の新しいマウスピースに取り替えなければならないということを意味しています。

もちろん、交換するマウスピースを間違えてはいけないことは言うまでもありません。

 

先ほどお話しした自己管理とはこのことで、自己管理こそが、マウスピース矯正を成功させるカギと言っても過言ではありません。

少し面倒臭いと思うこともあると思います。

しかし!理想の歯並びを得るためにも頑張りましょう!

インビザライン矯正では、マウスピースをご自身の手で取り外せますから、矯正装置の隙間に食べ物が挟まったままになる心配はありませんが、矯正治療中の虫歯や歯周病は、矯正治療を中断させる原因となります。

お食事を楽しんだ後は、ブラッシングやデンタルフロスでのお口のケアをしてからマウスピースをつけるのが理想的ですが、それができないときは、うがいだけでもしてください。

そして、うがいの後で、マウスピースをつけるようにお願いします。

 

■マウスピース以外の矯正装置が必要なこともある


インビザライン矯正では、マウスピースだけでは歯並びをきれいな状態に整えられないという場合、「アタッチメント」という小さな矯正装置を歯の表面につけることがあります。

マウスピースは、このアタッチメントの上から装着します。

すると、マウスピースからの力がアタッチメントに作用して歯に伝わり、歯が移動するという仕組みです。

マウスピース矯正といいますが、完全にマウスピースのみで治療できて、歯には何も着けないとお思いの方も多いと思いますので、注意が必要です。

また、「チューイー」という丸いチューブをつけることもあります。

これは、マウスピースと歯をしっかりとフィットさせるために用いられます。

新しいマウスピースをはめると、マウスピースの歯並びと実際の歯並びにギャップがあることがあります。

もし、マウスピースが歯から浮き上がったまま装置を使用すると、歯に適正な力がかからず、当初の治療計画通りに歯は動きません。

そこでチューイーを装着して、歯にマウスピースをフィットさせて、歯にしっかりと力を加えるというわけです。

 

いかがでしょうか?

少しはマウスピース矯正についての不安が取り除けたでしょうか?

しかし、マウスピース矯正はすべての方が適用なわけではありません。

抜歯を必要とするような歯を動かす距離が大きい場合など、マウスピース矯正だけでは限界があるという場合がないわけではありません。

そのようなときは一定期間、ワイヤーとブラケットによる矯正を併用することもあります。

目立ちにくい、痛みが少なくできると思い、マウスピース矯正したいけど、目立つのは困るなと思う方。安心して下さい!

あなたにとって最適な矯正治療法をご提案させてください。

もっと詳しく知りたい。インビザラインで矯正治療を始めてみたいという方はぜひ、一度ご相談ください。

 

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アクチバトール

2021年8月23日

こんにちは

 

お口の中の舌や頬、唇などの軟組織の働きを利用して歯並びを整える矯正装置を機能的矯正装置といいます。

機能的矯正装置の代表とも言えるのが、アクチバトールという機能的矯正装置です。

機能的矯正装置は、歯学部の学生が矯正歯科学の実習で一度は製作するほど、メジャーな機能的矯正装置です。

もちろん、当院でも必要に応じてアクチバトールを用いた治療を行っています。

今回は、アクチバトールについてご紹介します。

目次

■アクチバトールとは
■アクチバトールの形
■アクチバトールの適応症

■アクチバトールとは


アクチバトールは、activatorと書きます。

F.K.O(ドイツ語なのでエフ・カ・オーと読みます)や、英語でアクチベーターという別名で呼ばれることもあります。

○アクチバトールの効果

アクチバトールの特徴は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正と違って、アクチバトール自身には歯を移動させる力がないというところです。

ですから、アクチバトールをお口に装着しても、歯は動きません。

アクチバトールをお口に装着すると、食事のときに使う咀嚼筋という筋肉など、お口の周囲のいろいろな筋肉が刺激され、それらが適度に活性化させます。

これらお口の周囲の筋肉の働きを、歯を移動させる力に変えて、歯を移動させるようになっています。

こうしたアクチバトールの作用は、成長発育が旺盛な時期に顕著に現れます。

 

アクチバトールは筋肉の働きで歯並びを整える

アクチバトールは筋肉の働きで歯並びを整える

 

■アクチバトールの形


アクチバトールは、上顎と下顎の矯正装置が一体化した構造をしています。

この一体化した矯正装置に誘導線という太めのワイヤーが装着されています。

アクチバトールをお口に装着すると、下顎骨が前に引っ張り出されるような感じになり、これが、お口の周囲のいろいろな筋肉を適度に活性化する効果をもたらします。

こうして、歯並びを整えていきます。

もちろん、治療の途中で調整が必要となることもあります。

そのようなときは、誘導線や誘導面を調整することで対応します。

 

■アクチバトールの適応症


アクチバトールは、下顎が後ろに下がった上顎前突症や、食事のときなど噛み合わせたときに生じる受け口の治療、上顎が大幅に前に出た過蓋咬合という歯並び、上下の噛み合わせが部分的に反対になっている交叉咬合という噛み合わせの治療などに用いられます。

アクチバトールは、歯並びを整えるためだけに使われるものではありません。

歯並びに適度な隙間を保つための保隙装置や、矯正治療が終わった後に歯並びに後戻りが起こらないようにする保定装置としても用いられることもあります。

 

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